119話:孔明君のジャングル探検?南蛮討伐本戦

2015年10月30日


監修者

ishihara masamitsu(石原 昌光)kawauso編集長

kawauso 編集長(石原 昌光)

「はじめての三国志」にライターとして参画後、歴史に関する深い知識を活かし活動する編集者・ライター。現在は、日本史から世界史まで幅広いジャンルの記事を1万本以上手がける編集長に。故郷沖縄の歴史に関する勉強会を開催するなどして地域を盛り上げる活動にも精力的に取り組んでいる。FM局FMコザやFMうるまにてラジオパーソナリティを務める他、紙媒体やwebメディアでの掲載多数。大手ゲーム事業の企画立案・監修やセミナーの講師を務めるなど活躍中。

コンテンツ制作責任者

おとぼけ

おとぼけ(田畑 雄貴)

PC関連プロダクトデザイン企業のEC運営を担当。並行してインテリア・雑貨のECを立ち上げ後、2014年2月「GMOインターネット株式会社」を通じて事業売却。その後、「はじめての三国志」を創設。戦略設計から実行までの知見を得るためにBtoBプラットフォーム会社、SEOコンサルティング会社にてWEBディレクターとして従事。現在はコンテンツ制作責任者として「わかるたのしさ」を実感して頂けることを大切にコンテンツ制作を行っている。キーワード設計からコンテンツ編集までを取り仕切るディレクションを担当。


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朶思大王、三江城で戦死する・・

 

 

とうとう、蜀軍は毒の泉と毒の水を切り抜けて朶思大王の元まで

辿りつきました。

孟獲は妻でアマゾネスの祝融夫人の助言で、南蛮の更に奥地にいる

木鹿(もくろく)大王の強力な猛獣軍の援助を受けに行きます。

 

朶思大王は守備を引き受け目前に河がある三江城で毒矢を放って善戦しますが、

孔明が、城の周囲で砂埃をあげさせてその間に河を砂で埋める

という戦術を採用したので、砂で毒矢が狙えず趙雲や魏延に

攻め込まれて戦死しました。

猛獣を操る木鹿大王に、孔明の火炎戦車が登場

 

 

 

木鹿大王は、虎や彪のような猛獣を従え、自分は白い象にまたがり、

狂風を呼び起こせるという魔道士のような男です。

凄いヤツです、何でもっと早く出てこなかったのか?(笑)

 

蜀の兵士は、虎や彪の襲撃に腰が抜けて次々と殺されます。

魏延も趙雲も猛獣相手では、全く歯が立ちません。

流石の孔明もここまでか・・と思いきや蜀軍には新兵器が登場します。

 

それが虎戦車でした、中に人が入り操縦すると怪物が、

口や鼻から煙や火炎を吐くと言うMSみたいなものです。

 

魔道士、木鹿大王もこれにはびっくり!(時代超越し過ぎ)

猛獣も全て逃げてしまい、木鹿大王も混戦の中で関索に討ち取られます。

元祖進撃○巨人、兀突骨(ごっとつこつ)出撃

兀突骨

 

拠って立つ城を失った、孟獲と

(しゅくゆう)夫人、そして夫人の弟の

帯来洞主(たいらい・どうしゅ)は、最後の最後、烏戈(うか)国の兀突骨を頼ります。

 

兀突骨は、身長3mという大巨人、しかも、豚の頭や大蛇やコウモリを、

生でバリバリと食べ、全身には鱗が生えています。

 

はい、幾らなんでも、もう人間ではありません、進撃○巨人です(笑)

 

兀突骨「うばばばばばばば!!!オデの藤甲軍の前では、

孔明であろうと何だろうと手も足もでんわ、うーばばばばば!!」

 

男気のある兀突骨は、援軍を引き受けてしきりに孟獲に、

豚の頭や、コウモリの肉を勧めますが孟獲、あまりのワイルドさに吐きそうです。

 

関連記事:悲しみの巨人、兀突骨(ごつとつこつ)は実在してた?

 

無敵の藤甲軍、蜀軍を蹴散らす

 

 

蜀軍は兀突骨に襲い掛かりますが、彼等が身につけている藤甲(とうこう)は、

矢も矛も通さず、水に浮く程軽いので蜀軍も大苦戦し退却する事になります。

 

ところが、すでに孔明は、無敵の藤甲に対抗する武器を開発していました。

そして、兀突骨達、烏戈国の将兵3万人を全滅させる策を授けるのです。

 

烏戈国の将兵3万人、孔明の新兵器で焼死する

孔明君のジャングル探検02 孔明

 

孔明は、魏延を呼んで策を授けます、それは兀突骨と戦ったら、

ひたすら負けたふりをして退却し、ある谷に誘いこむ事です。

そして馬岱には黒い柩のようなものを幾つも渡します。

 

魏延と馬岱は孔明の指図の通りに少し戦っては逃げるを繰り返します。

兀突骨は、蜀軍が弱いと錯覚してドンドン追撃しました。

 

兀突骨「うばばばばば!!臆病な連中め、逃がしはせんぞ」

 

魏延と馬岱は、十五回に亘って退却を繰り返し、そして姿を消します。

そこには、谷底に降りる峡谷があり、大量の食糧と宝物が放置されていました。

兀突骨は大喜びで、部下に略奪を命じます。

しかし、烏戈国の将兵3万人が谷底に降りた頃、大きな石が降ってきて

出入り口を塞いでしまいました。

 

「うばっ!!おのれ、罠だったのか!!」

 

兀突骨は気づきますが手遅れでした、その谷底には馬岱が置いていった

黒い柩のような箱もありましたが、実はこれには火薬が満載されていたのです。

 

崖の上からは、伏兵していた蜀兵がこの黒い柩に向かって火矢を射ます。

やがて大爆発が起こり、周囲の物資に引火して谷底は火の海になりました。

 

逃げ場所のない兀突骨と烏戈国の将兵三万人は全て焼け死にます。

これには、さしもの孔明も自分の残虐行為にショックを受けたと伝わっています。

 

孟獲、とうとう降伏、南蛮討伐終結する。

孔明 墨者

 

孟獲も、祝融夫人も帯来洞主も、為す術なく蜀軍に捕まりました。

孔明は再び縄を解いて孟獲を離そうとしますが今度は孟獲は逃げません。

 

孟獲「あなたは本当に神のようなお人だ、、もう二度と逆らいません。

南蛮の事は私が必ず抑えますから何なりと申しつけて下さい」

 

それは、孟獲を捕まえては離すを繰り返し7回目の事でした。

なので、これを七縦七擒(しちしょうしちきん)と言います。

 

孔明は、孟獲をそのまま南蛮王として任命して、成都に引き上げます。

これにより、南方の憂いは消えて、孔明は北伐に集中できるようになるのです。

 

三国志ライターkawausoの独り言

kawauso 三国志

 

孔明の南蛮討伐は、実際には行われなかったという説もあり、

実際にあっても反乱は小規模であったであろうと言われます。

 

三国志演義は本編とは直接関係ない、この南蛮征伐を

スピンオフ作品のように扱い、ありとあらゆる奇想天外な要素を

詰め込みました。

孟獲が負けて次々と仲間を呼ぶ様は封神演義の聞仲のようですし、

猛獣、妖術、毒の泉、毒の水、巨人、新兵器、武器が通らない鎧など、

思いつく限りのありとあらゆる冒険要素を詰め込んでいます。

 

この南蛮討伐程、孔明の超人ぶりが発揮されている場面もありませんが、

それもその筈で、歴史に縛られない架空の話だから三国志演義の

歴代のライターは目一杯、想像力を働かせ孔明を無敵の英雄にしたのです。

 

今日も三国志の話題をご馳走様でした

 

次回記事:120話:司馬懿失脚の隙を狙い孔明は北伐に踏み切る

 

 

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■自己紹介:

どうも、kawausoでーす、好きな食べ物はサーモンです。
歴史ライターとして、仕事をし紙の本を出して大当たりし印税で食べるのが夢です。

もちろん、食べるのはサーモンです。

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台湾より南、フィリピンよりは北の南の島出身、「はじめての三国志」の創業メンバーで古すぎる株。もう、葉っぱがボロボロなので抜く事は困難。本当は三国志より幕末が好きというのは公然のヒミツ。三国志は正史から入ったので、実は演義を書く方がずっと神経を使う天邪鬼。

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