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伍子胥(ごししょ)とはどんな人?復讐の鬼となり、楚を滅亡寸前まで追い詰めた呉の名将【誓い編】

2016年1月31日


 

 

古代中国の春秋時代には様々な国が勃興しては滅び、戦国時代になると七つの国に分かれる事になります。

今回は春秋時代、楚王によって家族が全員殺され、

復讐の鬼となった呉の名将・伍子胥(ごししょ)を数回に分けて紹介していきます。

 

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監修者

ishihara masamitsu(石原 昌光)kawauso編集長

kawauso 編集長(石原 昌光)

「はじめての三国志」にライターとして参画後、歴史に関する深い知識を活かし活動する編集者・ライター。現在は、日本史から世界史まで幅広いジャンルの記事を1万本以上手がける編集長に。故郷沖縄の歴史に関する勉強会を開催するなどして地域を盛り上げる活動にも精力的に取り組んでいる。FM局FMコザやFMうるまにてラジオパーソナリティを務める他、紙媒体やwebメディアでの掲載多数。大手ゲーム事業の企画立案・監修やセミナーの講師を務めるなど活躍中。

コンテンツ制作責任者

おとぼけ

おとぼけ(田畑 雄貴)

PC関連プロダクトデザイン企業のEC運営を担当。並行してインテリア・雑貨のECを立ち上げ後、2014年2月「GMOインターネット株式会社」を通じて事業売却。その後、「はじめての三国志」を創設。現在はコンテンツ制作責任者として「わかるたのしさ」を実感して頂けることを大切にコンテンツ制作を行っている。キーワード設計からコンテンツ編集までを取り仕切るディレクションを担当。


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楚の名家に生まれる

 

伍子胥は楚の国の名家の出身です。

父は楚の太子である建の教育長を務めている伍奢(ごしゃ)。

また兄は情の厚い人物として国内で評判の高い伍尚(ごしょう)です。

さらにこの家は春秋時代の楚の名臣として名高い伍挙(ごきょ)を輩出

しており、楚王からの信頼も厚く国内で重んじられておりました。

そんな家に生まれた伍子胥は何不自由なく暮らしておりました。

 

 

 

悪心費無忌の策略その1:息子の嫁を奪い取るように進言

 

伍奢を上司に持つ費無忌は名門伍氏を嫌っており、いつかは蹴落としてやろうと画策します。

まず初めに、楚の平王に媚びて彼の信用を得ます。

こうして王の信頼を得た費無忌は、徐々に権力の座に近づきます。

そんなある日太子建の妻に秦の王女を迎える話が舞い込んできます。

平王は喜び、縁組の使者として費無忌を秦へ送ります。

費無忌は秦の王女を見てすぐに楚へ帰り、

平王に「秦の王女は超絶に可愛く、美人ですぞ。王自らこの王女を嫁に娶り、

太子には別の女性をあてがえばよいでしょう。」と報告。

平王は費無忌の言葉に頷き、秦の王女を自らの妻として迎えます。

費無忌はこの一件で平王から全幅の信頼を得て、彼の側近として仕え、傲慢になっていきます。

 

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費無忌の謀略その2:自らの地位を盤石にするため、太子建を首都から追い出す

 

費無忌は今の地位を盤石な物にするため、次世代の王である太子建の追放を計画。

まずは平王に彼の悪口を言いまくります。

費無忌の悪口作戦は功を奏し、平王はだんだん太子建を疎(うと)んじます。

そして彼を首都から遠く離れ、他国との国境に近い城父(じょうほ)へ

異動させることに成功させます。

 

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費無忌の謀略その3:楚国から太子を追い出す

 

太子建は城父へ行くと国境を守るため軍を強化。

費無忌は彼が軍を強化したと聞くと平王に「太子は列国と手を組んで、

反乱を起こそうと企んでおりますぞ。」と進言します。

平王は信頼する費無忌からの助言を受け入れ、太子の教育係の長であった伍奢を呼びます。

平王は伍奢が来ると「お前の教育がダメなせいで、

太子が反乱を企てようとしているでは無いか。どうなっているんだ。」と彼を攻め立てます。

彼は「太子が反乱を起こすわけありません。軍事力を強化したのは、

国境の守りを万全にするためです。王よ。近くにいる悪逆の臣の言うことを聞いてはなりませんぞ」と王に反論。

悪逆の臣と言われた費無忌は怒り、平王に「王よ。早く決断しないと

伍奢が太子建に力を貸して反乱を起こしてしまいますぞ」と進言。

平王は費無忌の進言を聞きき、教育係の長であった伍奢を逮捕。

さらに費無忌は太子のいる城父へ自殺を促す使者を送ります。

この使者は太子建の不幸を哀れに思い、事前にその内容を伝えます。

その結果太子建は間一髪で城父を脱出し、隣国の宋へ亡命します。

 

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兄に復讐を誓う

 

費無忌は伍氏の一族を滅亡させるため平王に「伍奢の息子である伍尚と伍子胥を

捕えましょう。彼らを野放しにしては、いずれ我が国に害が及びましょう。」と進言します。

平王は彼の進言に頷き、すぐさま伍奢の家に使者と兵を向かわせます。

平王の使者は二人に「父を助けたいなら、縄につけ。」と命じます。

二人は「分かりました。準備をしますゆえ時間をいただきたい。」と伝えます。

使者は頷き「分かった。数時間だけ待ってやるから支度を終わらせろ」と

強い口調で言い、その場を去っていきます。

伍尚は「我は捕えられている父を見捨てる事は出来ない。そのため使者

と共に行き、父と共に死のう。だがお前は逃げて、復讐を果たせ。」と告げます。

伍子胥は泣きながら「兄上。必ず復讐を果たします。天上からわれの事を

見守っていてくだされ」と伍尚に告げ、逃走します。

数時間後再び使者がやってきて、伍尚を捕縛。

伍子胥が居ない事に気付きすぐに追手を差し向けます。

しかし伍子胥は楚の国を出て、平王の太子建の亡命先である宋国へ入国を果たします。

 

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父と兄が自害

 

その後父伍奢と兄伍尚は平王の命により、自害します。

伍奢は死の間際「この国は、息子によって滅亡寸前まで追い詰められる事になるだろう。」

と予言を残し、亡くなります。

費無忌は伍奢と伍尚を亡き者にするも、引き続き伍子胥を捕縛するため各地へ追手を差し向けます。

こうして楚の名門伍氏は事実上滅亡します。

 

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三国志ライター黒田廉の独り言

黒田廉

 

前半が費無忌の事ばかりで、伍子胥があまり登場しませんでした。

すいません。

でもこの費無忌の話をすっ飛ばしてしまうと伍子胥がなぜ復讐を誓ったのかが

分からなくなってしまうと思い、書かせて頂きました。

次回以降から伍子胥の復讐への旅が始まりますので、楽しみにお待ちください。

今回のお話はこれでおしまいにゃ。次回もまたはじめての三国志でお会いしましょう

それじゃまたにゃ~

 

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