田舎道を愛馬的盧(てきろ)でトボトボと歩いています。
「ああ、この荊州にも私の安住の土地はないのか、、
これから、どうすればいいものか、、」
20年以上も戦場に身を置いて、知名度ばかりは高くなり、
どこに行っても、その土地の権力者には疎まれて警戒され命を狙われる。
前回記事:55話:劉表のお家騒動に巻き込まれて殺されかける劉備
この記事の目次
とある人物に出会う
三国志の主人公劉備は、今、どん底の中で喘いでいたのです。
そんな時、劉備は、牛に乗って笛を吹く童子に出会います。
童子は、劉備を見るなり、
「ああ、あなた様は、黄巾賊討伐の英雄、劉備様ではありませんか?」
と声を掛けてきます。
「確かに、私が劉備だが、どうして私を知っているのだね?」
劉備は、こんな草深い田舎でしかも童子が、自分を知っている事に
驚き、思わず尋ねてしまいます。
「劉備様の事は、いつも水鏡(すいきょう)先生が
お客様方と話題にしていますよ、、漢王朝の復興を願い、
弱き民を思いやる立派な方だと、、」
「水鏡先生とは、一体、どなたですか?」
劉備が童子に尋ねると、童子は
「水鏡先生は、号を水鏡、本名を司馬徽(しばき)、
字を徳操(とくそう)と言う、偉い学者ですよ」と答えました
童子は、水鏡の身の回りの世話をする小間使いだったのです。
「すまないが、その水鏡先生に会わせてもらえないだろうか?」
劉備は、目前に突然、光明が差したように思い、童子に頼みます。
劉備は水鏡先生に会いに行く
童子は、心良く承諾して、劉備を水鏡の庵に案内します。
劉備は、水鏡に会うと、襄陽(じょうよう)の城で
蔡瑁の刺客に追われて命からがら逃げて来た事を包み隠さず話しました。
もう、40歳を過ぎた大の大人が、自分の恥を臆する事なく語る
これこそ、人を信じて全てを任せる劉備の器でした。
水鏡は、劉備のかなり恥ずかしい身の上話を淡々と聞いてから、
このようなアドバイスをします。
「失礼ながら、将軍には、人材が不足しておられるように思います」
劉備は、「えっ?」と違和感を隠しませんでした。
「お言葉ではありますが、私には、武官には、関羽(かんう)、
文官には、縻竺(びじく)、孫乾(そんかん)、簡擁(かんよう)がいます。
決して人材が不足しているという事はないと思いますが、、」
劉備は、水鏡に、そのように反論しました。
すると水鏡は、鋭い目で劉備の人材の致命的欠陥を指摘したのです。
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歴史ライターとして、仕事をし紙の本を出して大当たりし印税で食べるのが夢です。
もちろん、食べるのはサーモンです。