三国志は1800年の昔の中国の物語です。
当然、国も違いますし、時代も違い、習慣も違います。
今の日本では普通でも、三国時代では、無茶苦茶失礼という事も普通にあるのです。
いつ、タイムスリップして、憧れの三国志武将にあっても大丈夫なように
(そんなのkawausoだけだ!)知っているようで知らない三国志世界のマナーを一緒に勉強しましょう。
この記事の目次
クエスチョン1 間違うと首が飛びかねない常識
さて、黒田(猫)さんのやり方をパクり、いきなりクイズといきます。
あなたの目の前を劉備(りゅうび)さんが、ヒマそうに、のこのこ歩いてきました、
さて、あなたは、どう呼んだらいいですか?
a:失礼の無いように劉備さんと呼ぶ!
b:親しみを込めて玄徳(げんとく)さんと呼ぶ!
正解は、bの玄徳さんです。
aの呼び方は、最悪、首が飛びかねない失礼なやりかた
実は、一見丁寧に見える、aの呼び方は、三国志の世界では最悪のタブーです。
私達は、つい日本の名前の感覚で、劉備玄徳=木村拓哉という感じでとらえますが
これが大間違いで、劉備の「備」は名と呼ばれますが、同時に諱(いみな)と
呼ばれ、余程親しい人間以外は呼んではいけない決まりなのです。
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諱って一体、なんなの?
諱とは、その人が産まれた時につけられる本当の名で、生涯変わらないものです。
この諱には、他人に知られると行動をコントロールされてしまうという、
呪術的な意味合いがあり、周辺を歩いている悪霊や、禍者、他人には決して、
知られてはいけないものでした。
その為に、当時の人々は、本当の名前以外に、子供の頃は幼名というのを持っていて、
小さい頃には、この幼名で読んで、諱を呼ぶのを回避していました。
ですので、これを敢えて呼ぶのは喧嘩を売っているという事になります。
玄徳さんも劉備なんて言われた日には、
「ワレェ、何、人の諱、呼んどんのじゃあ、ゴルァ!!」と激怒する事必死です。
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諱は、中国ばかりではなく、日本にもあった
幼名と言えば、日本でも鎌倉や戦国時代の人物名にありますよね?
源義経には、牛若丸、伊達政宗には、梵天丸、徳川家康は竹千代という、
幼名がありましたが、彼等にも諱はあったようです。
その諱とは、家康とか、政宗という名前の部分なのです。
彼等も生前は、特別に親しい人でない限りは、名前を呼ばれる事はありませんでした。
逆に、彼等のライバルは、諱を呼び捨てにして、憎悪や嫌悪を表しました。
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三国志の武将が上司だった場合には?
では、もし、三国志の武将が友達ではなく、自分の上司だったり
上役だったりした場合には、どうなるのでしょう?
この場合には、当人の姓+肩書きという事になります。
例えば、玄徳さんの場合、以前の徐州牧だった頃を考えると、
劉徐州牧様!というのが、失礼のない呼び方という事になります。
曹操の場合には、曹丞相!という事になりますね。
三国志武将に手紙を書く宛名は?
では、三国志武将に手紙を書く場合には、一体どうなるのでしょうか?
この場合には、玄徳さんの場合、徐州牧劉備様、或いは殿というのが正しいようです。
あれ?諱はいいの?と思うかも知れませんが、諱は発音するのがまずいだけで
文字に書く場合には失礼ではないのです。
ちょっと、ややこしいですが、手紙のマナーですので覚えましょう。
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三国志ライターkawausoの独り言
何だか難しそうですが、ポイントは諱を呼ばない事、
そして、呼ばないといけない時は、字で呼び敬称を付ける事、
上役や、目上だった時には、姓+役職名+敬称、と覚えておけば
問題はないかと思います。
得に、上下関係になく親しいなら、名前だけで大丈夫です。
ちなみにはじさんでは、分かりやすさと、大人の事情により、
あえて、三国志の武将達は諱も込みで呼んでいます。
あくまで分かりやすさの為なので、ご容赦を・・
本日も三国志の話題をご馳走様でした。
—古代中国の暮らしぶりがよくわかる—
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どうも、kawausoでーす、好きな食べ物はサーモンです。
歴史ライターとして、仕事をし紙の本を出して大当たりし印税で食べるのが夢です。
もちろん、食べるのはサーモンです。