広告

51話:武将を惹きつける人間磁石 劉備玄徳

2015年3月25日


 

はじめての三国志コメント機能バナー115-11_bnr1枠なし

劉備 人望

 

劉備(りゅうび)と曹操(そうそう)の大きな違いを上げるならば、曹操が自ら動いて人材スカウトをしているのに対して、劉備は、人材のほうから寄って来るという点です。孔明(こうめい)のような例外を除けば、劉備が、外で名前を出すと、

 

「えっ、あなたが、あの有名な劉備様、是非子分にして下さい」と続々と人が集まってきます。

 

二刀流の劉備

 

それは、さながら人間磁石のようで、いくら三国志演義に虚構があってもこの特別扱いは反則だろうと思う程です。さて、劉備は、曹操と戦っている最中の袁紹(えんしょう)に、荊州の劉表と同盟を結んで、曹操を挟み打ちにしては?と持ち掛けています。

 

前回記事:50話:捨てる神あれば、拾う神、劉備、趙雲と再会

 

監修者

ishihara masamitsu(石原 昌光)kawauso編集長

kawauso 編集長(石原 昌光)

「はじめての三国志」にライターとして参画後、歴史に関する深い知識を活かし活動する編集者・ライター。現在は、日本史から世界史まで幅広いジャンルの記事を1万本以上手がける編集長に。故郷沖縄の歴史に関する勉強会を開催するなどして地域を盛り上げる活動にも精力的に取り組んでいる。FM局FMコザやFMうるまにてラジオパーソナリティを務める他、紙媒体やwebメディアでの掲載多数。大手ゲーム事業の企画立案・監修やセミナーの講師を務めるなど活躍中。

コンテンツ制作責任者

おとぼけ

おとぼけ(田畑 雄貴)

PC関連プロダクトデザイン企業のEC運営を担当。並行してインテリア・雑貨のECを立ち上げ後、2014年2月「GMOインターネット株式会社」を通じて事業売却。その後、「はじめての三国志」を創設。現在はコンテンツ制作責任者として「わかるたのしさ」を実感して頂けることを大切にコンテンツ制作を行っている。キーワード設計からコンテンツ編集までを取り仕切るディレクションを担当。


【誤植・誤字脱字の報告】 バナー 誤字脱字 報告 330 x 100



【レポート・論文で引用する場合の留意事項】 はじめての三国志レポート引用について



劉備の思惑

劉備

 

実は、これには裏があり、関羽(かんう)も戻り、用済みになった袁紹の保護を離れて、独自の勢力を築こうという思惑がありました。袁紹(えんしょう)は、劉備の提案を入れて、これを許します。

 

劉備の下で働くと決めた趙雲

 

劉備は、荊州の劉表の下に向かう途中で関羽(かんう)と合流、次に趙雲(ちょううん)と合流し、汝南郊外で山賊まがいの事をしていた張飛(ちょうひ)とも合流、さらにここで縻竺(びじく)縻芳(びほう)の兄弟も配下にします。

 

着々と人材を自分の配下に加わえる劉備

劉備 関平

 

さらに、宿屋の息子であった関平(かんぺい)を子供が居なかった関羽の養子として陣営に加え、これにプラスして関羽を尊敬して止まない元黄巾賊の首領、周倉(しゅうそう)までもが仲間に加わりました。

 

周倉

 

周倉は、正史三国志には、登場しないフィクションの人物ですが、配下になってから終生、関羽に就き従い、関羽が孫権(そんけん)の手で斬首された時には、自らも首を刎ねてしんだ程の関羽命の男です。

 

関羽と周倉

 

因みに関羽が描かれた掛け軸では、この周倉と関羽、それに関平がセットで描かれるのがお決まりになっています。このように、劉備が袁紹の下を去るや、これを追うように、沢山の人々が劉備の家来になりたがり、その数は、3000騎を数えたと言われます。

 

劉備

 

劉備は手狭になった古城を出て、汝南(じょなん)城に入り、小勢力ながら、群雄の一人として再出発を切ったのです。しかし、さっきまで、一人だったのが、ドンドン人材が集まってきて3000騎とは、劉備は営業マンだったらトップクラスですね。

 

次回記事:52話:袁紹を破った曹操は、中原最強の勢力に成長

 

全訳三国志演義

 

 

 

  • この記事を書いた人
  • 最新記事
kawauso

kawauso

台湾より南、フィリピンよりは北の南の島出身、「はじめての三国志」の創業メンバーで古すぎる株。もう、葉っぱがボロボロなので抜く事は困難。本当は三国志より幕末が好きというのは公然のヒミツ。三国志は正史から入ったので、実は演義を書く方がずっと神経を使う天邪鬼。

-全訳三国志演義