裏切り者の代名詞と言えば、日本では、戦国大名、松永久秀、
キリスト圏ではイスカリオテのユダ、そして中国では呂布奉先でしょう。
しかし、第三者の目から見れば、裏切り者である呂布(りょふ)ですが、
呂布当人に裏切り者の自覚はあったのでしょうか?
「そんなの無かったら人間としてオカシイ」そうかも知れませんが、
現代の常識が、古代の常識とは限りません。
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呂布の生まれた土地と価値観
実は、呂布が生まれた土地は、漢民族と遊牧民族の辺境と考えられています。
そして、呂布自身も、モンゴル系、或いはトルコ系と漢族の混血とも考えられているのです。
本宮ひろ志の三国志漫画、「天地を喰らう」の呂布は、
金髪、碧眼の青年ですが、あそこまでいかないにしても、
呂布には、漢民族には無い身体的な特徴があったのかも知れません。
そして、遊牧民には、漢民族とは異なるルールが存在しました。
それは、「強いものが全てを手に入れる」というルールです。
統一期間を除いては、部族同士の小競り合いが延々と続く
遊牧民の世界では、一人の勝者が全てを独占する事が許されます。
そこには、裏切りも汚いもありません、どんな手を使おうが、
敵を倒してしまった者が強者なのです。
そして、そうする事が、知力と武力を兼ね備えた強力な首領を出現させ、
部族は長らく安定して暮らせるという事にも繋がりました。
義理がどうの、恩義がどうのという倫理観は、漢民族のもので
遊牧民にとっては預かりしらないものでした。
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当時の漢帝国と遊牧民の関係性
漢帝国も、辺境には武力に長けた武将を派遣して遊牧民を
討伐させたり懐柔させたりしていますし、
強い将軍が出てきた時には、彼等も従順に従っています。
しかし、一度、漢の軍勢が弱くなるや、遊牧民はそれまでの和平は偽りかのように
軍事侵攻してきて、略奪と破懐の限りを尽くすのです。
「なんて汚い事をするのだ」なんて怒っても仕方がありません。
遊牧民から見れば、弱くなったから逆襲したのだというだけなのです。
「文句があるなら、手を抜かず強い将軍を配置すればいいではないか?」
遊牧民の感覚ではそういう事になるのです。
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呂布も遊牧民の感覚で三国志の歴史で登場
呂布も、この遊牧民の感覚と同じであって、劉備を頼って来た時も
袁術と戦い危機に陥った劉備の隙を突いて領地を奪っています。
漢民族の立場では、「こういう場合こそ呂布に守って欲しい」という
ピンチが呂布には「独立のチャ―ンス」に見えているのです。
だからこそ何度、敗れて捕縛されても悪びれる事もなく、
「俺を味方にすれば、天下が取れるぜ大将」という台詞が吐ける。
そういう事になっているのでしょう。
三国志ライターkawausoの独り言
「才能がありながら、つまらん義理から馬鹿な君主から離れられず
あたら才能を無駄に費やしているアホらしい連中」に過ぎなかったかも、、
そう書いてしまうと、関羽や孔明ファンから顰蹙モノかも知れませんが(笑)
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この記事を書いた人:kawauso
自己紹介:
三度の飯の次位に歴史が大好き
10歳の頃に横山光輝「三国志」を読んで衝撃を受け
まずは中国歴史オタクになる。
以来、日本史、世界史、中東、欧州など
世界中の歴史に興味を持ち、
時代の幅も紀元前から20世紀までと広い。
最近は故郷沖縄の歴史に中毒中、、