東方明珠による補足:
三国志の武将には、あだなを持つ人が何人もいます。
有名なところでは、
「水鏡先生」(すいきょうせんせい)と呼ばれた司馬徽(しばき)や
「白眉」(はくび)と呼ばれた馬良(ばりょう)
「小覇王」(しょうはおう)と呼ばれた孫策(そんさく)などが挙げられます。
なんとなく耳にするとかっこよく聞こえますが、
実際のところ現代語訳してみると、意外と面白かったりします。
■水鏡先生のアダ名の由来は?
たとえば「水鏡先生」の「水鏡」は
水がありのままの姿を映すように、物事の本質をよく見極める模範的な人を
意味します。
「先生」は現代の「~さん」といったところです。
というわけで「先見の明ありさん」と意訳してみます。
司馬徽=「先見のメアリーさん」
いいあだなですね。
馬良の白眉(はくび)は?
「白眉」どうでしょうか。
馬良は生まれつき眉毛が白かったので人々は彼を「白眉」と呼びました。
彼は五兄弟の中で最も優秀で抜きんでていたために、のちに「白眉」という言葉は
最も優れていることを指すようになります。
とはいえ、白眉は白眉。
みんな「シロマユゲ」と読んでいたわけです。
馬良=「マユゲ」
なんだか武将をいじっているような気分になってきました。
小覇王の孫策は?
さて「小覇王」ですが、
楚の項羽を「覇王」と呼んだことにちなんで、わずか数年で江東を制した孫策は
「小覇王」と呼ばれました。
何でしょう。
直訳すると、「項羽もどき」になりますね。
ちなみに「小」は小さいという意味合いよりも若いという方がしっくりきます。
そこで意訳してみました。
孫策=「若旦那」
こんなところでいかがでしょうか。
以上のノリで、作成してしまった4コマ漫画「あだな」です。
かなりの意訳が入っていますので、少しだけフォローさせていただきます。
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■イケメン周くん
周瑜(しゅうゆ)のあだな「美周郎」を訳してみるとそんな感じになります。
街の娘さんたちから、
「イケメン周くーん!」
と呼ばれるのは果たして嬉しかったのか恥ずかしかったのか……。
周瑜=「イケメン周くん」
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■白馬王子
公孫瓚(こうそんさん)のあだな「白馬将軍」を意訳しました。
もともとは、公孫瓚が「白馬義従」と呼ばれる白馬のみで構成された
精鋭部隊を率いていたことからつけられたあだなです。
しかしながら「白馬と言ったら王子様じゃないか!」という
私の勝手なこだわりにより、「白馬王子」と呼ばせていただきました。
公孫瓚=「白馬王子」
■ひよっこ&ひきこもり
龐統(ほうとう)のあだな「鳳雛」(ほうすう)と
諸葛孔明(しょかつこうめい)のあだな「伏竜」(ふくりゅう)です。
「鳳雛」は霊獣である鳳凰(ほうおう)のひなですから、
将来すぐれた人物になる人のことです。
「伏竜」は池の中にひそんで昇天の時を待っている竜ですから、
これも隠れている優れた人物をさします。
ですが、はい、面白おかしく直訳しました。
龐統=鳳凰のヒナ=「ひよっこ」
孔明=ひそんだ竜=「ひきこもり」
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■ヒゲ
関羽(かんう)は美しいひげを生やしていたことから
「美髯公」(びぜんこう)と呼ばれていました。
諸葛孔明などは関羽のことを「髯殿」(ひげどの)と読んでいたそうです。
美しいヒゲはダンディーな男の証だった時代ですから、
誰もが関羽のヒゲ姿を立派と思っての発言だったのです。
しかし……現代語に訳してみると「ヒゲ」
みんなから「おい、ヒゲ」と呼ばれる関羽を想像すると
なんだかシュールな気分になってしまいました。
そんなわけで、この4コマは生まれました。
関羽=「ヒゲ」
この4コマ漫画を書いた人:よりぶりん
HN:
よりぶりん
自己紹介:
イラスト担当のよりぶりんです!大好きな三国志を壊さないように、ゆるく描けたかな?と思います。
『はじめての三国志』と言えば、このイラスト!と思って頂けるようにゆるく頑張ります!
好きな歴史人物:
呂布、前田 慶次
何か一言:
やっぱり劉備軍が描きやすいけど、馬騰一族も捨てがたいなぁ~