遼東三代記最終回である今回の登場人物は公孫淵(こうそんえん)です。
遼東最後の王となる彼は野心に満ち溢れた人物で魏から完全に独立を果たし、名実ともに遼東の王になろうと行動を起こします。
前回記事:公孫度(こうそんたく)とはどんな人?幸運に恵まれ、遼東の王になった男【遼東三代記】
前回記事:公孫康(こうそんこう)とはどんな人?虚を捨て、実を取り遼東に安寧をもたらした男【遼東三代記】
この記事の目次
遼東の統治権を強奪
公孫淵は父・公孫康(こうそんこう)が亡くなった時、
幼かったため後継ぎに選ばれず、公孫康の弟である公孫恭(こうそんきょう)が跡を継ぎます。
彼はふがいない公孫恭を見て育っていたため、
いつかは公孫恭が座っている遼東の統治権の位をその手に掴むつもりでした。
そして成人になった彼は公孫恭を脅迫し、遼東の統治権を強奪する事に成功します。
孫権に使者を送り親睦を深める
公孫淵は孫権(そんけん)に使者を送り、彼と親睦を深め魏からの独立しようと試みます。
彼は孫権に様々なものを贈り、さらに「呉に従属したい」と伝えます。
孫権は公孫淵が従属したいと言ってきた事に対して大いに喜び、
返礼として公孫淵に黄金や珍しい宝物などを送り、遼東と孫呉の絆は深まっていきます。
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呉と魏の両国二つを二股にかける
公孫淵は孫権から宝物と黄金をもらいます。
しかし地理的に孫呉は遠く魏に攻め込まれた場合、
援助を頼めないと思い、呉の使者を処刑し、黄金や宝物を強奪。
呉の使者の首は魏に送り臣従を誓います。
魏に臣従を誓った事を認め、彼を大司馬に任命します。
公孫家の悲願を達成
公孫淵は魏の毌丘倹から「皇帝・曹叡が都にお招きです」と伝えられます。
公孫淵は魏の皇帝である曹叡の招きに応じず、魏との国交を断絶し独立。
彼は燕王を自称し、年号を「紹漢」と新たに制定します。
その後大軍を率いて隣郡に駐留している毌丘倹を撃破。
ついに公孫家の悲願であった独立を果たし、王様になるのです。
孫権に援軍依頼をするが…
魏の皇帝である曹叡は、諸葛亮と激闘を繰り広げた司馬懿(しばい)に遼東を討伐してくるように命じます。
司馬懿は魏の主力軍を用いて遼東討伐へ向かいます。
公孫淵は司馬懿の軍勢が近づいてくることを知り、孫権に援軍を依頼。
孫権は公孫淵から援軍依頼の使者が来ると「司馬懿は戦術に優れ、蜀の諸葛孔明と互角の戦いを繰り広げた武将だ。
そんな人物と戦うことになるなんて残念だ。まあ頑張ってくれよ」と励ましの言葉をかけて追い返します。
公孫淵は孫権からの援軍依頼を断られると覚悟を固め出陣。
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