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洛陽を捨てて長安に遷都した董卓がさらに西へと逃げ延びていたら?呂布と挑む三国志の未来

2024年12月8日


 

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君主論 董卓

 

三国志序盤の悪役と言えば、なんといっても董卓(とうたく)でしょう!

 

董卓

 

 

後漢王朝の混乱に乗じて洛陽(らくよう)の都で権勢を振るい、悪政と暴虐の限りを尽くした後、反董卓連合軍の攻撃を受けて窮地に陥ると、なんとその洛陽を焼き払い、長安(ちょうあん)に逃げ延びてしまいました。

 

炎上する城b(モブ)

 

彼のこの所業ゆえに、当時の中国の大都市、洛陽は焼土と化し、大勢の人々が犠牲となったとか。ところが驚くべきことに、この「洛陽から長安への緊急脱出作戦」は、ムチャクチャに見えて、結果的にはアタリだったのです。

 

袁紹と袁術は仲が悪い

 

長安に逃げ込まれたことで時間稼ぎを食らった反董卓連合軍は、間もなく、諸将どうしの仲違いで勝手に崩壊。おかげで、この後しばらく、董卓は長安で権力を維持することに成功しました。もっとも、長安で権勢を振るっているうちにクーデターが発生し、けっきょく董卓は無惨な形で生涯を閉じるわけですが。

 

 

監修者

ishihara masamitsu(石原 昌光)kawauso編集長

kawauso 編集長(石原 昌光)

「はじめての三国志」にライターとして参画後、歴史に関する深い知識を活かし活動する編集者・ライター。現在は、日本史から世界史まで幅広いジャンルの記事を1万本以上手がける編集長に。故郷沖縄の歴史に関する勉強会を開催するなどして地域を盛り上げる活動にも精力的に取り組んでいる。FM局FMコザやFMうるまにてラジオパーソナリティを務める他、紙媒体やwebメディアでの掲載多数。大手ゲーム事業の企画立案・監修やセミナーの講師を務めるなど活躍中。

コンテンツ制作責任者

おとぼけ

おとぼけ(田畑 雄貴)

PC関連プロダクトデザイン企業のEC運営を担当。並行してインテリア・雑貨のECを立ち上げ後、2014年2月「GMOインターネット株式会社」を通じて事業売却。その後、「はじめての三国志」を創設。現在はコンテンツ制作責任者として「わかるたのしさ」を実感して頂けることを大切にコンテンツ制作を行っている。キーワード設計からコンテンツ編集までを取り仕切るディレクションを担当。


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イフ展開:もし董卓が長安すらもまたあっさり捨ててどんどん西へと逃げ延びていたら?

スキッパーキ(はてな)

 

しかし、ここで、どうでしょう?

 

董卓

 

洛陽という重要都市をあっさり捨てて逃げることで起死回生した董卓。

 

袁紹と献帝と董卓

 

もし彼が、このパターンに味を占め、長安で不穏な気配が漂ってきた時にもまた、危険を感じ取り、さっさと長安を脱出して本拠地を更に西へ移動していたら?のみならず、その後も、ピンチになったら、すぐに拠点を捨てて、どんどん西へ脱出する癖がついていたら?

 

呂布と董卓の最凶コンビ

 

今回は、そんなイフ展開を考えてみました。すなわち、董卓が王允(おういん)呂布(りょふ)のクーデターによって長安で殺害されることなく、むしろその前に、先手を打って、重臣を連れて長安からもさらに逃げ延びてしまう選択をしていたら?

 

董卓

 

いったん中国の中央から姿を消すとはいえ、董卓が史実よりもしぶとく、何年も何十年も、辺境で生き続けるシナリオです。しかも・・・呂布を引き連れたまま!

 

呂布

 

 

この展開で董卓が落ちる先は後の「諸葛亮の北伐」の逆ルートになる?

炎上する城a(モブ)

 

それにしても、洛陽に続いて長安まであっさりと捨てた董卓。玉璽(ぎょくじ)も、献帝(けんてい)さえも放り投げての西方逃避行。その行き先はどこになるのやら。

 

祁山、街亭

 

考えられるのは、長安よりも更に西にある要衝、漢中でしょうか。

 

赤兎馬にまたがる呂布

 

史実では張魯(ちょうろ)がここに独自の勢力を築き始めていた筈ですが、なんとなんと、長安から脱出してきた董卓軍の先鋒、呂布の前に張魯軍は一夜で壊滅。漢中は董卓の拠点となってしまうでしょう。ところが、それでも話は終わりません。

曹操の元で仕える辛ピ(辛毗)

 

董卓がいなくなった中国の中央では、曹操(そうそう)が台頭し、董卓が放り出した献帝を奉じて勢力を拡大し、順調に袁紹(えんしょう)を破って中原に覇を唱えます。漢中にいた董卓も、たちまち、巨大化する曹操軍の脅威に耐えられなくなるでしょう。そこで董卓は、曹操に追いつかれる前に、更に西へと逃げる決断をするでしょう。

 

はてなマークな劉備と袁術

 

どこへ?

 

そうです。長安から西へ行き、漢中を取ったとなれば、そこからさらに西南に、中原の群雄割拠から距離をとって雌伏できる素晴らしい土地がありますよね?

 

蜀の皇帝に即位した劉備

 

史実では、後に劉備が制圧して蜀を建国するはずの土地、益州(えきしゅう)です!

 

諸葛亮孔明の天下三分の計に感化される劉備

 

史実では、益州に蜀を建国した劉備の後を継いだ諸葛亮が、益州から出発して、漢中を中継地点として、長安を攻撃しようとしました。それが、いわゆる「諸葛亮(しょかつりょう)北伐(ほくばつ)」です。このイフ世界では、なんと、董卓は、その諸葛亮の北伐の逆ルートを通って、益州に入ってしまうことでしょう。

 

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赤壁の戦いで漁夫の利を得るのは董卓になる?!

董卓

 

長安を捨てて、漢中を経て、五丈原(ごじょうげん)を南に下って、董卓軍は益州に潜入します。

 

赤壁の戦い

 

ちょうど、中原で袁紹(えんしょう)を破った曹操軍が荊州に向かって南下し、孫権(そんけん)との間で赤壁(せきへき)の戦いが勃発する頃。西方では、董卓軍が、曹操や孫権や劉備とはまったく関係ないところで、自分自身の生き残りを賭けた死闘を開始します。

 

劉璋(りゅうしょう)

 

相手は、劉璋(りゅうしょう)

 

蜀の厳顔

 

劉璋軍にも、張任(ちょうじん)厳顔(げんがん)など、名の知れた将軍は複数おりますが、董卓軍にとっては何も問題がありません。だって呂布(りょふ)がいますから。こうして、いつしか成都(せいと)を奪取し、劉璋を刑死に追いやった董卓。

 

董卓

 

益州を拠点に、気付けば、守りに固い独立勢力として屹立しています。

 

暴君・董卓

 

ちょうど赤壁の戦いが終わった頃に、曹操や孫権が気づいてみれば、「あれは董卓じゃねえか!なにやってんだテメエ!?」と叫びたくなる筈です。とうの昔に、長安から消えたはずの男が、益州に大勢力を保って引っ込んでいるのですから。

 

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まとめ:老いた董卓と中年呂布は劉備軍の猛攻に耐えられるか!

三国志を楽しく語るライターYASHIRO様

 

これは面白いイフ展開になりました。

 

北方謙三 ハードボイルドな董卓

 

なんとなんと、これでは、魏呉蜀の三国鼎立が成立したとき、魏は曹操、呉は孫権が君主ですが、蜀を建国するのは董卓になってしまっています。曹操と孫権と董卓が三国を鼎立する「三国志」の始まり?

 

牛輔と董卓

 

ですが、ここで董卓軍には、実に頭の痛い問題が起こります。

 

黄巾の乱時に劉備を配下に加えて戦っていた鄒靖

 

もともと益州に入る気まんまんだった、劉備玄徳が、荊州を拠点として、自らの命運をかけて、鬼の勢いで益州に突入してくるからです。

 

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三国志ライターYASHIROの独り言

三国志ライター YASHIRO

 

はたして、この頃にはずいぶん老いているはずの董卓と、さすがに中年となり体力も落ち始めている呂布の二人組は、諸葛亮と龐統(ほうとう)を抱え、関羽(かんう)張飛(ちょうひ)趙雲(ちょううん)を繰り出してくる劉備とガチンコでやりあって、勝ち目はあるのでしょうか?

 

 

赤兎馬と呂布

 

史実と比較して、せっかく寿命が長く伸びたはずの董卓と呂布が、鬼の勢いの劉備軍を前に、どこまで益州で持ちこたえられるのかは見ものですが、少なくとも、呂布のファンにとっては、呂布ほとんど一人が、張魯軍を倒し、呂布ほとんど一人が、

 

呂布のラストウォー 呂布

 

劉璋軍を片付け、呂布ほとんど一人が、劉備軍と死闘を演じるというこのイフ展開、史実の呂布の末路よりも、はるかに、華はあると思いますが、いかがでしょうか?

 

貂蝉を奪い合う董卓と呂布

 

ただし・・・董卓と呂布が、もしこの益州に、うっかり貂蝉(ちょうせん)も連れてきてしまっていたら、よりによってこの最大の見せ場、劉備軍との戦いの時に、貂蝉の毒が発動し董卓軍内部混乱、という恐怖のイベントも起こり得ますが・・・。

 

貂蝉と呂布

 

董卓も呂布も、長安から落ちる時には、貂蝉は手放しておきましょう。いや、この二人の執着心の強さを考えると、無理か?

 

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YASHIRO

とにかく小説を読むのが好き。吉川英治の三国志と、司馬遼太郎の戦国・幕末明治ものと、シュテファン・ツヴァイクの作品を読み耽っているうちに、青春を終えておりました。史実とフィクションのバランスが取れた歴史小説が一番の好みです。 好きな歴史人物: タレーラン(ナポレオンの外務大臣) 何か一言: 中国史だけでなく、広く世界史一般が好きなので、大きな世界史の流れの中での三国時代の魅力をわかりやすく、伝えていきたいと思います

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