この記事の目次
秦王政自ら頭を下げて謝る
秦王政は信と蒙武の敗北を知ると、王翦の家に向かいます。
王翦は客室に秦王政を招き入れると、政はいきなり頭を下げ
「君が提案した進言を取り下げた私が悪かった。どうか許してほしい。」と
謝罪します。
さらに政は言葉を続け「あなたは病だと聞いたが、
何とか秦国の為、楚の国を討伐してほしい」と依頼します。
王翦は謝られてもまだ拗ねており政に対して「私は老齢で、戦に耐えられそうに
ありません。誰か代わりの者を用いてくださいませ。」
と政の願いを断ります。
しかし政は食い下がり「この間の事をまだ怒っているのか。今謝ったんだから
その話は止めよう。」と拗ねる王翦をなだめます。
王翦は政が食い下がってくるので致し方なく「私をどうしても楚の攻略に
用いたいのであれば、60万の兵を用意しないといけませんが、
よろしいですな。」と念を押します。
政は王翦の言葉に頷き、彼の言う通りにすることを約束します。
こうして王翦は楚の討伐に向かう事を決意します。
政に褒美を執拗にねだる
王翦は60万の兵士を与えられ、楚の国へ出陣します。
秦王政自ら見送りに来て、彼の出陣を祝います。
この時王翦は楚に勝った時の褒美として、綺麗で大きな家や大きな田畑
などを政にねだります。
政は快諾し、彼を見送ります。
王翦は楚へ向かう行軍中も執拗に、「褒美の約束を忘れないで頂きたい」
と記した内容の手紙を五回も政へ送り続けます。
執拗に褒美をねだったのは猜疑心(さいぎしん)をかわす為の策
王翦のしつこさを見た側近は「殿。いくら何でもそんなに褒美の事を
ねだったら、秦王様に怒られますぞ」と伝えます。
王翦は側近の言葉を聞くと「私は本当に褒美が欲しいのではなく
秦王の猜疑心をかわす為の策なのだ。今国内の兵は私が全て握っている。
秦王は私が反旗を翻すのではないかと心配になっているはずだ。
だから私は必要にあれが欲しい、これも欲しいと秦王にねだっているのだ。
秦王は王翦が土地と金の事にしか興味がなく、反乱を起こすことはないと
安心してもらえればこの策は成功だ。
だから私はしつこく褒美を秦王にねだっているのだ。」と
自らの策を側近に話します。
この策は成功し、秦王は王翦の欲の深さに呆れつつも、反乱を起こすことはないと安心します。
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楚軍との決戦
王翦は楚の領地に着くと、砦を築き、守りを固めます。
楚軍は王翦の弱腰を見て攻撃をかけますが、撃退されてしまします。
その後も王翦は守りを固めるのみで、一度も攻撃を仕掛けてきませんでした。
楚軍の兵士達は、秦軍が攻撃を仕掛け来ない事ですっかり油断し、
士気はどんどん低下して行きます。
王翦は楚軍の兵士が緩んだ隙を見逃さず、猛攻を開始。
楚軍は秦の猛攻の前になすすべもなく崩壊。
王翦はそのまま猛攻を重ね、楚の各地の城を次々と陥落させ、
ついに楚の首都を陥落させ、楚王を捕える事に成功。
こうして楚は滅亡し、天下統一にかなり近づく事になります。
王翦はその後項燕と楚の公子である昌平君の反乱を鎮圧し、
咸陽へ帰還します。
秦王政は王翦が大勝利を収めたことを大いに喜び、
望みであった褒美を大量に与えます。
王翦はこの戦を最後に、将軍を引退します。
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秦の天下統一が果たされる
楚を滅ぼした翌年、王賁と李信は遼東半島に逃げていた燕王を捕え
燕を滅亡させます。
そして燕を滅ぼした次の年、戦国春秋戦国時代の最後の王国斉へ
王賁・蒙恬・李信が大軍を率いて侵攻。
斉は秦軍に抵抗するもなすすべもなく敗れ、首都臨淄は陥落し、
斉王は捕えられます。
ここに500年間続いた戦の世は終わり、天下は一つの国家にまとまる事になります。
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三国志ライター黒田廉の独り言
キングダムでは何を考えているのかわかりにくい、謎多き将軍を
演じている王翦ですが、史実ではごらんの通り、かなりの活躍し
歴史に名を残した名将です。
今後キングダムでは彼がどのように描かれていくのか楽しみですね。
今回の春秋戦国時代のお話はこれでおしまいにゃ。
次回もまたはじめての三国志でお会いしましょう。
それじゃまたにゃ~
—熱き『キングダム』の原点がココに—