大人気春秋戦国時代漫画 キングダム、現在は鄴を落す為に朱海平原で王翦(おうせん)と李牧(りぼく)が直接対決をしている状態なのですが、それはさておき、やがて秦が滅ぼす事になる六国の強さのランキングって、一体、どーなっているのでしょうか?はじめての三国志では、気になる六国のランキングを独断と偏見で紹介します。
この記事の目次
キングダム527話 強さランキング6位 最弱!韓
キングダム六国で最弱は韓です、王は韓王安(あん)と言います。史実でも、紀元前230年ファルファル騰(とう)によって真っ先に滅びています。秦と国境を接していて、最も圧迫を受けているのですが、11巻の秦趙攻防戦で蒙驁が韓を攻めた隙に、趙が秦の領内に攻め込むなどのサブの役割でしかなく本格的に登場したのは、25巻の合従軍編からです。
メジャーな将軍は、悪魔の毒霧将軍の成恢(せいかい)ですが、御承知の通り、合従軍戦で、秦軍の守将、張唐(ちょうとう)に毒を浴びせ、死を覚悟して攻め込んできた張唐に逃げようとする所を斬り殺されました。
他にも奈棍(なこん)や馬関(ばかん)という将軍がいましたが、奈棍は張唐に斬られ、二千人将の馬関は、本編とは関係なく、徐国を滅ぼす途中に飛信隊に遭遇して信に斬られました。
今のところ、張印(ちょういん)という将軍が成恢を引き継いで総大将代理ですが、敗戦後の合従軍の会議でも存在感が薄く、オルドや媧燐(かりん)に無視される始末・・この人材の少なさは、最弱という扱いを端的に現しています。
韓非(かんぴ)という秦王政に影響を与えた王族がいますが、彼の逸話以外はこれというインパクトもないまま、滅びるだけでしょう。よって、最弱認定をさせていただきますが、ここは軍師の宝庫で、劉邦の軍師、張良(ちょうりょう)や、三国志、曹操(そうそう)の軍師、郭嘉(かくか)、荀彧(じゅんいく)はここから出ています。
キングダム527話 強さランキング 5位 斉
斉は秦に滅ぼされるのは、一番最後ですが、なにしろ佞臣の后勝(こうしょう)が秦に通じていて邪魔になりそうな抗戦派をあらかた排除したので、斉王建(けん)は、紀元前221年、王賁(おうほん)、蒙恬(もうてん)、李信(りしん)がやってくるとあっさり降伏しています。出てきているキャラも、斉王建と后勝の二人のみ、歴史上も残りの五カ国が滅びるのを傍観しているだけなので、さらにキャラクターが増えるとは思えません。漫画の脚色として、秘密裏に斉王建と秦王政が会見して中立条約を締結しますが、実際に、これまでの漫画でも秦と戦うシーンは皆無です。
斉は祖父の湣王の時代までは、秦と張り合える強国でしたが、強さに奢り、他国を軽んじたので、燕の楽毅(がっき)の率いる五カ国合従軍に敗れました。その後、名将、田単(でんたん)の活躍で、領地だけは回復しましたが、昔日の勢いは最期まで戻りませんでした。面白い事に、一度秦に滅ぼされてからは、各地で斉の王族が割拠して、楚漢戦争に大きな影響を与えていきます。最弱を韓と競ったのですが、何しろ、誰も出て来ないのでいかんともしがたく領土の広さやこれまでの名将の輩出を考えて、出てはこないが、そこそこ使える武将は居る筈という独断で5位判定を出しました。
キングダム527話 強さランキング4位 燕
燕は、紀元前222年に遼東に逃れた燕王喜が王賁に捕えられて滅亡します。キングダムで秦と絡みがあるのは、合従軍編のみです。それも、その筈で、秦とは趙が間に入っていて直接国境を接していません。めぼしい将軍としては、THE見かけ倒し劇辛(げきしん)将軍や、お山の大将オルド、ボケ担当の山岳民武将、ユキイがいます。
劇辛は、元々は、趙の武将だったものが、金目当てで燕に来て以後60年のキャリアで楽毅と最晩年を共に戦い、その戦術の真髄を受けついているとか、蔡沢(さいたく)にも化け物の一人と称されたり、趙に残れば三大天の一人だったと散々に持ちあげられましたが、趙を攻めている途中で武神龐煖(ほうけん)に瞬殺され、キングダム史上、最高の咬ませ犬の称号を得ています。もう一人は、平地で産まれて異民族の中で育ったオルド将軍です。山読みという独特の技術を使い、山岳戦を得意としますが、合従軍編では、王翦に騙されて、函谷関突入のチャンスを失いました。その事で媧燐に責められますが、どこ吹く風で細かい事は気にしないタイプです。最近も、秦の鄴攻めに呼応するように北から趙の領地を侵しますが、司馬尚の強さに驚愕し、兵を引き上げています。
今後、加わりそうなキャラクター
また、レジェンド将軍として、楽毅や郭隗(かくかい)も出てきますがすでに故人なので回想シーンのみです。さらに、史実において、始皇帝、暗殺を企てた黒幕の燕の公子丹(たん)や、雇われた暗殺者、荊軻(けいか)、秦からの亡命将軍樊於期(はんおき)或いは桓騎(かんき)が、いずれ加わると思われます。これらを考えると、もう一波乱起こすポテンシャルはあるので、ランキングでは4位認定を出しました。
キングダム527話 強さランキング3位 魏
魏は、紀元前225年に魏王仮(か)の時代に都の大梁を秦の将軍王賁に水攻めされて3カ月の籠城後に滅亡します。現在のキングダムに出てくる魏王は、その前の景湣(けいびん)王ですが、中々名君のようで廉頗に面前で「見た目でしか人を量れぬ」罵倒されても激怒する事なく追放で留めるなど温和な性格をしています。
キングダムでも、5巻の主人公、信の初陣は魏との戦いでしたし、17巻からの山陽攻略戦でも、魏の客将となった廉頗と戦い、合従軍編・著雍戦と秦と衝突する事が多いので、魏火龍七師を始め、呉鳳明(ごほうめい)、廉頗(れんぱ)輪虎(りんこ)など、見るべき武将が多いですが玉石混交で、見かけ倒しの雑魚も多いです。
一番手の呉鳳明は、魏火龍七師の一人呉慶(ごけい)の息子で魏の第一将軍。あと手先が器用で「巨大井闌車」や「床弩」を作成して函谷関を脅かしますが、どちらも桓騎(かんき)に焼かれて終了しました。
著雍戦では、幽閉された魏火龍七師の3名を釈放するように、王に掛けあい実現させるが戦いには敗れ、側近を影武者に使って逃げおおせようとします。しかし、飛信隊に追いつかれ、師匠筋の魏火龍七師、霊鳳(れいおう)を自分と誤認させて信に殺させ何とか生き延びる事に成功します。呉鳳明、みかけはイケメンですが、相当に腹黒いです。
切り札魏火龍七師も残念な結果に
魏には元々、魏火龍七師という秦の六大将軍に相当する猛者がいましたが、その中の一人、槍の紫伯(しはく)が最愛の妹を魏火龍七師の太呂慈(たいろじ)に殺されて激怒、太呂慈サイドについた、魏火龍七師の3名を殺し、無関係の呉慶以外の霊鳳、凱孟(がいもう)、紫伯は地下牢に幽閉されました。14年後の著雍戦で出てくるも、霊鳳は呉鳳明の身替りアタックで斬殺、紫伯も王賁に殺され、これで魏火龍七師の生き残りは、脳筋将軍の凱孟だけです。よくも悪くも、著雍戦以降は、呉鳳明に全ての権力が集まっているので、彼がどれだけ強くなっているか?で強敵具合が変わるでしょう。しかし、そこそこ人数もいますし、ランキングは3位で良いでしょう。
キングダム527話 強さランキング2位 趙
現在の所、キングダム最大、最強の敵である李牧がいる趙は、長平の戦いで秦の白起(はくき)に趙兵40万が生き埋めにされるなど、六国の中で秦への恨みは人一倍で、恨みだけに生きた万極などの暗い将軍もいました。
史実での趙は紀元前228年に、計略で李牧を排除した王翦により滅ぼされています。漫画では、もっとも秦に絡みがあり、単行本11巻の秦趙攻防戦から、秦趙同盟、さらに合従軍戦、黒羊の攻防戦、そして鄴攻防戦と登場キャラクターも多く名将揃い特に李牧は、キングダムのレジェンド、王騎(おうき)の死に関わり、合従軍編では、後、一歩で咸陽という所まで秦を追いつめるなどラスボスぶりを発揮しています。
特に、李牧がスカウトした、狂戦士、龐煖の破壊力は強力で、一人で戦局を覆しかねないものですが、最近は出てきていません。ただし、弱点もあり、オフ王、悼襄(とうじょう)王のバカさ加減と、それに拍車をかけて佞臣、郭開(かくかい)が好き勝手に振る舞い、李牧のやり方をことごとく邪魔していて李牧は全ての能力を秦との戦いに振り向ける事が出来ません。
雁門の武将を率いて、朱海平原で戦いの最中
秦軍の鄴攻めを受けて、李牧は列尾の城壁を脆くして守るのが不利にし王翦の退却を誘いますが、逆に王翦は、鄴までの九城の住民を追いたてて、鄴に受け入れさせ、間接的に兵糧攻めにする作戦で優位に立っています。李牧は、雁門(がんもん)という国境地帯での匈奴との戦いで鍛えあげた馬南慈(ばなんじ)や舜水樹(しゅんすいじゅ)、旧三大天藺相如の部将、趙峩龍(ちょう・がりゅう)、黒羊で秦軍相手に善戦した離眼の紀彗(きすい)や馬呈(ばてい)等を総動員して、王翦、桓騎(かんき)、楊端和(ようたんわ)、飛信隊と鄴を巡り激戦の最中です。
第二世代としては、傅低やカイネがいますが、余り多くなく、明らかになった新三大天候補の司馬尚(しば・しょう)は、おっさんです。強いのは、強いのでしょうが、楚を超えて最期までラスボスの地位にあるとはどうしても思えません。やはり、李牧の死の紀元前228年を境に、秦の最大のライバルは、楚に移行しそうなので、今回は第2位にランキングしました。
キングダム527話 強さランキング1位 最強!楚
楚は、一国で残りの六国を合せた程の領土がある広大な強国で、唯一古くから王号を名乗って周王朝とは別国であるという気概を見せていました。楚の荘王のような名君に率いられると、中原を飲みこむ大勢力になりますが、古来より貴族の力が強く、凡君が出ると、内戦ばかりになります。現在の王は、幽王で年少ですが、媧燐と、幽王の生母の兄、李園(りえん)がWで宰相を務めています。本当は、楚の最高指導者は、上柱国という役職ですがキングダムでは不採用です。歴史では、紀元前223年に、王翦と蒙武(もうぶ)によって滅ぼされます。
個性豊かでハチャメチャなキャラクター揃い
キングダムでの絡みは、合従軍編と、毐国建国の陽動作戦でやってきた、楚の項翼(こうよく)や白麗(はくれい)と飛信隊が小競り合いをやった程度でしたが、合従軍編での存在感は圧倒的で、象は繰り出してくるわ、汗明(かんめい)や臨武君(りんぶくん)、媧燐はデカイは変な髪型だわ、強烈なキャラだわで読者に忘れられない印象を残しました。媧燐はサドっ気満載な姉御肌のデカイ将軍ですが、戦の天才と評され今後も台風の目になりそうです、ハッ!
しかし、合従軍編で楚軍を率いた総大将、汗明は蒙武に負けて殺され、臨武君も騰(とう)の前に圧倒的実力差で、葬られてしまい、軍を率いていた春申君も後の政変で李園に敗れ惨殺されるなどして、大きく勢力図が変わり、今は、媧燐と李園、それに二人を引き合わせた客将の廉頗の三頭体制です。
未だ全貌が分からない項燕大将軍と新しい世代
後に、李信と蒙恬の二十万の大軍を撃破して、函谷関まで攻め上る楚の虎、項燕(こうえん)は、いまだ出てきていませんが、第二世代である項翼や、白麗など、今後の成長が望まれる若い将軍がいる事から、李牧の死後には彼等が成長した、信や王賁、蒙恬と激しく戦う事になりそうです。また、決定事項としては、現在は秦にいる昌平君が、楚に戻って楚王に即位し項燕とタッグで秦と戦う史実があるので、六国の中で最大の激戦になるのは、間違いなく、六国最強のランキングとしました。
関連記事:原泰久スゲー!虚構の秦・斉秘密同盟に隠された意図とは?
関連記事:【見逃した方向け】情熱大陸に出演した原先生の苦痛の漫画人生