78話:龐統初登場、連環の計発動!

2015年5月2日


黄蓋 奮闘

 

苦肉の計で周瑜(しゅうゆ)が黄蓋(こうがい)を痛めつけて後、

黄蓋が曹操(そうそう)に、周瑜への恨みつらみを書いた手紙を送り、

曹操に投降する旨を告げると曹操から返事が来ます。

 

 

「我が軍は、黄蓋殿を歓迎する、いつでも投降されたし」

 

 

周瑜と黄蓋は、これを見て、苦肉の計が成功した事を確信します。

 

前回記事:77話:老将黄蓋、身体を痛めつけて曹操を欺く

 

監修者

ishihara masamitsu(石原 昌光)kawauso編集長

kawauso 編集長(石原 昌光)

「はじめての三国志」にライターとして参画後、歴史に関する深い知識を活かし活動する編集者・ライター。現在は、日本史から世界史まで幅広いジャンルの記事を1万本以上手がける編集長に。故郷沖縄の歴史に関する勉強会を開催するなどして地域を盛り上げる活動にも精力的に取り組んでいる。FM局FMコザやFMうるまにてラジオパーソナリティを務める他、紙媒体やwebメディアでの掲載多数。大手ゲーム事業の企画立案・監修やセミナーの講師を務めるなど活躍中。

コンテンツ制作責任者

おとぼけ

おとぼけ(田畑 雄貴)

PC関連プロダクトデザイン企業のEC運営を担当。並行してインテリア・雑貨のECを立ち上げ後、2014年2月「GMOインターネット株式会社」を通じて事業売却。その後、「はじめての三国志」を創設。戦略設計から実行までの知見を得るためにBtoBプラットフォーム会社、SEOコンサルティング会社にてWEBディレクターとして従事。現在はコンテンツ制作責任者として「わかるたのしさ」を実感して頂けることを大切にコンテンツ制作を行っている。キーワード設計からコンテンツ編集までを取り仕切るディレクションを担当。


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周瑜の思惑通りになったが、まだ足りない

周瑜 美男子

 

周瑜の考えている曹操軍撃退の計略とは、黄蓋に牧草を満載させた

小舟を20隻程率いさせて曹操の下へ投降させ、

その途中で、船に火を放って曹操軍の船団に突入させるというものです。

 

 

しかし、これだけでは、幾らかの船は焼けても、多くの船は、

その場から離れるので船団を焼き尽くすまでは至りません。

 

もし、失敗すれば、折角老体に鞭を打ち、苦痛に耐えた黄蓋の

献身が無になります。

 

 

「チャンスは一度だけ、もう一つ決め手があればのぅ、、」

 

 

その時でした、思案している周瑜の前に来客がやってきます。

 

予想外の人物が登場、その名も龐統

龐統

 

ガリガリに痩せて、顔もあばた顔、身なりも振るわない、

この中年の男は、自分を龐統(ほうとう)だと名乗りました。

 

周瑜は、龐統と聞いて驚きます。

 

彼こそ、臥龍(ふくりゅう)諸葛亮孔明(しょかつ・りょう・こうめい)と

双璧と言われた鳳雛(ほうすう)、龐統士元(ほうとう・しげん)だったのです。

 

 

「周瑜殿が、曹操を攻めあぐんでおると聞いてな、、

一つ計略を持ってまいったのです、、」

 

 

「それは、有り難い、どのような計略でしょう?」

 

周瑜は、龐統を上座に勧めて聞きました。

 

龐統は、周瑜にこのように言います。

 

 

「曹操の船団を撃ち破るには火攻めをおいて方法はないが、

現在、曹操の船団はバラバラなので、火を掛けても効果は限定的である

それが、周瑜殿の悩みではないか?」

 

 

「いかにも、龐統殿の言われる通りです、、それで決め手に

欠いて頭を抱えておるのです」

 

 

周瑜は自分の考えをすっかり読まれて驚き言いました。

 

龐統の策とは?

龐統 ゆるキャラ 三国志

 

「はっはっは、それならば簡単、曹操に船と船を繋げさせれば

いいのですよ、、」

 

 

「はあ、、そうは仰っしゃいますが、簡単には行きません、、」

 

周瑜は、首を振りました。

 

 

「よろしい、曹操は、故郷、襄陽を奪った憎い敵です。

私が、曹操軍の船団を鎖で繋いでみせましょう」

 

 

龐統はカラカラと笑うと周瑜の元を去り、

その足で曹操の陣営へと向かいました。

 

流石の曹操も鳳雛の名は知っているので歓迎する

抜き出た曹操

 

曹操の陣営でも鳳雛の名は轟いていたので曹操は、

丁重に、龐統を迎えました。

 

 

(なんだ、この汚いみなりの痩せ男は、、これが鳳雛なのか?)

 

 

曹操は内心では、そう思っていましたが、

龐統が話を始めると直ぐに考えを改めます。

 

 

「私が見るに、曹操様の軍勢は、船酔いに悩んでいるようですな、、

呉のような小国を攻めあぐねているのは、それが理由でしょう、、」

 

 

「ど、、どうしてそれが分かったのです!!

まさに先生の仰っしゃる通りで御座います!!」

 

 

「それならば、簡単で御座います、すぐに、鍛冶屋に鎖を造らせて

全ての船を連結させてしまう事です。

こうすれば、船は安定し、揺れは少なくなり船酔いは減少します」

 

 

曹操は、龐統のアイデアを聞いて、手を叩いて喜びます。

 

 

「成程、それは気づきませんでした!御教授下さり有難う御座います」

 

 

「なぁに、、大した事ではありません、では、私はこれで、、」

 

 

しばらくして、曹操は鍛冶屋を総動員して数千隻の船を

全て、鎖で繋いでしまいました。

 

 

これが三国志に名高い、龐統の連環の計です。

 

連環の計は他にもある

董卓&呂布

 

同じ連環の計には、王允(おういん)が美女、貂蝉(ちょうせん)を使って、

呂布(りょふ)と菫卓(とうたく)を憎しみ合わせるのに使った

連環の計もありますが、、、、

 

 

あの連環は、いくつかの計略を複合して仕掛けるという

連環(コンボ)という意味ですが、龐統の連環は、

鎖の輪を連ねるという意味での連環です。

 

 

周瑜は、事もなく曹操軍の船団を鎖で繋げた龐統を恐れますが、

孔明と違って殺そうとはしなかったようですね。

何でしょう、龐統とはウマがあったのでしょうか(笑)

 

 

耳で聞いて覚える三国志

 

次回記事:79話:曹操最大の失敗赤壁の戦い

 

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どうも、kawausoでーす、好きな食べ物はサーモンです。
歴史ライターとして、仕事をし紙の本を出して大当たりし印税で食べるのが夢です。

もちろん、食べるのはサーモンです。

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台湾より南、フィリピンよりは北の南の島出身、「はじめての三国志」の創業メンバーで古すぎる株。もう、葉っぱがボロボロなので抜く事は困難。本当は三国志より幕末が好きというのは公然のヒミツ。三国志は正史から入ったので、実は演義を書く方がずっと神経を使う天邪鬼。

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