甘寧(かんねい)が呉に投降してきたと聞いて、
孫権(そんけん)は当初、わけがわかりませんでした。
どうして、呉を破った功労者である甘寧が自分達に投降してきたのか、、
しかし、これは千載一遇のチャンスではあります。
何しろ、黄祖(こうそ)軍、最大の強敵が自分達に降伏したのです。
孫権は、取るものも取りあえず、甘寧に引見しました。
甘寧:「黄祖は、ケチで猜疑心が強く、私を嫌っております、、
この間の戦いでも、あなたがた呉軍を退けて窮地を救ってやったのに
黄祖は、何の恩賞も与えぬばかりか、ますます警戒してきました。
このような狭量の男にはほとほと愛想が尽きたのです。」
前回記事:70話:孫権、父(孫堅)の弔い合戦を始めるよ。黄祖討伐編
甘寧は孫権に敵陣の情報を伝える
甘寧は、孫権が自ら、引見してきたのに気を良くして、
黄祖の性格から、陣営の様子、人民にどう思われているかまで、
すっかり孫権に喋ってしまいます。
孫権:「甘将軍、私は、是が非でも黄祖を討伐し、我が父の仇を討ちたい
黄祖を倒すよい方法はないか?」
孫権が尋ねると、甘寧は、、
甘寧:「ただ、仇討ちのみならず、荊州を抑える事は天下を獲るのに必要不可欠です
幸いにして、黄祖は徳薄く、猜疑心が強いので名だたる武将は、
誅殺を恐れて、彼の下を離れ、残るは小物ばかりです。
また軍規も乱れ、兵は暴虐、それに住民から重税を取っているので、
全く人気もありません。
私に先陣を任せて頂ければ、造作もなく黄祖の首を取ってみせます。」
周瑜を総大将、甘寧を副将で再出陣
そのように堂々と答えたので、孫権は喜び、周瑜(しゅうゆ)を
総大将として、甘寧を副将につけて、黄祖を攻撃させました。
黄祖の水軍は長江に大軍を浮かべて、進んできますが、
海賊出身の甘寧は、水戦はお手のものでした。
直ぐに、自分の艦を黄祖軍の旗艦に突撃させていきます。
大混乱に陥った黄祖の水軍に呂蒙が火を放ち、
黄祖の船団は、火に包まれて壊滅してしまいます。
黄祖は、上陸した呉軍に攻められ、江夏城を守り切れず、
たった一人脱出しますが、呉軍の騎兵、馮則(ふうそく)という人物に
首を斬られて死亡しました。
※三国志演義では、甘寧に斬られたとされている。
孫権が自尊心が強い甘寧へ取った対応は?
孫権は、周瑜、呂蒙(りょもう)の進言を受けて、
甘寧を新任の武将としては扱わず、譜代の家臣として扱いました。
自負心の強い甘寧は、この扱いに満足して、その後も孫権に忠誠を尽くし
魏の張遼に匹敵する、呉の甘寧として天下に名前を轟かします。
耳で聞いて覚える三国志
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どうも、kawausoでーす、好きな食べ物はサーモンです。
歴史ライターとして、仕事をし紙の本を出して大当たりし印税で食べるのが夢です。
もちろん、食べるのはサーモンです。