童子の導きで、水鏡先生と呼ばれる高名な学者に出会った
劉備は、そこで、あなたには人材が不足していると
衝撃的な事実を告げられます。
そして、縻竺や孫乾、のような文官もいますと反論します。
それに対して、水鏡は目を鋭くして説きました。
「確かに、将軍には、有能な人材がおります、、ただ、彼等は、
起きた事態に対応できる人々であり、
世の中の時流を読み、流れを造っていく人材ではありません。
だからこそ、将軍は土台を造る事が出来ず、
今も人の世話になり流浪しているのです、違いますかな?」
前回記事:57話:劉備はどうやって三国志界の天才軍師・諸葛孔明を手に入れたの?
この記事の目次
劉備は当てはまり返す言葉が見つからない
劉備は愕然としました、返す言葉もありません、、
劉備を含め、その配下は、乱世の流れに翻弄され、
それを必死に切り抜けて生きてきただけで、
長期の展望は何も持っていなかったのです。
漢の高祖の優秀な3人
「例えば、アナタの御先祖の漢の高祖は、
䔥何(しょうか)、韓信(かんしん)張良(ちょうりょう)という
時流を読み、流れを造る人材を得て項羽(こうう)を撃破しました。
しかし、将軍の配下には、そのような方がおられません、、」
「先生の仰っしゃる事が分かりました、しかし、そのような人材は、
どこに行けば得られるのでしょうか?」
すると水鏡は、地面を指差して笑いました。
「それは、この荊州の土地にいます、、
ここは、黄巾の乱以後、戦乱を逃れた高名な人材が多く隠れ住んでいます」
「できますれば、その人材の名前を教えて下さいませんか?」
劉備が頼みこむと、水鏡は、
「臥龍(ふくりゅう)と鳳雛(ほうすう)、そのいずれか一方でも
手に入れば天下は手の中に落ちたも同然と言えましょう」と答えます。
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臥龍(ふくりゅう)と鳳雛(ほうすう)ってどんな意味なの?
臥龍(ふくりゅう)とは、まだ天に昇らず、地に臥している無名の龍の意味、
そして鳳雛(ほうすう)とは、鳳凰の雛(ひな)の意味で、つまりあだ名です。
劉備は、さらに、図々しくも彼等の本名を聴きたがりますが、
水鏡は、「良き哉、良き哉、」と言うだけで何も答えませんでした。
臥龍(ふくりゅう)って誰の事?
実は、この中の臥龍こそ、三国志のスーパースター
諸葛亮孔明(しょかつりょう・こうめい)の事ですが、
この時点で、劉備はそれを知る由もありませんでした。
自分が足りない人材が分かった劉備
まあ、いずれにせよ、この日、劉備は自分に足りない人材を
水鏡によって教えられたのです。
20年以上も戦場に身を置いて、こんなうっかりミスをしていたとは、
劉備は何と、呑気な男なのでしょうか。
とまれ、この日より劉備は流浪の人生に終わりを告げて、
三国志の一角、蜀の皇帝への道を駆けあがっていきます。
耳で聞いて覚える三国志
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歴史ライターとして、仕事をし紙の本を出して大当たりし印税で食べるのが夢です。
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