三国志のもう一人の主人公である孫家。
孫家が台頭したのは孫堅(そんけん)のおかげです。
だが彼は荊州の劉表(りゅうひょう)戦で無残にも命を落としてしまいます。
その後孫家はバラバラになり、孫堅の息子・孫策(そんさく)と孫権(そんけん)は
袁術(えんじゅつ)の元に身を寄せます。
袁術は孫家の兄弟に「手柄を立てたら孫堅殿の兵を返してやる」と口約束をし、
二人を揚州の戦に駆り出します。
孫策は揚州の戦いで、手柄をバシバシ立てていきます。
しかし袁術は彼に兵を返そうとしませんでした。
孫権の機転で孫家の兵が返ってくる
彼はめげずに袁術に命じられるまま、揚州各地の太守を討伐していきます。
そんな戦に明け暮れていたある日の事孫策は、
いつも通り戦を終えて袁術に「兵を返していただきたい」と懇願。
袁術はいつも通り、彼の願いを却下します。
孫策は激怒し、袁術に悪態をつきます。
袁術も彼の態度に腹を立て、二人の間には険悪なムードが流れます。
この時孫権がペットの虎とともに出現し、黙って豪華な袋を渡します。
袁術は孫権から袋を奪い取ると中を確認します。
この豪華な袋の中には孫堅の形見であった玉璽が入っておりました。
袁術は不気味な笑いと共に孫策に「お前の願いを聞き届けてやろう。
孫家の兵を1千返そう。」と願いを聞き届けます。
孫策は「そんなバカな。父の兵がたったの1千であるわけないではないか。」と
怒りの表情をあらわにします。
この時、孫権が孫策の横で「韓当(かんとう)、程普(ていふ)、黄蓋(こうがい)と遊べる」と
笑いながら言います。
孫策はこの言葉を聞き、袁術から兵を返還してもらい、江南で苦戦している叔父の助けに
向かいます。
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孫策の快進撃
孫策は袁術から兵を返還してもらうとすぐに江南に向けて進軍を開始。
彼は丹陽(たんよう)にいる叔父の呉景(ごけい)を救出した後、
江南に勢力を張る劉繇(りゅうよう)の拠点を次々と陥落させていきます。
孫策の快進撃の噂を聞いた彼の親友である周瑜(しゅうゆ)は、
自前で集めてきた兵を率いて孫策軍と合流。
周瑜の他にも孫策の強さと孫家の名声を聞きつけた人達が次々と孫家に合流し、
孫策軍は瞬く間に大軍となっていきます。
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勇将太史慈の進言
太史慈(たいしじ)は孫策の兵力が膨れ上がり各地の劉繇の城を陥落させ、
勢力を拡大していることに危機感を募らせます。
彼は劉繇に「私に兵一万ほどを与えてくだされば、孫策を蹴散らしてきましょう。」
と進言。
しかし劉繇は太史慈の進言を受け入れず、彼に孫策軍の偵察任務を与えます。
孫家の台頭
孫策は盟友である周瑜や一騎当千の宿老達の活躍により、劉繇の拠点をすべて陥落させ、
残るは彼の本拠地である曲阿(きょくあ)のみです。
劉繇は短期間で自らの勢力のほとんどを討伐した孫策が怖くなり城から逃亡。
残った兵士達を太史慈が率いて籠城の準備を始めます。
しかし劉繇は逃亡中に孫権に見つかってしまい、籠城する兵の前で逃げ惑う始末。
太史慈は城内の兵士らの士気が低下した事を知ると、
単騎で城を出て孫策に一騎打ちを申し込みます。
孫策は太史慈の一騎打ちを快諾し、太史慈と一騎打ちを行います。
この一騎打ちを機に太史慈は孫策に仕えることになり、
孫家は曲阿陥落後、江南に散らばる各勢力を討伐し、
群雄として名乗りを上げることになります。
正史との相違点は
孫策の江東平定戦は、劉繇が孫権に追われているシーンは脚色ですが、
大体の時系列は蒼天航路の通りです。
さて孫策が江東平定を果たしている間、曹操はどうしていたのでしょうか。
呂布を奔命させる夏侯惇
孫策が江南を平定し群雄の仲間入りを果たした頃、
曹操は夏侯惇(かこうとん)に兵を与え、呂布軍を翻弄するように命じます。
彼は呂布軍に少し攻撃を加え、呂布が自分達を追いかけてくるとすぐに逃亡。
このようなことを何回も繰り返し、呂布軍を疲れさせると共に、
呂布軍の兵糧を削っていきます。
夏侯惇が呂布軍を翻弄させている中、
曹操は荀彧(じゅんいく)に兵糧がどれくらいあり、
呂布討伐にどの程度の軍勢を出せるか調べるように命じます。
彼は数日後、荀彧や程昱(ていいく)、郭嘉(かくか)などの軍師を集めます。
荀彧は曹操に命じられた兵糧の件を報告します。
彼が調べた結果によると呂布討伐に出せる兵は、
たったの500人しか出せないとの事です。
曹操は荀彧の報告にうなずいた後、程昱に「歩兵が有利な土地を選んで報告せよ」と
命じ、郭嘉には「お前が500人で呂布にかつ方策見つける軍師として参陣せよ。」と
命令。曹操は適材適所に人を配置し、着々と呂布との決戦に備えていきます。
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