12月11日から上映されている『新解釈・三國志』映画を見た人の中には、三国志について、全く知識がない初心者の方もいて、映画を見る中で様々な疑問が浮かんだそうです。
そこで今回は、なぜ呂布は嫌われ者董卓の部下になっているのか?
こちらのもっともな疑問について回答いたします。
この記事の目次
呂布が嫌われ董卓の部下であるズバリな理由
極悪大魔王で、全ての人々に嫌われている董卓に呂布が仕えている理由、それは董卓によって天下一の名馬、赤兎馬を与えられたからです。
呂布は、元々が騎兵なので馬に目が無く、そこに董卓が
「天下一の名馬である赤兎馬をプレゼントするから俺の部下になって」と勧誘したので、あっさりOKしました。おまけに、ここで呂布は自分を田舎から引き立ててくれた恩人の丁原を、董卓の命令であっけなく殺害しています。
なので、呂布が嫌われ者の董卓に仕えている理由は、赤兎馬に目がくらんで買収されたからです。
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物欲に弱すぎる呂布
呂布は三国志演義において、すべての登場人物の中で最強とされています。身長は1丈(3m)で赤兎馬に跨ると無敵の強さで、1人で数万の敵兵を蹴散らし、1人で万人と戦えると言われた劉備の義兄弟、張飛、関羽を1人で相手にしても余裕がありました。
最期に劉備が飛び出してきて、3対1となると分が悪くなり虎牢関に逃げてしまいますが、とにかく1対1で呂布に勝てるような豪傑は、三国志演義にはいません。
ただし、呂布は義理堅さとは無縁な性格で、とても欲望に弱い性格をしていて、今の待遇より、少しでも有利な条件を提示されると、それまで仕えていた人間をあっさり裏切り、寝返ってしまうのです。
史実では貂蝉関係なく董卓を裏切る
『新解釈・三國志』では、趙雲がスカウトしてきた絶世の美女貂蝉を巡り、董卓と争い、最期には董卓を殺害してしまう呂布ですが、史実では貂蝉という美女は出てきません。
史実によると、呂布は横暴な董卓の態度に愛想を尽かし、また董卓に仕える侍女に呂布が手を出し、それが董卓にバレる事を恐れていたそうです。
その噂を聞きつけた王允という人物が、董卓暗殺を持ち掛けます。ここで呂布は、董卓と自分は義理の父子の関係だからと躊躇しますが、結局は王允に口説き落とされて暗殺に加担しました。
董卓を殺害した呂布は、奮武将軍、準大臣に任じられ温県という都市を貰い温侯となり王允と共同で長安を治めるようになります。これは董卓の番犬をしている頃よりも遥かに好待遇であり、王允は好待遇で呂布を釣って物欲に弱い性格を利用したと言えそうです。
人の国まで盗る呆れた呂布
呂布の物欲は品物だけにとどまりません。呂布は、曹操が徐州遠征している隙をついて、陳宮の手引きで兗州を乗っ取っています。結局、兗州は曹操と奪い合いをした末に取り返され、行き場がない呂布は徐州を支配していた劉備の世話になります。
ところが、ここでも劉備が袁術と抗争をしている隙を突いて、徐州を乗っ取ってしまいます。劉備は徐州を奪い返せずに悔し泣きをしながら曹操を頼って逃げていきました。呂布は、その後も徐州を支配し続けますが、199年に南下してきた曹操に敗れて処刑されました。
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