天文を見ていた孔明(こうめい)は、巨星が墜ちた事から
関羽(かんう)の死を知ります。
しかし、劉備(りゅうび)の事を考えるとその事実を告げられずにいました。
それから、暫くし、荊州の前線からの早馬が成都城に突入します。
「申し上げます、関羽将軍、荊州麦城にて、呉の呂蒙(りょもう)の
手に掛かり、討ち死に、討ち死になさいましたぁっ!」
劉備は伝令の報告を聞くや、その詳細を聴く間もなく、
衝撃の余りに、気を失って倒れてしまいます。
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関羽の死に血の涙を流す劉備
やがて意識を取り戻した、劉備は、一目も憚らず、
血の涙を流して号泣します。
「おおおおお、、、関羽よ、我が弟よ、、桃園にて死ぬ時は共にと
誓った事をお前は忘れたのか、、おおおおおおおおおおおおお!!!」
ひとしきり号泣した劉備の顔には、激しい悲しみに代わり
恐ろしい殺気がみなぎっていました。
「孫権(そんけん)め、よくも我が義弟、関羽の首を刎ねおったな、、
決して許さぬ、今すぐにでも滅ぼしてくれる!!!」
劉備は、ただちに軍を興そうとしますが、それを孔明が必死になだめます。
「お待ち下され、今、呉と争うのは得策ではありませぬ!」
「得策、下策の問題ではない!関羽はワシの肉体の一部じゃ、
それを剥ぎ取られて、生きていられようか!止めるな孔明!」
「あなたは、もう、以前の浪人ではないのです!関将軍を失った
悲しみは私も同様です、しかし、蜀の人民の為に堪えて下さいませ!」
孔明が必死になだめるので、劉備も、一旦は呉を攻めるという事を
撤回せざるをえませんでした。
それから、間もなく、劉備の下に後漢の献帝が、
曹丕(そうひ)によって帝位を奪われ、しかも、
殺害されてしまったという悲しい情報が届きます。
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劉備を皇帝の位に昇るよう要請する孔明たち
ここに至って、孔明は、全ての群臣を纏めて、劉備に対して、
漢中王の位から皇帝の位に昇るように要請しました。
劉備は、これには怒りの色をなして拒否しました。
「お前達は、私を曹丕同様の不忠の人にしたいのか!
漢が滅ぼされてしまったというのに、その機に乗じて
皇帝の位に就けなどと、よくも言えたものだ!!」
しかし、ここで、孔明がさらに劉備を説得します。
「我が君、それは違います、既に漢室が滅んだ今、
畏れ多くも、漢室の血を引くあなたが皇位に就かずして
一体、誰が漢室を復興できましょう。
そして、献帝を殺した曹丕を不忠の人として討伐しなければ
我が君が今日まで掲げてきた漢室の復興は、
それこそ無意味なものとなりますぞ」
それでも、劉備は、中々首を縦に振りませんでしたが、
家臣全体からの帝位に昇るべしという請願が繰り返されるに至り
渋々、皇帝として即位する事を了承しました。
時に西暦221年、劉備は蜀の初代皇帝になりました。
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魏・呉・蜀の三国時代に突入する
劉備が皇帝に即位した事で、呉の孫権も、帝位に就く事になり、
ここに、魏・呉・蜀の三国時代が開始される事になります。
劉備は、飽くまでも漢の後継者である事を強調したので、
蜀は、蜀漢と呼ばれる事もあります。
こうして、皇帝に即位した劉備ですが、孔明達、重臣の願いとは裏腹に
劉備自体は、呉に対する敵対姿勢を強めてゆきます。
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歴史ライターとして、仕事をし紙の本を出して大当たりし印税で食べるのが夢です。
もちろん、食べるのはサーモンです。
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