編集長日記
北伐

はじめての三国志

menu

三国志の雑学

どうして陳宮は呂布に従えたの?呂布を見捨てなかった天才軍師の生涯

この記事の所要時間: 31

曹操 ヨイショ

 

曹操(そうそう)も認め、その能力を欲しがった、軍師・陳宮(ちんきゅう)

 

㈱三国志 劉備 孔明

 

「王佐の才」(帝王の補佐役としての才能を持った知恵者)の言葉がふさわしいとして、

有名な 諸葛亮孔明(しょかつりょうこうめい)

 

曹操と荀彧

 

〔ただし、孔明は、史実に基づくとされる「三国志正史」では

軍師としてよりは、政治家として才能があったようですが。〕や

荀彧(しゅんいく)〔曹操の軍師〕とも勝るとも劣らないと言われています。

 

呂布 英雄石像

 

一方、三国志史上、最も勇猛果敢で、戦闘力No1の武将とも言うべき、呂布(りょふ)

この二人を結びつけたのは何だったのでしょうか?

 

はじめての三国志:全記事一覧はこちら

関連記事:張良(ちょうりょう)とはどんな人?高祖劉邦の右腕として活躍した天才軍師(1/3)

 

陳宮、曹操から呂布へ

陳宮
呂布に従う直前までは、陳宮は曹操に仕えていました。

しかもかなりの信頼を得ていました。

曹操の名軍師として知られる荀彧よりもその信は厚かったといいます。

 

呂布 バックブリーカー

 

その曹操を突如として裏切り、暴君・董卓(とうたく)を暗殺し、

諸国を放浪していた呂布に従い、それまで曹操が領有していた土地を差し出します。

 

 

物語上の演出

裏切りは許さぬ 曹操

 

陳宮が曹操を裏切った理由は諸説あるようです。

ただ歴史書の「三国志正史」ではその理由は明かされていません。

一方、小説の「三国志演義」やそれを元にした物語では、曹操の非情さに愛想をつかしたというエピソードが描かれています。

逃亡中にかくまってくれた呂伯奢(りょはくしゃ)という家主の使用人を誤解から惨殺した上に、

呂伯奢本人も口封じのために惨殺してしまうエピソードです。

ただ、そのエピソードは、あくまでフィクションであり、

曹操の非情さを表現するのに絶好のものであり、読者に分かりやすくさせるものであると思えます。

 

方や呂布は、武勇に優れていましたが、知略や知能の面では空っきしで、

脳まで筋肉でできているなどと評されてきています。

その劣っているとされる知能を補い、呂布を名君として仕立て上げることを、

自身の役割りとしたいと信じ、陳宮は呂布に従ったと考えられるでしょうか。

 

この曹操と呂布の対比は、知略に優れた陳宮が、

支えるべき主君を選ぶときにどういう基準で選んだのかを、

読者にとても分かりやすく示してくれています。

 

関連記事:呂伯奢一家殺害事件 曹操:「俺を裏切ることは許さない!」

 

人格に問題があった呂布

華雄と呂布

 

しかし、陳宮が最終的に選んだ呂布は、人格的にかなり問題があったというのが定説です。

あまりに頭も心も幼すぎたのです。

それに絶望しつつも最期まで殉じる、というエピソードは、

陳宮を悲劇の軍師として描くための、物語上での演出になるでしょうか。

後に登場する、主君や仲間に恵まれた諸葛亮孔明との対比として利用された感は否めないですね。

 

関連記事:思わず「やりすぎだろ」と声が出る!脳筋・呂布が袁術にたかる方法が現代でも使える【ビジネス三国志】

関連記事:これは可哀想。。嫌な上司と呂布の謀略の為に死んだ正史の華雄(かゆう)

 

真実は?

呂布 あっけない 最後

 

もちろん推測にしかならないのですが、

陳宮は、仁義に厚い人柄だったのではないかと考えます。

だからこそ、呂布ととも死を選んだと言えるでしょう。

自身の名声のために呂布を利用しようとしていたのであれば、曹操の前に呂布とともに引き出され、

曹操の言葉から助け舟を出されたときに、大人しく生き延びる道を選んでいたはずです。

 

また、陳宮が前主君の曹操を裏切る際、多くの者がそれに呼応しました。

張邈(ちょうばく)という曹操の若かりしころからの親友でさえ、曹操を裏切ります。

上記の呂伯奢殺人事件のエピソードの真偽は分かりませんが、

曹操には、裏切られるほどの、非情な人格を多くの人が目の当たりにして、

離れていくものも少なくなかったと推察します。

方や、呂布の実像としては、指導者や政治家としての才はないながら、

仁義に厚い面などの魅力が垣間見ることができたのではないかと思っています。

 

高順 真面目

 

だからこそ、陳宮に留まらず、先程の張邈や酒は呑まずの聖戦士とも言うべき素養を持った高順(こうじゅん)

張遼(ちょうりょう)と言った有能な武将も配下となっていたのではないでしょうか。

陳宮と高順は呂布とともに最期を迎えますし、張遼は、呂布が最期を迎えた後に、

曹操に降伏し、その後は曹操の元で力を振るいますが、呂布の死が判然するまで、

呂布を裏切り降伏することはありませんでした。

 

ある意味、呂布は高名な人物に支えられいた、

果報者で、その点、劉備に似ているような気もしています。

 

ただ、義父の丁原(ていげん)を董卓にそそのかされて殺してしまうところや、

陳宮や高順などの有能な部下からの提言を何度も聞き入れず、むしろ妻や女性の言うことには従う姿勢は、

母性を求める幼子ような面が目立つのが、呂布の評価を低くしている所以ではないでしょうか。

 

 

三国志ライター コーノ・ヒロの独り言

コーノ・ヒロ

 

陳宮にしても、呂布にしても、

三国志演義などの物語では、ある意味、劉備たちや曹操を引き立てるための脇役にすぎず、

また歴史においても、勝者の目線から語られるので、脇役や悪役よりに語られやすいものです。

今回、陳宮や呂布に注目して、彼らの目線になって、探っていくと、

彼らはそれぞれの人生を一生懸命に生きようとしていた人間味のある人物像が見えてくる気がしました。

悪とか愚鈍さの印象は薄れていきました。

 

本当に優れた能力を持った者が生き延びるのではなく、

優れていても、武運に恵まれなければ、負けますし、

勝てば官軍、負ければ賊軍ということなのでしょうね。

 

それでは、またの機会にお目にかかりましょう。

 

はじめての三国志:全記事一覧はこちら

関連記事:陳宮(ちんきゅう)ってどんな人?溢れんばかりの才能を備えた知略家「呂布編」

関連記事:陳宮(ちんきゅう)ってどんな人?溢れんばかりの才能を備えた知略家「曹操編」

 

 

よく読まれている記事

 

曹操01

 

よく読まれている記事:曹操を好きになってはいけない6つの理由

 

朝まで三国志

 

よく読まれている記事:朝まで三国志 三国志最強のワルは誰だ(笑) 第1部

 

kawauso 投壺

関連記事:三国時代の娯楽にはどのようなものがあったの?タイムスリップして当時の人に取材してみた

 

 

袁紹 曹操

よく読まれてる記事:【三国志if】もし袁紹が官渡の戦いで曹操に勝ってたらどうなってたの?

コーノ・ヒロ

コーノ・ヒロ

投稿者の記事一覧

歴史好きのライターです。
福祉関係の仕事をしつつ、物書きの仕事も色々としています。

小説や詩なども、ときどき書いています。
よろしくお願いします。

好きな歴史人物

墨子、孫子、達磨、千利休、良寛、正岡子規、

モーツァルト、ドストエフスキー など

何か一言

歴史は、不動の物でなく、
時代の潮流に流される物であると思っています。

それと共に、多くの物語が生まれ、楽しませてくれます。

関連記事

  1. 黄忠(こうちゅう)ってどんな人?華々しさとは真逆、家族に恵まれな…
  2. 【意外】古代中国では犬や山猫が鼠を捕っていた?
  3. 荊州争奪戦、荊州がどうしても欲しいんです
  4. 仰天!三国志の時代にはナビゲーション技術があった!?
  5. 【諸葛亮 vs 織田信長】戦争費用捻出法!あれやこれやの財源探し…
  6. 【新事実】漢の時代の市場はヤンキーの溜まり場だった!
  7. 【シミルボン】兵士達の心のオアシス、軍市とはどんなモノだったの?…
  8. 【軍師特集】三国志、中国史、日本史にみる君主を支えた敏腕軍師たち…

google検索フォーム

過去記事を検索できます

ピックアップ記事

おすすめ記事

  1. 「耳で聞いて覚える三国志」をはじめました
  2. 【孟徳新書】曹操の兵法書は敵の手に渡らなかったの?
  3. 日本で一番すごい武将?敵中を突破して帰国した猛将・島津義弘の武勇伝
  4. 三国志の猛将に絡まれちゃった!!貴方ならどうする?身を守る究極の方法を伝授します!
  5. キングダム 518話 ネタバレ予想:王翦の秘策がついに明らかに・・
  6. 【告白】私はこうして三国志にハマりました!

三國志雑学

“広告募集"

はじめての三国志の書籍情報

朝まで三国志 三国志最強のワルは誰だ (桃園出版 三国舎)

著:kawauso 価格480円
※Kindle読み放題対応

ピックアップ記事

おすすめ記事

諸葛瑾(しょかつきん)ってどんな人?偉大な孔明の兄はどうやって乱世を生き抜いたの? 春秋戦国の覇者・桓公の最後は非常に残念!名宰相がいなくなったら大変なことに 【歴史が変わった?】袁術が献帝を擁護していたらどうなってたの? 3話:秦が中華統一できたのは秦が三流国家だったから? 馬場信春(ばばのぶはる)とはどんな人?鬼と呼ばれた武田四名臣の一人 【おんな城主・井伊直虎を見逃した方へ】第25話「材木を抱いて飛べ」の見どころ紹介 黒田官兵衛の奇抜な献策と備中高松城攻防戦の水攻めがスゴイ! 【三国志界の絶対王者】袁術の『陽人の戦い』は頑張らなくても成果がついてくる。その理由とは?

おすすめ記事

  1. 関羽に憧れていた新選組局長の近藤勇
  2. 日中対決!後漢をぶっ壊した董卓と貴族政治を破壊した源義仲
  3. 趙嚴(ちょうげん)ってどんな人?人材豊富な魏の武将達を取りまとめた影の功労者
  4. 【荀彧の心に残る名言】誠にその才あれば、弱と雖も必ず強し
  5. なぜ袁紹は小勢力の曹操に敗北してしまったの?原因は名士だった!?
  6. 三国同盟の終わりと武田信玄の危機
  7. 郭嘉の先見の明が凄すぎる!?孫策が暗殺されることを予想して進言した天才軍師
  8. サンクトペテルブルク以東最大と言われた大阪城を建築した秀吉の狙いとは?

はじさん企画

帝政ローマ
広告募集
HMR
ライフハック
君主論

ビジネス三国志
春秋戦国時代
日常生活
曹操vs信長
架空戦記
ライセンシー
北伐
呂布vs項羽
編集長日記
はじめての三国志TV
PAGE TOP