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藺相如(りんしょうじょ)とはどんな人?三大天の一人!趙の名宰相であり廉頗のかけがえのない親友(1/3)

2016年2月17日


 

藺相如(りんしょうじょ)

 

キングダムでは元趙の三大天として、王騎(おうき)と数々の戦を繰り広げ、

趙を去った後は魏に移って秦軍と激しく戦いあった廉頗(れんぱ)ですが、

彼には大親友が居ました。

その大親友の名は藺相如(りんしょうじょ)です。

彼は食客から趙国の宰相の位まで登り、

趙の三大天の一人に数え挙げられる名政治家です。

今回は廉頗のかけがえのない親友であり

数々の実績を残した名宰相藺相如を数回に分けて紹介していきます。

 

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監修者

ishihara masamitsu(石原 昌光)kawauso編集長

kawauso 編集長(石原 昌光)

「はじめての三国志」にライターとして参画後、歴史に関する深い知識を活かし活動する編集者・ライター。現在は、日本史から世界史まで幅広いジャンルの記事を1万本以上手がける編集長に。故郷沖縄の歴史に関する勉強会を開催するなどして地域を盛り上げる活動にも精力的に取り組んでいる。FM局FMコザやFMうるまにてラジオパーソナリティを務める他、紙媒体やwebメディアでの掲載多数。大手ゲーム事業の企画立案・監修やセミナーの講師を務めるなど活躍中。

コンテンツ制作責任者

おとぼけ

おとぼけ(田畑 雄貴)

PC関連プロダクトデザイン企業のEC運営を担当。並行してインテリア・雑貨のECを立ち上げ後、2014年2月「GMOインターネット株式会社」を通じて事業売却。その後、「はじめての三国志」を創設。現在はコンテンツ制作責任者として「わかるたのしさ」を実感して頂けることを大切にコンテンツ制作を行っている。キーワード設計からコンテンツ編集までを取り仕切るディレクションを担当。


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趙の三大天・藺相如の実績:「完璧」序章1

 

秦の昭襄王は名将白起(はくき)と名宰相魏冄(ぎぜん)の活躍により、各地の城を

陥落させ、秦は飛躍的に国力を向上しておりました。

そんなある日昭襄王は趙にある名宝「和氏の壁」を得たいと考え、

趙に使者を発します。

秦の使者は趙に着くと「昭襄王は貴国にある「和氏の壁」と我が国の城

十五城と交換してほしいと申しております。いかがでしょうか」

と伝えます。

趙の恵文(けいぶんおう)は「昭襄王の申し出は分かった。

しかし即決出来かねるゆえ。しばし時間をいただきたい。」と

秦の申し出を保留にして、使者を返します。

 

 

 

趙の三大天藺相如の実績:「完璧」序章2

 

恵文王はすぐに群臣を集め、会議を開きます。

会議では廉頗や趙奢ら武官は「和氏の壁を渡した方がよろしいでしょうな。

もし断れば、即座に秦軍が侵攻してきますぞ。」と口にします。

それに対して文官達は「昭襄王は約束を平然と裏切る王ですぞ。

「和氏の壁」を渡しても城を交換しない可能性がある。」

と進言します。

こうして会議では色々な意見が出ます。

しかし結論を出すことができませんでした。

そんな中一人の宦官が意見を言います。

その宦官の名は繆賢(びゅうけん)といい恵文王のお気に入りです。

恵文王は「繆賢。いい案があるのか」と彼に意見を求めます。

繆賢は恵文王の質問に対して「はい。私の食客にこの難しい局面を切り抜けられる

人材がいます。」と言い放ちます。

群臣達は繆賢に向かい「だれじゃ。その人物は」と口を揃えて質問します。

繆賢は群臣達の方へ顔を向けずに「藺相如と申します。以前彼の機転に

私は助けてもらった事があります。」と彼の逸話を語り始めます。

 

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趙の三大天藺相如の実績:「完璧」序章3

 

繆賢はある事で恵文王の怒りを買い、命の危機にさらされます。

そのため荷物をまとめ、燕に亡命しようとします。

この時繆賢の食客であった藺相如は「殿。色々な亡命国がある中

なぜ燕へ向かうのです」と質問します。

繆賢は「昔恵文王と共に燕へ行った時、燕王が「君と友達になりたい。

いつでも遊びに来てくれ」と言ってくれたから燕に亡命しようと思う。」と語ります。

すると藺相如は「殿。燕に亡命しても歓迎されないでしょう」と

アドバイスします。

繆賢は「なぜだ」と聞き返します。

藺相如は座り直して「それはですね。燕は弱小国であります。

燕と比べれば趙は強国です。燕王はこの強国で恵文王のお気に入りである

あなたを友達にしたいと言ったのです。今あなたは恵文王のお気に入りでは

ありませんので、このまま燕に亡命しても追い返されてしまうでしょう。

運が悪ければ燕に入った瞬間に捕えられて、

ここに戻ってくることになりましょう」と自らの考えを伝えます。

繆賢は彼の言葉に納得し「では私はどうすればいいのかな」と聞きます。

すると彼は「自らの罪を認めて、恵文王に許しを請うのは如何でしょう。

ただ謝っても許してくれないと思うので、刀を首にあて

死ぬ覚悟をもって謝れば、許してもらえるかもしれませんよ」と簡単に言います。

繆賢は迷いに迷いますが、藺相如のアドバイスに従う事でなんとか一命を

とりとめ、再び恵文王のお気に入りの宦官の地位を手に入れる事が出来ました。

この話を聞いた恵文王は早速藺相如を呼びます。

 

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趙の三大天藺相如の実績:「完璧」序章4

 

藺相如は恵文王の呼び出しに応じて、王宮へ向かいます。

彼は王宮に着くとすぐに恵文王から「繆賢から話は聞いているだろう。

何とかならないか」と質問します。

藺相如は少し考え恵文王に「秦の強さは天下一であり、

王は受けざるを得ないでしょう。しかしこの申し出を受け、

秦が約束通り城をよこさなかったら、秦に非があるようにしなければなりません」

と進言。

恵文王はこの進言に頷きますが、彼に再度質問をします。

「君の意見は素晴らしいが、肝心の使者が居ないのだが、どうすればいい。」

と告げます。

すると藺相如は「私が行きましょう。もし「和氏の壁」と

城を交換できなかった場合、私が必ず「和氏の壁」に傷一つつけず

持ち帰ってきます。」と強い語調と覚悟のある表情で言い切ります。

恵文王は彼の覚悟を受け取り、藺相如を秦の使者に任命します。

 

趙の三大天藺相如の実績:「完璧」その1

 

藺相如は名宝「和氏の壁」をもって秦の昭襄王と会見します。

昭襄王は「和氏の壁」を受け取ると大喜びし、会見場所に自らの群臣を

呼び、見せびらかします。

藺相如は昭襄王の態度をジッと見ていましたが、いつまでたっても

城の話をしない事にイラつきます。

ついに昭襄王に向かって「王よ。実はこの壁には小さい傷が入っております。

今から教えるので貸していただきませんか。」と言います。

昭襄王は傷を教えてもらおうと彼に「和氏の壁」を渡します。

 

趙の三大天藺相如の実績:「完璧」その2

 

藺相如は昭襄王から「和氏の壁」を受け取ると近くにある柱に走り寄り、

怒りに満ち溢れた物凄い形相で昭襄王を睨み付けます。

そして彼は昭襄王に向かって「私の国では秦王を疑う声が多かったが、

わが王は「国同士の交渉でまさか裏切る事はないだろう」と秦王を信用し、

さらに王は秦王に敬意を払って5日間も身を清めた。

それに対して、あんたはわが王の信義を裏切り、城の受け渡し交渉を

する気が全くないではないか。

こんなことではわが王に顔を合わせる事が出来ぬ。

いまこの柱に頭を打ち付け壁もろとも死んでやるわ。」

と大声で言い放ち、「和氏の壁」もろとも自らの頭を柱に打ち付けようとします。

昭襄王は藺相如の鬼気迫る行動を見て「わかった。今から5日間身を清めてから

交渉を再開しよう。それまで和氏の壁はお主が預かっておいてくれ。

だから落ち着け。」と哀願します。

藺相如は昭襄王のこの言葉を引き出した事で

柱に和氏の壁を打ち付ける事を止めます。

 

趙の三大天藺相如の実績:「完璧」その3

 

5日後藺相如は再び昭襄王と会見を行います。

昭襄王は「君の言う通り、5日間身を清めた。さあ和氏の壁を出せ。」

と怒り気味に言います。

藺相如は「ありません」とさらりと言いのけます。

実は藺相如は交渉が再開する前に、同行してきた趙の使者に「和氏の壁」を

持たせて、趙へ帰していました。

そのことを知った昭襄王は激怒。

「きさま。だましたな。今すぐその首吹っ飛ばしてやる。連れていけ。」

と怒鳴り散らします。

すると藺相如は「歴代の秦王は約束を十全に守った者はいないでしょう。

王が先に城を渡してくれるのなら、我が国は喜んで壁を差し出しましょう。

しかし王に対して無礼を働いた私には死を賜りたく存じます。」と

言い連れて行こうとしていた秦王の家臣と共に歩きだします。

すると昭襄王は「待て。こいつを殺すのは中止だ。今奴を殺せば

得るもの趙の恨みで、失うものは計り知れない。許して返せば趙に恩を

与える事になる。ならば許した方が得であろう。」と

言い藺相如を許します。

昭襄王は彼を許すだけでなく、宴席を設け、歓待してから帰国させます。

 

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趙の三大天藺相如の実績:「完璧」その4

 

趙の恵文王は彼が任務に失敗して、死体になって帰国する

と思っていたので、棺が来た場合国葬で葬ろうと考えていました。

藺相如は趙へ帰国し、恵文王に報告すると、彼は大いに喜びます。

そして彼を繆賢(びゅうけん)の食客から自らの家臣に取り立てます。

 

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三国志ライター黒田廉の独り言

黒田廉

 

藺相如は自らの胆力と知力で、強国秦との難しい外交を

一歩も妥協しないで自らの意見を貫き通して、璧を守り、

趙の面子を保つことに成功します。

この藺相如の外交を後世「完璧」な対処といわれ、

現在でもこの言葉は死語にならず使われています。

今回のお話はこれでおしまいにゃ。次回もまたはじめての三国志でお会いしましょう

それじゃまたにゃ~

 

次回記事:藺相如(りんしょうじょ)とはどんな人?三大天の一人!趙の名宰相であり廉頗のかけがえのない親友(2/3)

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黒田廉(くろだれん)

黒田廉(くろだれん)

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