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106話:関羽 傲慢すぎて魏と呉の秘密同盟のきっかけに

2015年7月12日


劉備玄徳が眩しい理由 三国志

西暦219年、劉備(りゅうび)は魏王を名乗った

曹操(そうそう)に対抗して漢中王に即位します。

 

ですが、実の所、劉備は、漢中王即位には反対でした。

 

前回記事:105話:曹操軍20万vs蜀の歴代最強メンバー【漢中争奪戦】

 

監修者

ishihara masamitsu(石原 昌光)kawauso編集長

kawauso 編集長(石原 昌光)

「はじめての三国志」にライターとして参画後、歴史に関する深い知識を活かし活動する編集者・ライター。現在は、日本史から世界史まで幅広いジャンルの記事を1万本以上手がける編集長に。故郷沖縄の歴史に関する勉強会を開催するなどして地域を盛り上げる活動にも精力的に取り組んでいる。FM局FMコザやFMうるまにてラジオパーソナリティを務める他、紙媒体やwebメディアでの掲載多数。大手ゲーム事業の企画立案・監修やセミナーの講師を務めるなど活躍中。

コンテンツ制作責任者

おとぼけ

おとぼけ(田畑 雄貴)

PC関連プロダクトデザイン企業のEC運営を担当。並行してインテリア・雑貨のECを立ち上げ後、2014年2月「GMOインターネット株式会社」を通じて事業売却。その後、「はじめての三国志」を創設。現在はコンテンツ制作責任者として「わかるたのしさ」を実感して頂けることを大切にコンテンツ制作を行っている。キーワード設計からコンテンツ編集までを取り仕切るディレクションを担当。


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劉備が漢中王即位に反対の理由って?

 

劉備:「まだ、漢室の復興も出来ていないのに、自分の名誉欲から漢中王とは

世間に対して恥ずかしい、王の面目などがあろうか、、」

 

劉備としては、存命中の献帝を立てて、漢室を復活させてから、

許されるならば、王位に就くべしと考えていたのです。

 

しかし、孔明(こうめい)はそんな劉備を自分勝手だと叱ります。

 

孔明:「よくお考え下され、蜀には、数万の役人がおります、

その人々は、我が君が王位に就かれればこそ、その下で出世をし、

候や相や将になろうと必死で働くのです。

 

州牧という地方長官の地位では人間の欲を繋ぎとめるには不十分です。

もう、以前の放浪していた食客の地位ではありません。

自分の立場というものを弁えて下さい、、」

 

そう厳しく、再三に渡り言われた劉備は、仕方なく

王に即位する事を了承します。

 

劉備は勝手に漢中王に即位したわけではない

 

ちなみに劉備の漢中王は決して自称ではありません。

 

王に即位してから、存命中の献帝(けんてい)に弁明めいた上奏文を書き、

劉備:「こんな状況なので漢中王に即位してもよかですか?」

と事後承諾を求めているのです。

 

それに対する献帝の返答は、劉備に大司馬(国防大臣)の地位と、

印授を送るというものでした。

 

王ではありませんが、名誉職であっても三公の上の階級である

大司馬を与える所に献帝の劉備への好意が見てとれます。

 

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劉備の漢中王即位に激怒した曹操

裏切りは許さぬ 曹操

ですが、それで憤慨した人物がいました、誰あろう、曹操です。

 

自分が入念に根回しをして、反対者を排除してまで即位した王に、

劉備があっさり成ってしまった事に曹操は不快感を隠しきれません。

 

曹操:「ろくろく余に勝った事もない、戦下手のあの莚売りめが、

余と同じ王を名乗るだとぉ、断じて許せん、討伐してやる!!」

 

曹操は激怒し、再び漢中侵攻の命令を出そうとしますが、

それを司馬懿(しばい)が押しとどめました。

 

司馬懿:「お腹立ちはごもっともですが、

ここで漢中を攻めるのは得策ではありません。

 

ここは、孫権を使い、劉備と仲違いさせましょう、

確か、孫権は荊州の地を欲しがっていますが、

それには関羽が邪魔な筈、ですから魏と呉で共同して

荊州を奪おうと持ちかけるのです。

 

そうすれば、劉備は兵を荊州に出しましょうから、

その隙を就いて漢中を奪えばよろしいかと、、」

 

司馬懿の声は乾燥して乾いていますが、

人を惹きつける不思議に説得力のある声をしています。

 

曹操は、司馬懿の提案に膝を打って喜びました。

 

曹操:「うむ、名案じゃ、、早速、呉に使いを立てよ!」

 

孫権(そんけん)は、魏から持ちかけられた魏呉同盟に乗り気になりました。

 

孫権は魏との同盟に乗り気

 

新しく総司令官になった呂蒙(りょもう)も、荊州奪還には

それが早道と大賛成しています。

 

孫権:「しかし、魏と軽々しく同盟を結んで劉備と断交するのも、

不安が残る、少し様子を見よう、、」

 

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孫権は関羽の娘と縁談を持ちかける

関羽 激怒

 

そこで孫権は、荊州の関羽(かんう)に使いを出し、自分の息子と、

関羽の娘の縁談を打診します。

 

これに関羽が乗るようであれば、リスクがある魏との同盟は、

暫く棚上げにしようという考えでした。

 

ところが関羽は、孫権から申し入れされた縁談を簡単に蹴り上げてしまいます。

しかも、その縁談キャンセルの理由が、、

 

関羽:「虎の子を犬の子に遣れるわけがあるまい!」というヒドイものでした。

 

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関羽の自尊心が自分の首をしめる

 

これには、流石に関羽の傲慢さを感じてしまいます。

もう少し、他に言い様は無かったのかと首をひねらざるを得ないのです。

 

元々、関羽は弱い者には優しく、強い者には反抗的な性格ですが、

年齢を経て、その性格が欠点として強く現れていました。

 

孔明は、再三、荊州の関羽に対して、

「曹操とは戦うが孫権とは戦わないように」と釘を刺していましたが、

その助言でさえ、関羽は無視した形になります。

 

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知らせを聞いた孫権は激怒、曹操と秘密同盟を結ぶ

 

知らせを聞いた孫権は当然、激怒しました。

 

孫権:「我が子が犬の子なら、親のわしも犬という事か、、!!

関羽め、思い上がりおって、目にモノ見せてくれる!!」

 

孫権は、曹操と秘密同盟を結び、荊州の関羽を殺す作戦を

立てる事になります。

 

次回記事:107話:関羽の死|桃園三兄弟の悲しい別れ

 

 

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台湾より南、フィリピンよりは北の南の島出身、「はじめての三国志」の創業メンバーで古すぎる株。もう、葉っぱがボロボロなので抜く事は困難。本当は三国志より幕末が好きというのは公然のヒミツ。三国志は正史から入ったので、実は演義を書く方がずっと神経を使う天邪鬼。

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