「人形劇 三国志」の語り手、島田紳助の役割とは? 紳介・竜介って何?

2021年12月25日


 

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自分の人形を操る孔明

 

「人形劇三国志」は1982年から1984年にかけて放送されたNHKの連続人形劇です。「三国志演義」を基にしたストーリーと精密な人形の動きには多くのファンがいます。

 

人形劇三国志を視聴する桃園三兄弟 劉備、関羽、張飛

 

その「人形劇三国志」にあの「島田紳助」さんが出演しているのはご存知でしょうか?

 

自分の人形を操る曹操

 

今回の記事では「人形劇三国志」における島田紳助さんの役割を探っていきたいと思います。

 

 

監修者

ishihara masamitsu(石原 昌光)kawauso編集長

kawauso 編集長(石原 昌光)

「はじめての三国志」にライターとして参画後、歴史に関する深い知識を活かし活動する編集者・ライター。現在は、日本史から世界史まで幅広いジャンルの記事を1万本以上手がける編集長に。故郷沖縄の歴史に関する勉強会を開催するなどして地域を盛り上げる活動にも精力的に取り組んでいる。FM局FMコザやFMうるまにてラジオパーソナリティを務める他、紙媒体やwebメディアでの掲載多数。大手ゲーム事業の企画立案・監修やセミナーの講師を務めるなど活躍中。

コンテンツ制作責任者

おとぼけ

おとぼけ(田畑 雄貴)

PC関連プロダクトデザイン企業のEC運営を担当。並行してインテリア・雑貨のECを立ち上げ後、2014年2月「GMOインターネット株式会社」を通じて事業売却。その後、「はじめての三国志」を創設。戦略設計から実行までの知見を得るためにBtoBプラットフォーム会社、SEOコンサルティング会社にてWEBディレクターとして従事。現在はコンテンツ制作責任者として「わかるたのしさ」を実感して頂けることを大切にコンテンツ制作を行っている。キーワード設計からコンテンツ編集までを取り仕切るディレクションを担当。


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「人形劇三国志」とは?

テレビを視聴するkawauso編集長

 

先ずは「人形劇三国志」について解説します。この人形劇は1982年から1984年までNHKにて放送されました。全部で68話あり、「桃園(とうえん)の誓い」から「五丈原(ごじょうげん)の戦い」までの「三国志演義」を基にしたストーリーです。

桃園の誓いをする劉備、張飛、関羽

 

演義を基にしているものの、子供向けに勧善懲悪を強調しているので、演義よりも蜀中心の物語となっています。

 

自分の人形を操る呂蒙

 

蜀が正義で、魏や呉は悪役のような話になっており、呂蒙(りょもう)など一部の魏や呉の武将はことさら悪く描かれていることもあります。人形は人形劇の代表的作家「川本喜八郎(かわもときはちろう)」さんが担当しており、その繊細な動きはまるで実写を見ているようです。

 

また、「演義」にも「正史」にも出てこないオリジナルキャラも多数出演していますが、その中に「島田紳助」さんを基にしたキャラクターが登場するのです。

 

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三国志平話

 

 

 



語り手として出演する「紳助・竜介」

自分の人形を操る趙雲

 

「人形劇三国志」には当時大人気だった漫才コンビ「紳助・竜介」の「島田紳助」さん、「松本竜介」さんの二人が語り手として出演しています。「三国志の事なら何でも知っている島田紳助、松本竜介です。」が決まり文句です。

 

この二人は各回の最初と最後に実写で出演し、その回の物語の解説をしてくれるのです。漫才師らしくギャグを交えたもので、とてもわかりやすく三国志を解説してくれます。また、劇中の人形と紳助・竜介が会話したりするという斬新な演出も盛り込まれています。

 

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呂布対項羽

 

 

「紳介・竜介」とは?

 

「紳介・竜介」は島田紳助さんと松本竜介さんが1976年に結成した漫才コンビです。当時は当たり前だった背広姿での漫才をせず、リーゼントとツナギで「ツッパリ漫才」を繰り広げ若い世代に絶大な人気を得ました。テレビや漫才の賞レースでも大活躍し、「漫才ブーム」の中心にいました。

 

「漫才ブーム」はだいたい1980年から1982年ころと言われていますから、「人形劇三国志」に出演した時は人気が絶頂の時だったと考えられます。しかし、1985年にコンビを解散。島田紳助さんはその後、バラエティータレント、司会者、M-1グランプリ設立などすさまじい人気を誇りました。

 

しかし、2011年にスキャンダルで引退し、今は悠々自適に暮らしているそうです。松本竜介さんはコンビ解散後は芸人をしながら実業家など様々な職業にチャレンジしたようですが、2006年に若くして亡くなっています。

 

よかミカンのブラック三国志入門

 

 

劇中にも「シンシン・ロンロン」として登場!

新解釈・三國志 門番する不真面目な黄巾賊

 

紳助・竜介さんは「人形劇三国志」にて語り手として物語の解説をしていきますが、劇中にも登場しています。それが「シンシン・ロンロン」という二人組です。2人は関西弁を操り、当時の中国としては違和感満載の登場人物ですが、その夢は将軍になること。その目標のために様々な勢力で、様々なポジションで働くことになります。

 

自分の人形を操る関羽

 

最初は黄巾族(こうきんぞく)に身を投じ、その後董卓(とうたく)呂布(りょふ)孫権(そんけん)などいろんな勢力を渡り歩きます。そこでもコメディ的なポジションで、ドジを連発し、勢力を窮地に追い込むことがありました。

自分の人形を操る張飛

 

色んな武将とも顔なじみで、特に張飛(ちょうひ)とは昔から知り合いなのですが、何故か蜀には仕官することはかないませんでした。最後は将軍の夢をあきらめ、蜀の成都で屋台を営むことになります。実は二人は物語の最初から最後まで登場する唯一のキャラクターであり、最終回では死んでしまった人物の墓を見ながらしみじみとしたコメントを出してくれます。

 

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はじめての三国志Youtubeチャンネル3

 

 

島田紳助さんの現在は?そして今、「人形劇三国志」を見るには

 

島田紳助さんは今は完全に引退され、ネットを含む各種メディアではお目にかかることはありません。その語り口はとてもファンが多いので、68話全部に登場する「人形劇三国志」は紳助さん初期の語り口を見るには絶好の素材でしょう。

 

しかし、現在「人形劇三国志」は再放送されることはほとんどないため、今現在視聴するどのようにすればよいのでしょうか。先ずはDVDで見ることが出来ます。かつては全17巻が発売されていて結構高価でしたが、2019年に全5巻に全話収録されたものが再発売されました。

 

 

他には「NHKオンデマンド」で見ることが出来ますが、こちらは「NHKオンデマンド」が視聴できる施設に直接出向く必要がありますので、全話見るのは難しいかもしれませんね。いつか全話公式配信されるのを願うばかりです。

 

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鍾会の乱

 

三国志ライターみうらの独り言

みうらひろし(提供)

 

島田紳助さんはものすごいたくさんのテレビに出演されていて本当にトークが面白かったのをよく覚えています。「人形劇三国志」ではそのヤンキーぽさが一見ミスマッチですが、意外と合っていてよかったですね。

 

ぜひ復帰していただいて、「人形劇三国志」について語ってほしいですね。

 

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みうらひろし

歴史が好きになったきっかけはテレビの再放送で観た人形劇の三国志でした。そこから歴史、時代小説にはまり現在に至ります。日本史ももちろん好きですよ。推しの小説家は伊東潤さんと北方謙三さん。 好きな歴史人物: 呂蒙、鄧艾、長宗我部盛親 何か一言: 中国で三国志グッツを買おうとしたら「これは日本人しか買わないよ!」と(日本語で)言われたのが思い出です。

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