私が学生時代に級友からもらった中国製の三国志トランプ(上海文化用品総公司製)には人物の絵の下に、その人物の簡単な説明文(三国志演義ベー
ス)が載っています。
名前と主な業績が書かれているのですが、なかにはトホホな説明文を書かれている人も!もうちょっといいこと書いてあげなよ!
って言いたくなるようなトホホな説明文をご紹介します!
関連記事:劉禅の名言から窺い知る名君主ぶり!?
関連記事:廖化(りょうか)ってどんな人?蜀漢成立~滅亡まで戦い続けた蜀の将軍
この記事の目次
悪いことしか書かれていない劉禅
凡庸で無能であり、政治は諸葛亮が執った。
宦官を重用し、へつらいの言葉を喜んで聞き、国が滅んでも心を痛めなかった。
いやいや、国が滅んでも心を痛めなかったってことはなかったんじゃないでしょうか。
しょうがないから降伏しただけなのでは……。
降伏した以上、
いつまでも故国を思ってウジウジしていたってしょうがないじゃないですかぁ。
それで無神経な人みたいに書かれるのはあんまりだと思います!
(いや劉禅は無神経だよ、とお思いになった方はこちらの過去記事をご覧下さい↓)
やむをえず重用された!?廖化
三国志演義では、黄巾の乱(西暦184年~)から蜀の滅亡(西暦263年)までを戦い続けている超長生き武将の廖化。
(90歳以上まで現役? 廖化は二人いる説もあり)彼の説明文はこうなっています。
廖化。もとは西蜀の副将であった。五虎将軍があいついで死去し、
新たに将才のある人物が現れなかったため、
諸葛亮はやむをえず廖化を先鋒として重用した。
もともとは副将レベルの人物だったのに人材不足でやむをえず重用されたんですと?
人物紹介で「やむをえず重用された」なんて、あんまりじゃないですかー!
もっと書きようあるでしょうに。トホホ。
武芸は強くない?馬岱
劉備なき後の蜀でちょいちょい活躍している馬岱の説明文は、こうなっています。
馬岱。西涼の馬超の族弟。勇気にすぐれ、武芸は強くないものの自分の力を尽くし、
忠心をつくして蜀のために戦った忠義の将。
武芸は強くないものの、ってわざわざ書く必要ありますかね?
強くないってこともなかったでしょうし。
でも、あんまり派手な強さを見せないところが馬岱の人気の源かもしれませんね。
人並み外れた力はないけど自分の力を尽くすなんて、素敵です。
ケツの穴が小さくて憤死!?あんまりな書かれ方の周瑜
呉の重臣・周瑜の説明文はこうなっています。
周瑜、字は公瑾。東呉の都督。胸に韜略(兵法)を有し、
赤壁の戦いでは劉備と連合して曹操を破った。
器量が小さく、諸葛亮によって三回憤激させられ死去。
三国志演義ベースの世界観では、周瑜は器量が小さくて憤死させられるだけの人なのか……。
胸に有している韜略も、業績も、全て諸葛亮のいい噛ませ犬になるための材料に過ぎないのでしょうか。トホホ……。
若い頃しか注目されない陸遜
呉の重臣・陸遜の説明文はこうなっています。
陸遜。字は伯言。東呉の若き都督。
才気を内に秘め、蜀の劉備が東呉遠征を行った時は陸遜は才智を振るい、
蜀の陣営七百里を火攻めにして勝利した。
陸遜は呉の重臣で、還暦過ぎまで八面六臂の活躍をした人だと思うのですが、ここでは「若き都督」と書かれています。
劉備を破った夷陵の戦いしか評価されていないようですね。トホホ。
なぜだかいい人っぽく書かれている張昭
呉の重臣・張昭の説明文はこうなっています。
張昭。字は子布。東呉の要の謀士で、孫策が臨終のさいに重任を託した臣である。
しかし肝心な赤壁の戦いの前には曹操への降伏を強く勧めており残念なことである。
「残念なことである」というのは、張昭は本来そんな人じゃないはずだ、という意味ですよね。
私のイメージでは、張昭って本来そんな人だろうと思うのですが。
自分ばっかりエエカッコして孫権に非協力的で家に放火されたりしてるじゃないですか。
そのエピソードは三国志演義にはないから、演義ベースだとそこそこいい人なんですかね……。
(群雄に協力する=いい人だとは限りませんが。名士目線から見ればヒーローかも?)
これはトホホな説明文ではありませんが、なんだか違和感があります。
ありのままに書かれてもトホホな呂布
三国志物語の前半戦で叛服常無き生涯を駆け抜けた呂布。説明文はこうなっています。
呂布。字は奉先。武勇はあるが謀略はなく、
利を見て義を忘れ、女色を見て頭がくらむ人物。
最初は丁原に仕えて義理の父と仰ぎ、
後には董卓の義理の息子となり、最後には白門楼で死亡した。
ひどい書かれようなんですが、呂布はおおむねこんな感じではないでしょうか。
ありのままに書いてもトホホな内容になるって、すごい人徳ですね。
さすがは人中の呂布です。
「呂布こそ、真の三國無双よ!」by董卓
三国志ライター よかミカンの独り言
中国の子供たちは、三国志トランプにある説明文を読みながら三国志に対する理解を深めて成長していくんでしょうかね。
ト…トホホ……。
関連記事:周瑜の遺言が名文すぎて泣ける周瑜爆ageキャンペーン