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109話:曹丕が献帝を廃し魏を建国

魏の皇帝になった曹丕

曹操 魏王

 

西暦219年、曹操(そうそう)から王位を引き継いだ曹丕(そうひ)は、

それだけでは満足せず曹操が、最期まで手を付けなかった

皇帝の位へのあくなき執念を見せます。

 

もっとも、曹操は、皇帝の位を想定していなかったのではなく、

「自分は漢の禄を食んだのだから、皇帝の位までは望まない」

と漢の臣であった事を理由にして、帝位までは奪わなかっただけでした。

 

しかし、曹丕が皇帝の位を奪うと言っても、それは献帝(けんてい)に、

「おら帝位を寄こせ」と言って成立するものではありません。

 

前回記事:108話:三国志を牽引した風雲児曹操、志半ばで死ぬ

 

曹丕はどうやって献帝から帝位を譲ってもらったの?

怒る 献帝

 

曹丕は、「あくまでも献帝が自ら帝位を自分に譲るというから、

仕方なく皇位に就く」という儀式を強制しました。

 

いわゆる禅譲という方式で、これにより献帝は、何度も、

曹丕に譲位を願い出ては、曹丕に「とんでもございません」

拒否されるという、手間ヒマが掛かる茶番を繰り返す事になります。

 

献帝:「帝位を奪うなら、早く奪え、どこまで曹丕は朕に恥をかかすのか」

 

献帝は、おそらくこのような不満を抱えながら、18回を数えた

禅譲の茶番劇に付き合う羽目になりました。

 

しかし、ここでも、漢室の誇りを貫いた女性がいました。

それは意外にも、献帝の皇后であった献穆曹(けんぼくそう)皇后です。

 

献穆曹皇后と献帝の複雑な出会い

 

献帝の前の皇后の伏皇后は、父、伏完が曹操暗殺を図った事で、

連座して罪に問われ、献帝の目の前で殺されました。

 

曹操は、その後、自分の娘である曹節(そうせつ)を献帝に嫁がせて、

献穆曹皇后と名乗らせていたのです。

 

関連記事:ブチ切れる献帝、曹操暗殺を指示

 

献穆曹皇后(曹節)は兄・曹丕に抵抗した

 

政略結婚であった筈ですが、曹皇后は誇り高い女性であり、

後漢の皇后の立場を優先して、献帝から皇帝の位を取り上げようとする

兄、曹丕に抵抗しました。

 

曹皇后は、兄である曹丕が、何度も使者を立て玉璽を取り上げようと

した時にも、しっかりと玉璽を握りしめて使者を詰り、

玉璽を渡そうとはしないで頑張りました。

 

ですが、ここは魏の領域のド真ん中、献帝の家臣とて、

もう曹丕に逆らう意気地は微塵もありません。

 

そのようなやり取りが数度続いた結果、曹皇后は疲れ果ててしまいました。

「私がこのまま意地を張り続けたら、兄は、私にも帝にも容赦はしますまい」

 

曹皇后は、そう言って使者に玉璽を投げつけて渡し、

「ああ、私達は天に祝福されていないのか・・」と嘆き悲しみました。

 

この時、その場にいた家臣達は、余りの恥ずかしさに顔を上げる事も

出来なかったと記録されています。

 

後漢時代が遂に終わる

曹丕皇帝

 

献帝は皇帝の位を追われて、山陽公に格下げになりました。

西暦220年、これを持って、後漢の200年以上の歴史に終止符が

打たれる事になりました。

 

曹丕はここに初代皇帝に即位し、魏の文帝になります。

 

関連記事:三国志怪奇談「曹丕、受禅台の怪」

 

曹丕は本当に献帝を暗殺したの?

photo credit: Yogic via photopin (license)

photo credit: Yogic via photopin (license)

 

三国志演義では、献帝はこの後、新しい任地に赴く途中で、

曹丕の放った刺客に殺された事になっていますが、

これは、後に皇帝を名乗る劉備へ繋げる為の伏線であり、

実際は、その後も生き続け、西暦234年に死去しました。

 

曹皇后は、献帝の死後も生き、西暦260年、曹氏の天下が

司馬氏に奪われるのを見つつ、亡くなりました。

 

関連記事:張飛に怒鳴られて落馬して死んだ武将、曹丕の粋な計らい等、三国志を彩る変わった武将たち

次回記事:110話:関羽の悲報に復讐に燃える劉備

 

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歴史ライターとして、仕事をし紙の本を出して大当たりし印税で食べるのが夢です。

もちろん、食べるのはサーモンです。

 

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