そうだったのか!武器の特徴を知ると三国志の時代の戦い方が分かる!

2016年2月4日


 

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朝まで三国志 公孫瓚

 

三国志は、中国を舞台に英雄たちが覇を競った物語です。その熱い戦いを支えていたのが、刀剣などの武器です。今回は、三国志の時代に使われていた武器についてその特徴を紹介します。

監修者

ishihara masamitsu(石原 昌光)kawauso編集長

kawauso 編集長(石原 昌光)

「はじめての三国志」にライターとして参画後、歴史に関する深い知識を活かし活動する編集者・ライター。現在は、日本史から世界史まで幅広いジャンルの記事を1万本以上手がける編集長に。故郷沖縄の歴史に関する勉強会を開催するなどして地域を盛り上げる活動にも精力的に取り組んでいる。FM局FMコザやFMうるまにてラジオパーソナリティを務める他、紙媒体やwebメディアでの掲載多数。大手ゲーム事業の企画立案・監修やセミナーの講師を務めるなど活躍中。

コンテンツ制作責任者

おとぼけ

おとぼけ(田畑 雄貴)

PC関連プロダクトデザイン企業のEC運営を担当。並行してインテリア・雑貨のECを立ち上げ後、2014年2月「GMOインターネット株式会社」を通じて事業売却。その後、「はじめての三国志」を創設。戦略設計から実行までの知見を得るためにBtoBプラットフォーム会社、SEOコンサルティング会社にてWEBディレクターとして従事。現在はコンテンツ制作責任者として「わかるたのしさ」を実感して頂けることを大切にコンテンツ制作を行っている。キーワード設計からコンテンツ編集までを取り仕切るディレクションを担当。


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三国志の時代の戦い方

張飛VS馬超

 

三国志の時代の戦い方は、弓や弩などの遠距離タイプの武器もありましたが、戦いの主流は、近~中距離タイプの武器による接近戦がほとんどでした。そのためこの時代の多くは、刀剣や槍などが使用されています。

 

また、戦場では馬に乗って戦うことも多く、ある程度片手で扱える必要がありました。さらに、長距離の移動や戦場での機動性から携帯性も大事な要素でした。多くの武将は中距離タイプの武器である矛、槍、大刀、戟などをよく使っていました。

 

 

刀剣

近藤勇と関羽

 

刀剣は、世界共通でどの時代でも使用される最もポピュラーな武器です。敵味方入り乱れる状況でその能力を発揮し、近距離攻撃の優秀性、携帯性の高さから、三国志でも武将、兵士に関わらず基本装備として使用されています。

 

 

刀剣といえば斬撃と思われていますが、質量を活かした鈍器としての使用が大半です。これは日本刀やロングソードなどにみられます。また、刺突にも優れていて、脇差やレイピアなどは鎧の隙間を狙って致命傷を与える武器もありますが、三国志ではあまりみられません。

 

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矛(ほこ)

張飛 参上

 

矛は、槍や大刀の前身となった武器で、長い柄の先に刃物を付けた形状をしています。長柄のため、中距離攻撃に優れていて、槍の刺突と大刀の斬撃を併せ持った武器です。矛と槍に明確な区別をつけて使用しているのは、中国と日本だけです。

 

 

張飛 文武両道

 

本来の矛は、騎馬戦車兵の武器として使用されていましたが、刺突と斬撃を使い分けることができたので、歩兵や騎兵にも使用されました。三国志では、張飛(ちょうひ)が使用していた蛇矛がこれに該当します。

 

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趙雲 子龍

 

槍は人類最古の武器であり、本来は狩猟に使用されていました。長い柄の先に、先の尖った刃物をつけ、刺突を中心に斬撃や打撃で攻撃をします。世界中で最もよく使用された武器で、兵士の基本装備でもあります。中距離攻撃に秀でていて、致命傷になりやすい刺突をしやすいため、歩兵、騎兵問わず使用されています。

 

 

趙雲

 

 

しかし、接近戦や狭所では使用できないため、刀剣との併用が欠かせませんでした。三国志では、趙雲(ちょううん)の持つ涯角槍(がいかくそう)がこれに該当します。

 

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大刀(だいとう)

関帝廟 関羽

 

大刀は、長い柄に大きな刀をつけた形状をしています。大きな刀の重量はかなりのもので、その重みを利用して叩き切ることができます。振り回して使用するため、日本では薙刀に分類されます。

 

中距離攻撃に向いているので、騎乗した状態で特に威力を発揮します。これは、馬上との高低差で、攻撃力に重力が加わるためです。三国志では、関羽の青龍偃月刀として登場します。

 

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戟(げき)

呂布 VS 曹操

 

戟は、矛と戈(か)を組み合わせた刃物を長い柄につけた形状をしています。矛は突きに使用し、戈は鎌のような形状をしているので引っ掛けて切ることが出来ます。特に、戈の部分を利用して落馬や馬を転倒させることもできました。

 

矛と戈を使い分けることで臨機応変な攻撃をすることができましたが、決定力に欠けていたため、刺突や斬撃に特化した槍や大刀にその地位を奪われました。三国志では、兵士の基本装備として使用され、呂布(りょふ)も方天画戟を使っていました。

 

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氐族

 

斧は元々、薪木を切るのに使用されている日常道具です。そのため、誰もが使い慣れているので訓練を積まなくても使用することが出来ます。刃が大きく厚いので、刀剣より打撃力が高く、耐久性があり、コストが安く済みます。

 

斧の重量は重く、先端に重心があるので取り回しは大変ですが、遠心力を利用した打撃攻撃は、非常に重い一撃になります。長い柄を付けるとその威力がさらに上がります。三国志では、徐晃(じょこう)が大斧(だいふ)を使用しています。

 

 

石川克世

 

一般的には、映画「インディジョーンズ」が使っている物を鞭と呼んでいます。しかし、戦闘用に使用する鞭は、木や鉄でできた棒状の物を言います。イメージとしては、警官が使用する警棒を長くしたものです。

 

近距離用として使用しますが、殺傷力は低いので痛めつけるのが主体になります。鞭打ちの刑に使用され、戦闘でも致命傷にはなりませんが継続して苦痛を与えます。三国志では、黄蓋が鉄でできた鉄鞭を使用します。また、江戸時代に使用された十手も鉄鞭の一種に分類されます。

 

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三国志ライター黒太子の独り言

三国志 武器

 

三国志に限らずどの時代の歴史でも、英雄は断トツの人気を誇ります。その英雄の活躍には、武器の存在は欠かすことのできません。武器の特徴を知ることは、その武将の戦い方を知ることにも繋がります。

 

槍を使用していた趙雲は刺突を活かした直線的な攻撃になり、大刀を使用した関羽は斬撃を活かし、放物線を描く攻撃が中心になります。特に武器を片手で扱う必要のある馬上では、この戦い方は顕著に現われます。

 

また、武器は武将の特徴を反映していて、力技中心のパワータイプの武器か技術を駆使したテクニカルタイプの武器かで、性格や体格なども見ることが出来ます。武器を知ることが、その武将をより深く知るための手掛かりに繋がっていきます。

 

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黒太子

自己紹介: こんにちは、黒太子です。歴史については、日本から世界まで幅広く興味を持っています。 HNの黒太子は、ジャンヌダルクが活躍した百年戦争のエドワード黒太子からです。三国志は、歴史に興味を持つキッカケになった作品です。 噛めば噛むほど味が出るところ、知れば知るほど新しいことに出会うところに、特に魅力を感じています。

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