田文は秦の昭襄王によって殺されそうになります。
しかし田文が養ってきた、食客達の活躍により、危機を脱します。
田文は趙に寄った後斉に戻り、復讐を開始します。
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この記事の目次
秦に復讐する
田文は斉へ帰ると宰相の位に就き
田文は連合軍の総大将となって秦へ攻め込みます。
連合軍は秦の軍勢に幾度も大勝し、ついに秦は魏と韓に領土を返還する事で、連合軍との和平を果たします。
田文はこうして秦への復讐を完了します。
斉の湣王に嫌われる
秦に大勝した田文は斉へ帰ると、国力を増強するため内政に力を入れ、軍の訓練
を頻繁に行います。
斉の湣王は田文率いる連合軍が秦を打ち破った後、斉軍の強さを知り
王自ら軍を率いて宋国を滅亡させます。
湣王は自らの力で宋を滅ぼした事で、傲慢になり
だんだんと田文を目障りに感じ、宰相の位を剥奪します。
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穴を三つ作る
田文は宰相の位を剥奪された後、薛に帰り、久しぶりに平穏な日々を暮らします。
そんな穏やかな日々の中、食客である馮驩が助言をします。
彼は「ウサギは逃げるために穴を三つ作っています。しかしあなたには
この薛の領地しか逃げる所がありません。そのため私があなたの逃げ道を
二つ作ってきましょう」と助言します。
田文は彼の助言を聞き「馮驩に任せる。ぜひ私の逃げ道を作ってくれ。」
と依頼します。
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一つ目の穴:魏で宰相の位を用意させる
馮驩は魏に行きます。
魏の首都大梁に着くと恵王に謁見し「わが主である田文を魏の宰相にすれば、
富国強兵につながり、長年苦しめられてきた秦に反撃する事が出来るでしょう」と告げます。
彼の言葉を聞いた恵王は「分かった。お主の言を信じ、我が国の宰相の
位を開けておこう。田文にわれの手紙を渡しておいてくれ。」と
馮驩のアドバイスを採用します。
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二つ目の穴:斉の湣王に謝らせ、田文を宰相へ復帰させる
馮驩は魏の恵王の元を去り、斉に帰ります。
斉に帰ると薛に寄らず、斉の湣王に会見を申し込みます。
馮驩は湣王に会うと「魏の恵王が田文様を宰相に向かい入れるため、頻繁に
魏の使者が薛を訪れているそうです。田文様に謝って宰相の位に
再任させた方がいいのではないのでしょうか。」と説きます。
湣王は「お主の言う通りだ。すぐに田文に詫びを入れ、宰相になるよう
使者を使わそう」と伝えます。
湣王はすぐに田文に詫びを入れ、宰相に復権してくれるよう使者を送ります。
三つめの穴:斉の歴代王の墓を薛に作る
田文は湣王の言葉を受け取り、斉の宰相に復権します。
馮驩は最後の逃げ道を作るため田文に「殿。湣王に歴代の
斉王の墓を作る許可をいただいてください。」と進言します。
田文は馮驩の進言通り、湣王に歴代の王様の墓を作っていいか聞きます。
湣王は田文の提案を認め、薛に斉の歴代の王様の墓を建てさせます。
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故事「狡兎三窟」
馮驩は田文と会い「殿。やっと三つの穴が完成いたしました。
今後湣王に害されるようなことがあった場合、魏の宰相の道を取るもよし。
また斉の歴代の王の墓があるこの薛に籠るのもよし。好きな逃げ道を使いなされ。」
と田文に告げます。
馮驩が作った三つの逃げ道を後世では「狡兎三窟」と呼ぶようになります。
秦の謀略により、魏へ亡命
田文はその後斉の宰相として、国力増強につとめます。
しかし田文は湣王の突然の怒りを得て、引退します。
彼は引退しても各地の諸侯や民衆から高い評判を得ていました。
田文が引退した事を聞いた秦は、自らの国と比肩する斉を潰すため、
斉から田文を追い出そうと色々な謀略を行います。
この謀略が功を奏し、湣王は田文を殺害しようと計画します。
田文は湣王が自らを害そうと企んでいることを知り、魏に逃げ込みます。
斉への恨みを晴らす
燕の昭王は以前、斉に首都を陥落させられ、恨んでおりました。
この恨みを晴らすため、中山国の遺臣である楽毅を使って、
各国との連合を図っておりました。
魏の宰相である田文は、燕の昭王の使者と会見。
昭王の使者は「我が国は、貴国と連合し斉へ攻め入りたいと思います。」
と田文に伝えます。
田文は使者へ「燕と連合して、斉へ攻め入りましょう」と伝えます。
魏の恵王には使者が来る前に食客が集めて来た情報を事前に伝えており、
燕との連合についての許可はもらっておりました。
春秋戦国時代の名将楽毅と共に斉へ攻め入る
楽毅は魏の他にも、趙・韓・秦と連合に成功します。
彼は五国連合軍の総大将となって斉へ攻め込みます。
魏も大軍を出して、斉へ侵攻を開始。
楽毅率いる連合軍は斉の大軍を易々と撃破。
ついに斉の湣王を討ち取り、首都臨淄(りんし)を陥落。
斉国の70以上ある城の内、即墨(そくぼく)と莒(きょ)の二城以外すべてが
陥落し、斉は滅亡寸前に追い込まれます。
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田単の活躍により滅亡寸前から立ち直る
斉は楽毅の凄まじい軍略により、滅亡寸前に追い込まれます。
しかし燕の昭王は斉の滅亡を見る事無く亡くなり、次の王が立ちます。
楽毅は次世代の王に嫌われていたため、左遷させられます。
斉の即墨に籠っていた田単は、楽毅が去った事を聞くと、全軍で敵陣に突撃敢行。
斉の城を瞬く間にすべて奪い返し、新たな斉王である襄王を首都臨淄に迎え入れます。
この間魏の宰相である田文は中立を守りどちらにも加担しませんでした。
田文を宰相に迎え入れる
斉の襄王は燕の軍勢を国外に追い出すことに成功しました。
しかし諸国は未だ 斉と敵対関係にありました。
そこで襄王は、各国と和解。
そして田文と親交を結び、斉の宰相として迎え入れます。
田文は斉へ帰り、三回目の丞相就任となります。
数年後彼は病の為に亡くなります。
襄王は彼の諡(おくりな)を孟嘗君と号し、その死を厚く弔ったそうです。
三国志ライター黒田廉の独り言
田文はこうして斉の宰相を三回。秦の宰相を一回。魏の宰相を一回。
春秋戦国時代を通じて各国の宰相をこれだけ
経験した人物はいないのではないのでしょうか。
さらに彼が連合を組もうと各国に呼びかければ、すぐに応じ連合軍を形成できる
人望の持ち主でもありました。
当時「彼が動けば天下が動くと言われていた」と言われるほど天下に人望があると同時に
天下の諸侯から恐れられた人物である孟嘗君・田文をお伝えしてきました。
今回のお話はこれでおしまいにゃ。次回もまたはじめての三国志でお会いしましょう
それじゃまたにゃ~
—熱き『キングダム』の原点がココに—