魏への進攻ルートを巡り不協和音を起しながらも、諸葛亮孔明は、
大きくルートを迂回して、天水で後継者姜維(きょうい)を得る事に成功します。
しかし、一方で荊州、新城の孟達(もうたつ)を寝返らせて洛陽を衝く作戦は
失敗した上に、それを察知した司馬懿(しばい)に孟達を討たれてしまいます。
前回記事:122話:孟達の心変わり!孔明の失敗と司馬懿の復活
この記事の目次
司馬懿の復活に孔明は街亭防衛を馬謖に命じる
司馬懿が再び、曹叡(そうえい)に呼び出された事は孔明にとっては痛いニュースでした。
戦略眼に長けた司馬懿が、天水と成都と長安を結ぶ要である街亭(がいてい)を、
奪いに来る事は容易に予想できたからです。
そこで、孔明は愛弟子である馬謖(ばしょく)を呼び出し、
街亭に布陣させて、司馬懿の攻撃に備える事に決めます。
孔明は、しつこく、馬謖に山上に布陣しないように念を押す
孔明は、直弟子でも、戦勝を挙げた事がない馬謖には、
街亭の守備はよい経験であり、手柄になるだろうと考えました。
その一方で、万一の手抜かりもないように、街亭の地図を広げ、
補給路としての戦略的な重要性を教え、何が何でも失ってはいけない事、
それに、水源は麓にあるので、山上に陣を敷かない事を命じました。
馬謖は承知しましたが、心配症な孔明は、実戦に秀でた
ベテラン王平(おうへい)を副官につけて、
さらに魏延を援軍に送ろうとしていました。
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街亭の地形を見て油断した馬謖 山頂に布陣してしまう
馬謖の軍勢1万は、魏の張郃の軍勢より先に、街亭に到着します。
しかし、ここで馬謖は、孔明の言いつけを破り、山頂に布陣しようとします。
王平「何をなされているのです!山頂に布陣をしてはいけません」
馬謖「敵より高い場所を得て、視界を確保するのは兵法の常道だ」
王平「それは、水が山頂にもある場合に限ります。
麓にしか水源がない以上は山頂に陣を敷くのは絶対に危険です」
馬謖「はっ、、こんな田舎に魏軍が来るものか、、
丞相は神経質すぎるのだ、構わん、兵を山頂に上げよ」
王平(これはいかん、すぐに丞相に知らせねば・・)
王平は馬謖を説得しつつ、孔明に急を知らせる伝令を立てました。
張郃(ちょうこう)、馬謖の失態を見逃さず、街亭を包囲する
街亭に急行していたのは、歴戦の名将、魏の五虎将軍、張郃でした。
馬謖の陣を一目見て、張郃は狂喜します。
張郃「しめた、馬謖のバカは戦を知らん、すぐに騎兵を急行させて、
街亭を包囲して水源を断て!!」
馬謖も張郃が来たのを見て、慌てて山を降りようとしますが、
間に合いません、見る間に包囲されて水を断たれました。
その日から、馬謖軍は、飢えと渇きに苦しむ事になります。
水が無いので、煮炊きも出来ないからです。
王平は、だから言わんことではないと悔やみますが、
いまさら馬謖をなじってもどうにもなりません。
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張郃、総攻撃、馬謖 魏延に救われる
10日も包囲を続けてから、張郃は頃合いと考えて、兵を
山頂に殺到させ、山には火を放ちました。
飢えと渇きに苦しめられた馬謖軍に戦う力はありません。
もはやこれまでと思った所に、孔明が派遣した魏延が間に合い
馬謖は命からがら、街亭を落ちていきました。