張郃を呂蒙と取り替えたら関羽の呪いは?「三国志とりかへばや」

2022年5月12日


 

はじめての三国志コメント機能バナー115-11_bnr1枠なし手柄を立てる張コウ(張郃)

 

三国志(さんごくし)武将をトレードしてみようという妄想力全開企画!とりかへばや物語、今回は(ちょう)コウに注目して見ましょう。張コウと言えば嘗て袁紹(えんしょう)の配下であったものの、止むも止まれず曹操(そうそう)の元に下り、そこから大活躍を果たした武将の一人。一説には魏の五将軍とも言われ、劉備(りゅうび)も恐れた名将です。

 

張コウ(張郃)を極端に恐れる劉備

 

そんな張コウのとりかえばや、主観たっぷりでお届けしたいと思いますのでどうぞよろしく!

 

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監修者

ishihara masamitsu(石原 昌光)kawauso編集長

kawauso 編集長(石原 昌光)

「はじめての三国志」にライターとして参画後、歴史に関する深い知識を活かし活動する編集者・ライター。現在は、日本史から世界史まで幅広いジャンルの記事を1万本以上手がける編集長に。故郷沖縄の歴史に関する勉強会を開催するなどして地域を盛り上げる活動にも精力的に取り組んでいる。FM局FMコザやFMうるまにてラジオパーソナリティを務める他、紙媒体やwebメディアでの掲載多数。大手ゲーム事業の企画立案・監修やセミナーの講師を務めるなど活躍中。

コンテンツ制作責任者

おとぼけ

おとぼけ(田畑 雄貴)

PC関連プロダクトデザイン企業のEC運営を担当。並行してインテリア・雑貨のECを立ち上げ後、2014年2月「GMOインターネット株式会社」を通じて事業売却。その後、「はじめての三国志」を創設。戦略設計から実行までの知見を得るためにBtoBプラットフォーム会社、SEOコンサルティング会社にてWEBディレクターとして従事。現在はコンテンツ制作責任者として「わかるたのしさ」を実感して頂けることを大切にコンテンツ制作を行っている。キーワード設計からコンテンツ編集までを取り仕切るディレクションを担当。


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三国志演義に載らない活躍も多い張郃

袁紹を裏切る張コウ(張郃)

 

張郃は袁紹の配下から曹操の配下になったのは前述した通りですが、ここにちょっと筆者の考えを加筆。三国志演義(さんごくしえんぎ)では基本的に劉備を主人公、その後は諸葛亮(しょかつりょう)主人公目線で進むため、序盤の後漢末期の戦いが非常に簡略化されている部分があります。

 

張コウ 張郃

 

このため袁紹と曹操の戦い、つまり官渡(かんと)の戦いや、公孫(こうそん)サンと袁紹の戦いなどが殆ど描写されておらず、ここでもかなりの活躍をしている張コウは見せ場を削られた形になっています。このため三国志演義の張コウしか知らない人にはちょっと布教がしにくい存在なんですよね、張コウは。

 

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一億二千万人の三国志

 

 

 



魏でも大活躍し魏書に記載される

張コウ(張郃)が曹操軍配下に加わり喜ぶ曹操

 

とは言え、じゃあ曹操の元にやってきてからパッとしないか、というと、そんなことは全くないのが張コウ。曹操の元でもしっかりと働き、時に軍を任せられ、時に誰かの副将として見事に縁の下として働いているその姿は、魏にとって、曹操にとっても欠かせないものだったことでしょう。

 

魏の夏侯淵

 

個人的には夏侯淵(かこうえん)の補佐として付けられているの、曹操の慧眼冴え渡ってんな……と感服する所です。袁紹の配下であったとしても間違いなく魏書に記されるべき存在、それが張コウです。

 

張遼の猛攻に泣きながら逃げる孫権

 

張遼(ちょうりょう)呂布(りょふ)董卓(とうたく)に仕えていた?あんな桁外れと一緒には誰も並べてはいけませんよ。

 

三国志とりかへばや物語

 

 

三国志演義では司馬懿の咬ませ犬に

趙雲に討たれる張コウ(張郃)

 

再び三国志演義の張コウの話をしてしまい恐縮ですが、実は三国志演義の張コウ、最期が違います。

 

三国志演義の張コウは撤退した諸葛亮に対して司馬懿(しばい)に「追撃しようぜ!今ならやれるぜ!(意訳)」と言って追撃となっていますが、正史では(魏略(ぎりゃく)によると)

 

「敵を囲む際には一方を開けよとあるように、今追撃してはなりません(ちょっと意訳)」と進言して司馬懿に却下されたとなっています。この後、追撃して討ち死してしまうのは同様です。

 

司馬懿、張コウ

 

これは正史を見ると司馬懿の失策となってしまうので、諸葛亮のライバルがここで失策をするのはできない……ということでこのような改編が行われたのではないでしょうか。

 

なので三国志演義の張コウはこのイメージもあり、猪武者(いのししむしゃ)のように描かれてしまうのは悲しい所です。ぜひ皆さんも張コウの印象上昇キャンペーンをしましょう。

 

おっと、本題のとりかえばやに移りましょうか!

 

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case1:趙雲と取り替えたら関羽の機嫌取りに苦労する

男気溢れる趙雲

 

まず上げたいのは趙雲(ちょううん)です。趙雲もまた正史においては記述が少なく、実は目立たない存在ながら、蜀を支える良い武将であったことはしっかりと記された人物。

 

劉備を徹底サポートする趙雲

 

彼らをとりかえばやしたとしても、趙雲は趙雲で魏で良く働き、張コウも張コウで蜀で良く働くのではないでしょうか。お互いにお互いの軍の良い要になってくれる存在だと思います。個人的には関羽(かんう)の補佐とかに回されて苦労している張コウ、見てみたいですね。

 

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case2:呂蒙と取り替えたら関羽の呪い死にを回避

呂蒙が賢くなり驚く魯粛

 

呉からは呂蒙(りょもう)を上げたいと思います。呂蒙と言えば関羽との戦いが取り上げられる存在ですが、ここで思い出してもらいたいのが楽進(がくしん)。劉備が恐れた魏将と言えば「関羽を撃退した楽進、自分が戦った張コウ」です。そして関羽を討ち取った呂蒙と張コウがとりかへばやとなると……劉備が最も恐れた存在に張コウは堂々ランクインでしょう!

 

そばを食べる曹操、夏侯惇、荀彧、曹丕、郭嘉、典韋

 

呂蒙は初期こそ勉強嫌いですが、孫権(そんけん)のように諭してくれる存在は魏にもたくさんいるので、ここでもしっかりと働いてくれると思います。関羽の呪いを受けないだけ魏の方がいいのかな……?

 

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両親の持っていた横山光輝の「三国志」から三国志に興味を持ち、 そこから正史を読み漁ってその前後の年代も読むようになっていく。 中国歴史だけでなく日本史、世界史も好き。 神話も好きでインド神話とメソポタミア神話から古代シュメール人の生活にも興味が出てきた。 好きな歴史人物: 張遼、龐統、司馬徽、立花道雪、その他にもたくさん 何か一言: 歴史は食事、神話はおやつ、文字は飲み物

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