もし劉備が白帝城で死ななかったら三国志はどうなる?


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劉備

 

三国志演義(さんごくしえんぎ)夷陵(いりょう)の戦いで大敗した劉備(りゅうび)白帝城(はくていじょう)で生涯を閉じてから、諸葛孔明(しょかつこうめい)に主人公がバトンタッチされ、

また悲痛さが深まっていきます。

では、実際に劉備が白帝城で死なず、さらに長い間蜀帝として君臨していたら、一体三国志はどうなっていたのでしょうか?

 

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劉備成都に帰還しかし・・

蜀の皇帝に即位した劉備

 

白帝城で孔明に遺児劉禅(りゅうぜん)を託した劉備、ところが言うだけ言って将来の心配が解消された劉備は、ポンポンが治っていきました。

そして、涙の遺言シーンから1か月では馬に乗れるまでに回復。ド田舎の白帝城に引っ込んでいるのも退屈になり成都に帰る事にします。

 

「この間は済まなかったな、つい弱気になってあんな事を口走ってしまった

関羽も張飛も死んで、お先真っ暗になっちまったんだなオイラ

あ、この間の遺言な!恥ずかしいけどよ、全部取り消しで頼むウン」

 

(おいおい、皆んなもらい泣きして、今後は劉禅様を盛り立てますと誓ったのに全部無しなのかよ・・)

 

諸葛亮以下、蜀の文武百官は困惑するやら嬉しいやらですが、何にしろ、劉備が生きていれば面倒な後継者争いはしなくていいわけです。

全員帰還した劉備に従い、劉禅はもう少し後宮で遊び惚けてよい身分になりました。


親分劉備、TOP会談で蜀呉同盟を回復

 

劉備は夷陵敗戦が自分の短慮であると素直に認め、白帝城で病床にある頃から呉との同盟修復に努めていました。

それが健康を回復したとなれば、なにも鄧芝(とうし)を使者にする必要もありません。自らが呉に乗り込んで和睦を結ぶ事にしました。

 

ビックリしたのは孫権(そんけん)です、劉備は間もなく死ぬと思いこんで益州南部の建寧郡で反乱を起こそうとしていた雍闓(ようがい)に援軍を出す準備をしていたのが

いきなり劉備が訪ねてきたので、あたふた、、おもいあぐねて劉備に言いました。

 

「実は、あなたの部下に雍闓という不届きな男がいて、まもなくあなたが死ぬ隙を突き謀反をするから援助してくれというのです

もちろん、そんな不義には加担できませんから、ここで報告致します」

 

劉備はただちに蜀に命令を出し雍闓を捕縛して首を切りました。

かくして南中の反乱は無かった事になり、馬謖(ばしょく)の数少ない手柄が消えます。

さらに、後に孔明の南蛮征伐というタイトルになる三国志演義のスピンオフの元ネタも消えました。

ともあれ、歴戦の名将らしい劉備の電撃訪呉で一瞬にして蜀呉は同盟を回復したのです。

 

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官僚国家か君主専制か、劉備と諸葛亮が対立

劉備

 

劉備が帰還して蜀では微妙な空気が溢れました。

本来なら、死んだ劉備の志である漢朝復興をテーゼにして北伐に打って出つつ諸葛亮好みの統制経済、官僚国家が形成されるはずが

劉備が皇帝として君臨し続けているので、劉備カリスマがことごとく国家改造の邪魔になります。

 

劉備は年を食っている事もあり、また若い頃に食うや食わずで惨めな食生活を送ったのであまりの緊縮財政を嫌っていました。

六十も過ぎて、粟飯とか具の無い味噌汁とかは嫌だったのです。

 

孟徳(もうとく)のやつなんか、米が無駄になるから酒も造るなとか言ったんだぞ、ああいうけちけちした国家で、生きている甲斐があるか?

折角蜀は土地が豊かな別天地なんだかからよ、、もう少し人間らしい暮らしをさせよ」

 

なんだか、間違った方向で享楽主義になった劉備は、経済官僚の王連(おうれん)を登用して、積極的に交易を開く事を提案し、

内政の充実をスローガンに掲げたのです。

 

一方で諸葛亮は、史実と違い丞相にこそ成れませんでしたが、益州刺史として、行政の全般を行い、蒋琬(しょうえん)費禕(ひい)向朗(しょうろう)楊儀(ようぎ)馬謖(ばしょく)

自分の幕僚として育てていく決意をしました。

諸葛亮の五人は、費禕を除くと全員謹厳実直を絵に書いたような面白みもない連中、劉備の影響で享楽主義に陥る蜀の世相に逆らうように

黒一色の衣装で過ごすなどしその迎合ぶりから、口の悪い蜀雀から「亮常侍(りょうじょうじ)」と陰口を叩かれました。


劉備派閥と諸葛亮派閥一触即発

 

このような亮常侍とは別に、劉備は劉備で己の生涯をかけて体得した侠の精神で、次々と、自分の眼に適ったお気に入りの部下を発掘していきます。

その第一人者は魏延(ぎえん)です、どんどんせせこましく小賢しくなっていく蜀の人材の中で魏延は、少しも物おじせず劉備に堂々と持論を述べる唯一の男。

今は漢中刺史ですが、劉備は時々呼び寄せて会話を交わす間柄です。

年齢から言えば、劉備とは親子程も違いますが、亡くなった関羽や張飛を思わせる侠の精神を濃厚に持った人物です。

もう一人は呉懿(ごい)で劉備は益州を支配下に加えた時、呉懿の妹を側室に迎えていました。

諸葛亮の政権では、いつも不遇でしたが実際には軍を率いて一角の能力を持ちます。

 

さらに、劉備は戦略面で法正(ほうせい)の後継者と呼び声高い李厳(りげん)を尚書令手元に置いていました。

こちらは北伐でも活躍したものの、補給停滞の責任を諸葛亮に押し付けて責任を逃れようとして弾劾され一庶民に落とされています。

 

最期の一人は廖立(りょうりつ)です、荊州時代からの劉備の配下で長沙太守でしたが西暦215年、呉の呂蒙(りょもう)の攻撃を受けると敗走して益州に帰ってきました。

本来なら敵前逃亡ですが、廖立の言い分は堂々としたものだったので劉備は赦し巴郡太守に任じています。

しかし内政官僚としては滅茶苦茶でしたが、軍略面では龐統と双璧とされたので劉備は意に介さず、やがて侍中に取り立てています。

 

劉備は、この個性的であり型にハマらずそれ故に魏将にも対抗できる有能な四名を人間としても、また蜀の屋台骨を支える人材としても

愛していました。

ところが実際の政治は、諸葛亮の息のかかった蒋琬、費禕、向朗、楊儀、馬謖のような経済統制型の実務派官僚が完全に牛耳っていました。

 

劉備も孔明もかつては水魚の交わりとまで言われた深い繋がりであり互いに敵意を持っているわけではありませんが、どちらも部下を多く持ちすぎ

そして、蜀の行く末についてのビジョンが余りにも違いました。

王者らしく鷹揚に構え天下の人士が自分に靡く事を待つ大器劉備、日に日に開いていく魏との国力を考え、なんとか魏を後漢を簒奪した逆賊として

討ち、竹帛に功名を垂れたい諸葛亮、どうしたって、問題が穏便に済むわけはなかったのです。

 

228年劉備死す、その時

劉備

 

白帝城で病に伏してから五年後、劉備は今度は成都で本当に六十七年の生涯に幕を下ろそうとしていました。

魏延は劉備に対し畏れ多い事ながら、最後の詔を賜りたいと極秘に上奏します。

それは、国政を壟断する諸葛亮一派を逮捕して蜀を皇帝の元に取り戻すという大義名分を得る為の詔でした。

 

劉備は苦悶の表情を浮かべながら承知し、軍を動かす為の虎符を魏延に与え諸葛亮一派を捕らえ、裁きにかけるように遺言しました。

ところが、劉備が崩御したその日、クーデターの為にそれぞれの陣営に戻った4名は、丞相に昇格した諸葛亮の命令により逮捕されました。

 

彼らが、成都を掌握する為にすでに伏せていた軍勢も、趙雲によって、残らず摘発され、成都を陥れる事にも失敗します。

「何故だ、、計画は決して漏れる筈ははいのに・・」

 

ここで魏延はハッとしました。

計画を漏らしたのは、ほかならぬ死んだ劉備だと直感したからです。

 

「おいらの寿命がもう少しあれば、一枚噛んだかも知れねえ、、

だけどよ、おいらなしに蜀を陥れようとしても、、いたずらに戦が長引き蜀の人民を苦しめるだけだ・・

おいらは、一度しくじっている、これ以上ヘマはやれねえよ

騙してすまねえな、文長、公淵、子遠、正方、、恨み事は、地獄でたっぷり聞くからよぉ」

 

魏延「陛下、、私こそ、分もわきまえず、出過ぎた事を考えました」

 

全てを悟った魏延は涙を流し捕縛される前に自らの喉を突いて自害しました。

呉懿、、李厳は捕縛された上で流刑に処され、その土地で、ほぼ同じ運命を辿りました。

 

三国志ライターkawausoの独り言

 

人生博奕打ちな劉備ですが、それは自身が生きて参加できることが前提でした。

今回は、魏延、呉懿、廖立、李厳に引きずられ期せずして自身の死後に行われるクーデターに加担する事になりました。

しかし、劉備は悩んだ末に自身が責任を取れないクーデターに加担する事を拒否し、全てを諸葛亮に漏らしていたのです。

本来なら気に入らない相手ですが、すでに蜀の政治を切り盛りさせている以上、自分の死後までその政策に異を挟むものではないと考えたのですね。

劉備らしい最期だと思いますが、皆さんはどうですか?

 

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