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92話:劉備を徹底的に追い詰める張任

2015年7月3日


劉備 危機一髪

 

龐統(ほうとう)を殺され、蜀の張任(ちょうじん)に

押しまくられる劉備(りゅうび)ですが、伊達に長年、

負け犬をやっているわけではありません。

 

 

根拠地の涪水城に戻ると、張任の攻撃に耐えながら、

反撃の準備を着々と整えます。

 

前回記事:91話:張飛の大手柄 蜀将の厳顔を味方にする

 

監修者

ishihara masamitsu(石原 昌光)kawauso編集長

kawauso 編集長(石原 昌光)

「はじめての三国志」にライターとして参画後、歴史に関する深い知識を活かし活動する編集者・ライター。現在は、日本史から世界史まで幅広いジャンルの記事を1万本以上手がける編集長に。故郷沖縄の歴史に関する勉強会を開催するなどして地域を盛り上げる活動にも精力的に取り組んでいる。FM局FMコザやFMうるまにてラジオパーソナリティを務める他、紙媒体やwebメディアでの掲載多数。大手ゲーム事業の企画立案・監修やセミナーの講師を務めるなど活躍中。

コンテンツ制作責任者

おとぼけ

おとぼけ(田畑 雄貴)

PC関連プロダクトデザイン企業のEC運営を担当。並行してインテリア・雑貨のECを立ち上げ後、2014年2月「GMOインターネット株式会社」を通じて事業売却。その後、「はじめての三国志」を創設。現在はコンテンツ制作責任者として「わかるたのしさ」を実感して頂けることを大切にコンテンツ制作を行っている。キーワード設計からコンテンツ編集までを取り仕切るディレクションを担当。


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張任の罠にはまる劉備軍

魏延

張任の軍が長らくの包囲に疲れて士気が低下したのを見計らい、

劉備は反撃を開始、魏延(ぎえん)を右、黄忠(こうちゅう)を左

そして、劉備が中央に展開する布陣を展開して、

蜀軍を圧倒して、張任を敗走させました。

 

 

しかし、これは張任の罠でした。

張任は雒城に入ると、籠城し劉備軍を散々に攻めさせます。

 

ところが、雒城は堅城で、どんなに攻撃してもビクともしません。

 

疲れが見えた劉備軍に張任は再び、罠を仕掛けます。

 

 

城から、夜密かに兵を出して、劉備の中央軍の背後に伏兵させ、

さらに、魏延と黄忠の軍の左右にも伏兵を配置します。

 

 

そして、翌日、張任は、城を開いて打って出ました。

劉備は、喜び勇んで、張任に立ち向かいますが、

この時に、中央軍の背後と、黄忠、魏延の左右に伏せていた

伏兵が一斉に立ちあがり、劉備軍を分断したのです。

 

劉備軍、またまた大ピンチ

雷怖くない 能ある劉備

 

劉備軍は、いきなり軍の左右が敵兵になったので大混乱、

軍は、総崩れになり、劉備は兵士とも魏延、黄忠ともはぐれて、

たった一騎で逃げる羽目になります。

 

 

「見つけたぞ!あれが劉備だあ!追えーッ、殺せーっ!!」

 

 

張任は、故郷を蹂躙された恨みを晴らすのは今とばかりに、

たった一人で逃げる劉備を執拗に追いかけます。

 

 

劉備:「いよいよ、ここでワシもお仕舞いか、、」

 

 

疲れて勢いが落ちてきた馬を見つめながら、

劉備が諦めかけた、その時です。

 

援軍の張飛がタイミングよく合流

長坂の戦い 張飛

 

張飛:「劉兄ぃ、無事かああああああ!!!!」

 

山の間道から、張飛(ちょうひ)の軍勢1万が飛び出してきました。

 

 

張飛:「てめえらぁ!!戦がしたいなら、この張飛様が相手だあ

かかってきやがれィ!!」

 

 

張飛は蛇矛を振り回し、劉備に追いすがろうとする蜀軍を威圧します。

 

 

張任:「何!!あの長坂橋の勇者の張飛だと、、

やっと、ここまで劉備を追い詰めたと言うに、、

ちっ分が悪い、者共っ退けっ!」

 

 

張任は、部下に号令を出して、雒城に向かって引き返しました。

 

 

劉備:「張飛、よく来てくれた、今度ばかりは、流石にワシも駄目かと

観念しておったぞ、、」

 

 

劉備は、九死に一生を得て、座り込んでしまいました。

 

 

孔明と趙雲も劉備軍に合流

 

その内に、散らばっていた、魏延や黄忠の軍勢が結集し、

そこに、遅れて、孔明(こうめい)と趙雲(ちょううん)の

軍勢が入ってきます。

 

 

涪水城に戻ってきた劉備軍は、4万人に膨れ上がり、

ようやく、張任を攻略するのに、充分な軍勢が整いました。

 

 

劉備:「蜀の武将は、戦争に慣れておらぬので、

ここまでは楽勝であったが、あの雒城の張任だけは、違うようだ、、

わしは、これまでにも何度も煮え湯を飲まされてきた。

知勇兼備の武将だけに、追い詰めても城に逃げ込まれれば、

手が出せない、、孔明、何かよい知恵はないか?」

 

 

劉備に相談されると、孔明は、暫く考えてから言います。

 

孔明:「では、敵将の張任を雒城からおびき出し、二度と戻れないように

致しましょう、私にお任せ下さい」

 

 

孔明は、こうして、劉備に張任をおびき出す策を授けました。

 

 

次回記事:93話:名将 張任、遂に堕ちる

 

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kawauso

kawauso

台湾より南、フィリピンよりは北の南の島出身、「はじめての三国志」の創業メンバーで古すぎる株。もう、葉っぱがボロボロなので抜く事は困難。本当は三国志より幕末が好きというのは公然のヒミツ。三国志は正史から入ったので、実は演義を書く方がずっと神経を使う天邪鬼。

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