はじめての三国志

menu

はじめての漢

韓馥(かんふく)とはどんな人?三国志一被害妄想が激しく袁紹に怯え自殺してしまった武将

この記事の所要時間: 410




 

三国志で活躍するような人々は文官、武官を問わず皆、度胸は座っています。

そうでないと恨みを買うのを恐れて、思い切った事は出来ないでしょう。

しかし、どんな世界にも例外がいて、中には産まれた時代が悪かったというような

気の弱い群雄が出てきたりするのです。

今回紹介する韓馥(かんぷく)も、そんな産まれた時代が悪かった気の毒な群雄です。

 

はじめての三国志:全記事一覧はこちら

関連記事:民話の中の三国志がカオスな件!関羽が作者羅漢中にブチ切れる




最初から弱虫、董卓の要請を断り切れず冀州牧に就任

 

韓馥は字を文節(ぶんせつ)と言い、豫州潁川(よしゅうえいせん)郡の産まれ、

あの荀彧(じゅんいく)などと同郷の出身です。

ところが韓馥は、からきし意気地がなく、御史中丞として仕えていた頃に、

政変が起きて董卓(とうたく)が政権を掌握すると、その命令で冀州牧になりました。

 

彼が冀州牧になったのは理由がありました、董卓と断交して洛陽を去った

袁紹(えんしょう)を董卓は懐柔しようと渤海(ぼっかい)の大守にしていたのですが、

あまり信用しておらず、韓馥を通じて袁紹を監視するように命じていたのです。

 

韓馥は、元々袁家のお世話になっていたのですが、董卓の強圧に逆らえず、

従事を3名程使って袁紹を監視し、兵糧の援助などもわざと少なく行い

意地悪を行っていました。

 

それが、いつか袁紹を亡き者にする為なら大したものですが、

韓馥は、ただ董卓が怖いだけで、その意に沿う方向で動いているだけでした。

ようするに気が弱いから余計に董卓に気に入られようとして、

袁紹が困る事を考え、結果として忠実な協力者になっているのです。




橋瑁が決起文を全国に飛ばしても右往左往する始末・・

 

西暦190年、董卓の暴政に対して、東郡大守の橋瑁(きょうぼう)が決起文を送り、

反董卓連合軍結成を呼びかけます。

地理的に近い、冀州の韓馥には早めに檄文が届くのですが、弱虫韓馥は右往左往です。

 

「なぁなぁ?董卓と袁家のどっちが勝つだろうか?勝つ方につきたいのだが」

 

それを聴いた部下は呆れました、董卓が帝を操り暴政を行っているのに、

今更、勝つ方に付こうなど臣下の道ではないと思ったのです。

 

「でもさあ、負けたらきっとワシは処刑される、それが恐ろしいんだ」

 

ウジウジ悩んでいる韓馥に部下は渋々言いました。

 

「では、何も言わず様子を見て、誰かが挙兵に応じたら、それに従われよ。

それなら、一番手よりは罪が軽いでしょう」

 

韓馥は名案だと飛びつき、様子を見ながら、袁紹に董卓の暴政を手紙で報告。

袁紹が手を挙げたので、自分もそれに従い挙兵しました。

卑怯です、全く卑怯者です。

 

まるで戦わず、董卓の退却を見逃す

 

そんな弱虫の韓馥ですから、いざ戦争となっても先陣を切る事もなく、

他の諸侯と延々と議論をやるか宴会をしてばかりでした。

袁術(えんじゅつ)孫堅(そんけん)曹操(そうそう)が、かなり董卓討伐に

やる気を見せている頃、韓馥にあるのはどうやったら勝ち組に残れるかだったのです。

 

やがて、不利を悟った董卓が洛陽を焼き払い、長安に引き上げると、

これを追撃して撃破すべしという意見が起こりますが、

韓馥は、そこから近い鄴(ぎょう)にいながら、董卓を恐れて追撃しませんでした。

 

袁紹と共に劉虞を皇帝に立てようとするも、再三拒否される

 

本拠地に帰った韓馥は袁紹と連名で幽州牧の劉虞(りゅうぐ)を皇帝に立てようとします。

こうして、長安の献帝を偽物にして、こちら側の求心力を高めようというのです。

袁術や曹操は、帝を二人にして混乱を広めるだけだと猛反発、韓馥は諦めず

劉虞と直接会ってまで皇帝即位を勧めますが、あっさり拒否されました。

また、官爵を発行させる為に劉虞に尚書を勤めさせようとしますが、

これも劉虞に断られてしまいました。

 

安平にいる時、公孫瓚に攻められ敗北、恐怖心を抱く

 

安平に帰還した韓馥ですが、そこに公孫瓚(こうそんさん)が攻め込んできました。

反董卓連合軍に参加しないで勢力を伸ばしていた公孫瓚は、冀州を狙っていたのです。

弱虫の韓馥が白馬義徒の公孫瓚に勝てる筈もなく簡単に撃破されると、

周辺の武装勢力も韓馥を見限り、公孫瓚に味方するようになります。

 

怖っ、公孫瓚こわっ・・どどど・・どうすればいいんだ?」

 

韓馥は、公孫瓚が再び攻めてくるのではと恐れ、言い知れない不安を抱え

右往左往するようになります。

 

補給に苦しむ袁紹は、冀州を奪おうと画策する

 

その頃、渤海の袁紹は、本拠地を公孫瓚に奪われ兵糧不足に苦しんでいました。

袁紹の部下であった逢紀(ほうき)は、

韓馥の意気地なしを逆手にとり公孫瓚を焚きつけ韓馥を襲わせて、

韓馥が袁紹を頼らざるを得ないようにすべしと進言しました。

 

その通りにすると、公孫瓚は韓馥を攻め韓馥は防戦一方です。

こうして、韓馥の将だった麴義(きくぎ)は愛想を尽かし部曲を引き連れて

袁紹に寝返り、張楊(ちょうよう)・於夫羅(おふら)も袁紹に付きました。

孤立した韓馥は、さらにパニックになりますが、ここで袁紹が使者を出します。

 

「あんたに冀州牧は無理だ、俺様が公孫瓚を追い払うから州牧を譲れ」

 

袁紹、まるで土地ころがしをしているヤクザです。

自分で公孫瓚を焚きつけて韓馥を攻撃させ、自分は正義の味方の顔で、

お前を守るから、州牧を譲れというのです。

 

普通なら「バカにするな!」と突っぱねる所ですが、そこは三国志一の臆病者韓馥、

州牧を辞めて命が助かるならと気持ちがぐらぐらしだします。

韓馥の部下は「あなたは州牧、袁紹は根無し草、戦えばあなたが勝つのに、

どうして相手の鼻息を窺うのか?」と反対しますが、公孫瓚が怖くて仕方ない韓馥は

とうとう州牧の地位を袁紹に譲り、自分は袁紹の部下になりました。

 

奮武将軍になるが、今度は袁紹を恐れ張邈に身を寄せるが・・

 

韓馥は、袁紹の軍門に下り、奮武将軍になりますが、実権はありませんでした。

次々と韓馥の部下が彼を見限る中で、耿武(こうぶ)と閔純(びんじゅん)だけは

忠義を尽くし、袁紹を暗殺しようとして田豊(でんほう)に察知され殺されてしまいます。

しかし、それさえも韓馥にとってはマイナスになりました。

袁紹が謀反の報復で、自分も殺すかも知れないと恐れた韓馥は被害妄想になり

ついに袁紹の陣営を出奔して張邈(ちょうばく)を頼るのです。

 

どっちかと言えば、いきなり出奔する方が不信感を買う気がしますが、

もう、疑心暗鬼の韓馥からは判断力が消えていたのでしょう。

 

さらに韓馥の行動のオカシイのは、張邈と袁紹は幼馴染みで交友があった事です。

そう、袁紹の使者は、度々張邈の元を訪れていました。

なんだよ、、これじゃ、出奔した意味ないじゃん・・・

 

そして、ある時、張邈と袁紹の使者が耳打ちして、

ヒソヒソ話をしているのを目撃した韓馥は絶望します。

 

(ああ、、袁紹がワシを暗殺するように張邈に頼んでいるんだ・・

もうダメだ、もう、おしまいだぁ・・)

 

勝手に勘違いした、韓馥は席を離れてトイレに向かうと、

そこで梁に縄を掛けて自殺してしまったのです。

 

三国志ライターkawausoの独り言

 

韓馥が恐れる程、袁紹は韓馥に関心がありませんでした。

大体、あまりに臆病すぎて、自分に叛くなど考えられなかったのです。

韓馥は、全くの被害妄想と誇大妄想から、自らの生命を絶ってしまったのでした。

ちなみに、弱い者が強い者の権勢を恐れ、その歓心を買おうとするという意味の

「鼻息をうかがう」という慣用句は韓馥が袁紹に冀州牧を譲ろうとした故事から

出てきているそうです。

 

はじめての三国志:全記事一覧はこちら

関連記事:劉備と趙雲が出会う事になったきっかけを作ったのは袁紹のおかげ?

関連記事:【華麗なる名門一族】袁紹のおじいちゃん達ってどのくらいすごい人だったの?

 

 

—古代中国の暮らしぶりがよくわかる—

 




 

kawauso

kawauso

投稿者の記事一覧

三度の飯の次位に歴史が大好き

10歳の頃に横山光輝「三国志」を読んで衝撃を受け
まずは中国歴史オタクになる。
以来、日本史、世界史、中東、欧州など
世界中の歴史に興味を持ち、
時代の幅も紀元前から20世紀までと広い。
最近は故郷沖縄の歴史に中毒中、、

好きな歴史人物:

西郷隆盛、勝海舟、劉邦、韓信、、etc

何か一言:

歴史は現在進行形、常に最新のジャンルです。

関連記事

  1. 今と変わらない?三国志の時代の勤務評価表を紹介
  2. 【キングダムに描かれない】秦の時代の貧困のリアルを追ってみる
  3. 三国志に出てくる鮮卑族ってどんな民族?
  4. 107話:関羽の死|桃園三兄弟の悲しい別れ
  5. 秦の始皇帝が造り出した伝国の玉璽
  6. 顔良(がんりょう)ってどんな人?袁紹軍の勇将として名をはせた剛勇…
  7. まさにバーリトゥード!首絞め、刺殺、兜取り!何でもありだった。リ…
  8. 【ドラゴンブレイド番外】古代ローマ版曹操?カエサルの生涯が凄すぎ…

google検索フォーム

過去記事を検索できます

ピックアップ記事

おすすめ記事

  1. 孫堅が早死しなければ、袁術が天下統一をした?元海賊狩りから異例の出世をした漢に迫る!
  2. 漫画潰す気か!原作者ブチ切れ必至のキングダムの最後をネタバレ予想!!
  3. 再婚なんか当たり前?驚きの三国志の再婚事情とは?
  4. 【蜀の建国~滅亡まで】蜀の国を背負って戦い続けた丞相【孔明編】
  5. え?武田勝頼って武田家二代目代理なの!?
  6. 【シミルボン】本当は凄い!黄巾賊を滅ぼし後漢を支えた三将軍とは?

三國志雑学

ピックアップ記事

おすすめ記事

世界一お粗末! 菫承の曹操暗殺計画。間男の恨みでぶち壊しに! 蜀は龍を。呉は虎を。魏は狗をで知られる諸葛誕の一族が一番優秀だった!? 三国一のヨイショ男、曹操の部下の褒め方が半端ない 曹操の曽祖父 曹萌(そうぼう)は元祖、萌えキャラだった? 『はじめての三国志』の楽しみ方~その1 朝まで三国志 三国志最強のワルは誰だ(笑) 第9部 【意外な事実】天才将軍・韓信は数学にも強かった事が判明! 趙雲と姜維の一騎打ち!姜維の武勇は本当に凄かったの?

おすすめ記事

  1. 大阪冬の陣では後藤又兵衛はどんな活躍をしたの?
  2. 知らないと損をする!孔子に学ぶ健康法が参考になりすぎる!
  3. 季布(きふ)とはどんな人?一度承諾した約束は絶対に破らない事で天下に名を轟かせた名将【後半】
  4. キングダム 512話 ネタバレ予想:列尾危うし!王翦の次の秘策を徹底予想
  5. 【新事実】漢の時代の市場はヤンキーの溜まり場だった!
  6. 介子推(かいしすい)とはどんな人?晋の重耳に自らの身を犠牲にして忠誠を尽くす
  7. 関羽、曹操に取りあいをされた人妻 杜夫人
  8. 劉備と劉邦

はじさん企画

袁術祭り
特別企画
異民族
諸子百家
春秋戦国時代
日常生活
はじめての三国志TV
PAGE TOP