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孔明とは違うのだよ!天才姜維の斜め上北伐とは?両者の徹底比較

この記事の所要時間: 819




孔明と姜維

 

諸葛亮孔明(しょかつ・りょう・こうめい)姜維(きょうい)も、

揃って北伐を行っている事は、三国志を知っている方ならご存じだと思います。

孔明は、西暦227年から没する234年まで7年間という間、

一方の姜維は、西暦253年、北伐慎重論の費禕(ひい)が横死してから、

262年まで、9年間に渡って北伐を敢行しました。

 

ところが、どちらも、軍事的には失敗でありながら、

孔明の北伐は擁護する声が多く、姜維の北伐には批判が多いです。

その原因は、二つの北伐の質の違いにありました。




蜀の存在理由を北伐とリンクさせて支持を受けた孔明

孔明

 

基本的な事ですが、孔明は北伐を行うにあたり、

どうして北伐が必要か?という事を端的には、

出師の表を表わして説明しました。

 

孔明

 

孔明「蜀は、魏に追われた先帝が興した地方政権ではなく、

亡国に追い込まれた後漢を継ぐ正統な王朝である。

故に、簒奪者の魏と同じ天を頂く事は出来ないッ!

今こそ、立てよ! 立てよ蜀人!悲しみを怒りに変え、

人の道を知らぬ虎狼の曹魏に、裁きの鉄槌を下すのだ!」

 

ここには、放置しておくと、やがてだらしなく腐敗していく

であろう蜀の官僚組織を常に引き締める意図がありました。

そして、北伐は、蜀という政権が続く限り止めるわけには

いかない存在意義になります。

 

また、孔明は、南方経営や、塩鉄の専売で軍事費を賄い、

出来るだけ、蜀の人民の生活に負担が掛からないように

配慮もしていました。

 

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費禕の戒めを無視して、北伐を再開した 姜維

姜維

 

一方の姜維は、若い頃から北伐の再開が持論でしたが、

孔明の後継者である蔣琬(しょうえん)は兎も角、次の費禕になると、

 

「孔明でさえ、出来なかった北伐を我々に出来るわけがない、

ここは、堅く守り、情勢の変化を見るべき」

 

という考えにシフトします。

 

それでも、丞相の遺志を継いでという意見はありましたが

やはり、大勢はリスクよりも安定に傾いていきます。

そこを費禕の死後、武力を背景に強引に北伐に持って行ったので、

勝っている間はいいですが、段谷(だんこく)で鄧艾(とうがい)に大敗すると、

人民の恨みは募り蜀の疲弊に拍車を掛けたのです。

 

また、孔明のケースと違い、特別な財源を用意出来ている

わけでもない事も恨みを深くしたでしょう。

 

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長安と洛陽の陥落に戦略の主眼を置いた孔明

劉禅

 

孔明の北伐の大目標は、長安、あわよくば洛陽を落して

後漢の帝都を回復し、魏の反撃をしのぎつつ拠点を確保し

ゆくゆくは、そこに劉禅(りゅうぜん)を迎えて

後漢の正統後継者である、蜀漢の正統性をアピールする事です。

 

孔明は、連携を上手く行かせる為に、祁山や街亭というような、

涼州と成都、長安を結ぶような戦略拠点を抑えようとします。

勇猛で、必ずしも魏に服属しているとは言えない、涼州の諸民族を

まとめ上げて、対抗する事で、軍事力のハンディキャップを補い

かつ、涼州・擁州を蜀領に組み込む考えです。

 

これは、後漢の天下の回復という大義名分にも合致していますし

実際に、長安一つでも失陥していれば、呉もこれに呼応し、

魏には、最大のピンチが訪れた事でしょう。

 

孟達

 

事実、第一次北伐は、馬稷のチョンボが無く孟達(もうたつ)の蜀への寝返りが

迅速であったなら、蜀軍は、長安・洛陽を同時に衝く事が出来、

魏は背後には、遼東の公孫一族もあり、南には呉もありで、

かなりの大ピンチになり、鄴(ぎょう)まで遷都した可能性もあります。

 

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涼州を切り取る事に終始した姜維の北伐

 

一方の姜維は、孔明の北伐を受け継いだ割には、

長安に目をつけるというような事はありませんでした。

西暦257年に、魏で諸葛誕(しょかつ・たん)が反乱を起した時に、

虚を突いて、秦川を越え長安を狙う素振りを見せただけです。

 

どうして、姜維が涼州を荒らし回る事が多くなったのか?

というと、ここが魏の本拠地から遠く、守りが手薄だった事に

大きな理由があります。

 

魏の影響力が弱いのだから、ここでは北伐の成果が得やすい

という事ですし、元々、姜維は涼州の人間ですから、

土地勘も、人脈もあったのかも知れません。

 

ですが、涼州は不便な土地であり、姜維の思惑も思った程には

成功しませんでした、時々、涼州の人民を蜀に強制的に

移住させたりする戦果はありましたが、、

本拠地を狙われた訳ではない、魏の側から見ると、

その重圧は孔明の頃より弱かったと言えるでしょう。

 

また、辺境でのゴタゴタは蜀の人民へのPRが弱く、

蜀の首脳部への受けも、余り良くなかったと思います。

北伐は姜維の自己満足という悪評も立つ事になったでしょう。

 

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