後漢の時代の名門官僚である汝南袁氏の御曹司というサラブレットだった袁術(えんじゅつ)は、
皇帝を自称するという俺様プレイで人望を失い、度外れた贅沢で民を苦しめた結果最後には、飢え死にするという最後を迎えました。
でも、そんな袁術の墓が現在も実在するというのは皆さんご存じでしょうか?
この記事の目次
袁術の墓の位置
袁術(えんじゅつ)の墓は寿春県から107キロ離れた合肥(がっぴ)市長豊県(ちょうほうけん)楊公鎮(ようこうちん)にある
袁術は、元の拠点だった揚州を劉表(りゅひょう)に奪われた後、
揚州の州都であった寿春に入ります。
そこで家臣や周囲の猛反対を押し切り197年の正月には自身に天命が降ったとして、
皇帝に即位して仲(ちゅう)王朝を建国します。
しかし、袁術の栄光もここまでで、後には呂布(りょふ)との戦いに敗北し、
近くにあった小国、陳(ちん)の支配者である劉寵(りゅうちょう)を
首尾よく謀殺したものの、城に入る直前で曹操軍に攻撃されて敗北するなどで、
兵力も食糧も人望も失い、炎天下で飢えと渇きに苦しみ絶望し、
西暦199年、大量の血を吐いて死んだと伝えられています。
そんな袁術ですから、部下も逃げてしまい墓などないだろうと考えていたら、
何と、袁術の墓は、その本拠地の寿春から直線距離で107キロ離れた
合肥市長春県楊公鎮、淮南(わいなん)市、孤堆回族(こついかいぞく)
郷蔡圩(ごうそんう)村という所にある小高い丘として存在しているようなのです。
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近くには、有名な合肥の古戦場があるのに訪れる人もいない袁術墓
袁術の墓がある楊公鎮から30キロ圏内には魏と呉の総力戦の
舞台になった合肥が存在します。
そんな、三国志屈指の名所に近いのに、ほぼスル―されている袁術、
まさに、この男、笑いの神に愛されているとしか言いようがないでしょう。
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まさかの少数民族の土地にあり、しかも盗掘されていた袁術墓
袁術の神的な不運は、そればかりにはとどまりません。
何と、袁術の墓がある合肥市長豊県楊公鎮の一帯は
孤堆回族(こついかいぞく)という少数民族の居住地で、
袁術の事を知る人は殆どいないというのです。
さらに、袁術の墓の頂上付近には盗掘の跡もあり、
あんなに悲惨な最後を迎えたのに、死後はしっかり盗掘を受けている
という事も分かります。
最後はふんだりけったりだったのに、盗掘まで受けるとは、、
きっと、黄泉の世界で袁術もムキーーーーっとなった事でしょう。
でも、一族が散り散りばらばらに逃げて、最後は餓死に近い最後を迎えた
袁術の墓に副葬品などあったのでしょうか?
もし、盗掘犯が「つかまされたぜ、こん畜生」となっていたとしたら、
袁術の神的な奇跡のページがさらに一枚追加されるでしょう。
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長い年月で名前まで変化した袁術の墓
袁術の墓である小高い丘には厳氏孤堆(げんし・こつい)と書かれた石碑が存在します。
「は?厳氏孤堆って何?と思いますよね」実は、この場所は元々は、
袁氏孤堆(えんし・こつい)と呼ばれていたのだそうです。
袁氏ならば、三国志ファンなら袁紹か袁術かですぐに気付くのですが、
長い間、伝承が続く間に袁が厳に変化してしまい、
袁氏孤堆は厳氏孤堆になってしまったようです。
これじゃあ、分かるわけはないですが、、それにしても、長い年月で
名前まで変わってしまうとは袁術の人気の無さって一体・・
三国志ライターkawausoの独り言
グーグルマップでちょいちょいと調べると、流石に写真は出てきませんが、
袁術の墓がある周辺がポイントが表示されます。
本当に、合肥に近く、どうして、三国志ファンに気が付かれないのか不思議です。
袁術ファンの皆様は、もし合肥に行く機会があれば、報われない袁術に、
激励のエールなどを掛けてあげると喜ぶのではないでしょうか?
もちろん、袁術を全面的にバックアップしているはじめての三国志スタッフは、
今後、機会をとらえて厳氏孤堆までゆくつもりです。
※あくまで、三国志取材のついでとして・・
本日も三国志の話題をご馳走様でした。
—自称皇帝の袁術をたっぷり紹介!—
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歴史ライターとして、仕事をし紙の本を出して大当たりし印税で食べるのが夢です。
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