伍子胥(ごししょ)は長い年月をかけて自らの悲願である楚への復讐を果たします。彼は復讐から解放され呉の重臣としての道を歩もうと決意を新たにします。しかし彼の決意もむなしく、彼の人生は大きく狂い始め、劇的な最後を迎える事になります。
前回記事:伍子胥(ごししょ)とはどんな人?復讐の鬼となり、楚を滅亡寸前まで追い詰めた呉の名将【誓い編】
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この記事の目次
親友申包胥の反撃
呉は楚を滅ぼし、得意の絶頂にいました。そんな中、楚の家臣で伍子胥の親友である申包胥は、楚を復興するため同盟国である秦へ向かいます。彼は秦王に会うと、楚へ援軍を出してくれるよう依頼。しかし秦王は彼の言葉を無視します。申包胥は援軍依頼を断れると秦王の宮殿前で7日間もぶっ通しで泣き続けます。秦王は彼のオーバーリアクションに根負けし、ついに楚へ救援軍派遣を決意します。申包胥は秦軍と共に呉軍に攻撃を仕掛けます。呉軍は秦の攻撃を受け、ろくに戦う事もせず退却します。呉軍がすぐに退却したのには訳がありました。
呉王闔閭の弟が反乱を起こす
呉王闔閭は楚軍の攻撃を受けると伍子胥と共に出陣します。この時呉軍の首都で闔閭の弟が反乱を起こします。そのため闔閭は楚の軍勢を迎撃する事を諦め、呉へ退却。伍子胥は殿を務め、楚軍の猛攻を防ぎ、ついに呉へ帰還します。先に帰還していた呉王闔閭は反乱の鎮定に成功。呉は楚と反乱軍による挟撃で危機的な状況に陥りますが、反乱軍の鎮定に成功した事で、危機的な状況から脱します。
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呉の重臣として仕える
呉王闔閭は楚を破った事で中華の南部で覇者となります。北方の超大国である晋や斉などの国にも圧力をかけられる程の軍事力と名声を手に入れ、飛ぶ鳥を落とす勢いでありました。呉王闔閭の重臣である伍子胥も復讐を達成した事で、本格的に呉の国益の身を考えて、仕える決意を固めます。君臣一体になって呉の覇権を恒久的な物にしようとします。まず呉王闔閭は大軍を率いて呉の南にある国越へ攻め込みますしかし闔閭と伍子胥の二人に思わぬ事態が発生します。
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越軍に大敗北する
呉王闔閭は迎撃に出てきた越軍の少なさを見て総攻撃の命令を下します。しかし呉軍は攻撃を仕掛けませんでした。呉王は前線からの報告を聞くと愕然とします。前線からの報告によると「越の兵士が大声をあげて自ら自刃しています。わが軍の兵はこの光景を見て、越軍に恐れを抱き攻撃ができません」と伝えてきます。伍子胥もこの越軍の行動になすすべがありませんでした。呉軍が攻撃を躊躇している隙をついて、越軍が攻撃を開始。呉軍は隙を突かれて総崩れに陥り、敗北します。呉王闔閭はこの退却時に、指先に毒矢を受けます。
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呉越の復讐合戦の幕開け
闔閭は呉へ帰ると退却時に受けた毒矢の傷が元で、亡くなってしまいます。闔閭は後継者を決めておりませんでした。しかしこのような事態になった事で自らの死期を悟り太子を決めなければならない状態になりました。闔閭は伍子胥に「次の王は誰が良いか」と尋ねます。すると伍子胥は「太子夫差を呉王に指名しなされ」と進言。闔閭は夫差を後継者に選ぶことに難色を示しますが、伍子胥の度重なる説得により息子の夫差を次世代の王に指名。そして彼に「わが父は勾践に殺された事を忘れるな」と遺言を新王である夫差に残します。こうして呉越の復讐合戦が幕を開けます。
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臥薪嘗胆の日々
呉王夫差は越王勾践に復讐を誓います。伍子胥も彼を補佐し、内政を整え、遠征に必要な兵糧を蓄え、経済を整備し、遠征に耐えられるにします。また軍事面は伍子胥の親友孫武が担い、兵士の訓練を行い、越の地形や情勢を調査。呉王夫差は自ら薪の上に寝て、父の復讐と越軍に敗れた事を忘れないようにします。このような日々を過ごす事2年。ついに呉王夫差は越へ攻め込みます。
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越王勾践を追い詰める
呉王夫差は伍子胥と孫武を引き連れ、大軍をもって越へ攻め込みます。越王勾践は天才軍師范蠡(はんれい)を伴い呉軍迎撃に出陣します。呉軍は迎撃に出てきた越軍を完膚なきまで打ち破ります。越王勾践は会稽山へ逃げ込みます。勾践は大夫種(だいふしょう)を夫差の元へ遣わし、降伏を願い入れます。呉王夫差は彼の降伏を受け入れようとします。
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