孫権(そんけん)が降伏を拒否したと知った曹操(そうそう)は、
張允(ちょういん)に水軍の指揮を任せて緒戦三江口の戦いを行います。
しかし、曹操軍は、北方出身者が多く、船酔いと水上生活の不慣れで
疫病が発生していて、鍛えられた呉の水軍には対抗できず、
大敗北を喫してしまいました。
前回記事:74話:孔明に嫉妬する周瑜
曹操は水軍に訓練をさせる
曹操は、水軍の訓練不足を痛感して、海岸に要塞を築いて、
蔡瑁と張允に水軍の訓練を施します。
周瑜は、これを偵察するべく、小舟を曹操軍に接近させ、
音楽を奏でて要塞を偵察します。
曹操軍は、小舟が一艘である事と、音楽を奏でている事から
婚礼か船遊びの船だろうと気にも留めなかったと言います。
周瑜の見事な偽装工作で難なく偵察は成功しました。
周瑜は曹操軍に対して危機感を持つ
周瑜は、北方兵ばかりだと思っていた曹操軍が、要塞で
水軍を訓練し充実させている事に危機感を持ちます。
周瑜:「疫病はいつまでも蔓延するものではない、、
病気が治まれば曹操軍は中々手強くなるぞ、、
今の内に蔡瑁と張允を何とかせねば、、」
ちょうど、その頃、曹操の密命を受けて、
蒋幹(しょうかん)という男が周瑜を訪ねてきます。
二人は幼馴染みなので、曹操はそれを利用して
周瑜に降伏を進めようという企みがあったのです。
周瑜は蒋幹がスパイだと瞬時に理解する
周瑜は、蒋幹が曹操のスパイだと見抜きますが、
素知らぬ顔をして、これを迎え入れました。
蒋幹は、周瑜に曹操への降伏を説こうとしますが、
周瑜に出鼻を挫かれてしまい、それを言い出せないまま
連日の宴会攻めにあってしまいます。
周瑜:(ふっふっふ、、曹操め、、良い時に蒋幹を寄こしてくれたものだ
精々、利用させてもらうぞ、、)
周瑜は、蒋幹を大親友のように扱い、自分のテントで
寝食を共にしようと強引に持ち掛け蒋幹は周瑜のテントで
眠る羽目になります。
夜中に行動する蒋幹
蒋幹は夜中に目を覚まし、テントの中を調べていると
周瑜の机の上に蔡瑁と張允に宛てた手紙を見つけます。
もちろん、全て周瑜の計算ずくですが、蒋幹は知りません。
「曹操は、すでに天下を握ったつもりのようだが、、はっは、、
おめでたい馬鹿だ、、自軍の水軍の指揮を執る蔡瑁殿と張允殿が、
すでに呉に降り、内部で反乱を企んでいるとも知らぬ」
蒋幹は手紙の内容に驚き、周瑜が起きる前に手紙を奪うと急いで
曹操の元に届けたのです。
案の定、曹操はマジギレ
それを見た曹操は激怒して、蔡瑁と張允を呼び付けます。
身に覚えがない蔡瑁と張允は怯えた様子で
「これは周瑜の計略であり、水軍の扱いを知る我々を排除しようという意図です」
と曹操に必死に弁明します。
ところが曹操は聞く耳を持たず、二人を処刑してしまうのです。
水軍の要である二人が死んだ事で曹操軍の水軍の力は大きく低下しました。
それを聴いた周瑜は策略が的中した事を知り、鼻高々でした。
周瑜:「よもや、この計略は孔明でも気づくまい」
しかし、心配になったので魯粛(ろしゅく)を使って
孔明(こうめい)に探りを入れます。
すると孔明は、周瑜には内緒に願いますと前置きした上で、
「周瑜殿は、蒋幹を使った計略が成功して蔡瑁と張允を排除でき
さぞかし喜んでいるでしょうね、」と魯粛に答えます。
魯粛は孔明の知略に恐怖を感じ、周瑜もまた孔明を恐れたと
言われています。
実際の史実ではどうだったの?
ただ、この話は演義にだけ登場するエピソードで、
実際の蔡瑁は、処刑される事もなく魏で高位高官に昇進します。
張允に至っては、曹操が荊州を併合した後は出ても来ないので、
赤壁の戦いに参加した事実もありません。
耳で聞いて覚える三国志
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歴史ライターとして、仕事をし紙の本を出して大当たりし印税で食べるのが夢です。
もちろん、食べるのはサーモンです。