袁術祭り秘話|袁術をkawausoが取り上げた理由

2015年6月13日


袁術とkawauso

 

皆さん、こんばんは、袁術(えんじゅつ)祭の記事を担当したkawausoです。

1週間に渡ってお送りした袁術フェアの感想はいかがだったでしょうか?

 

関羽(かんう)張飛(ちょうひ)夏候惇(かこうとん)張遼(ちょうりょう)

呂布(りょふ)のような英雄豪傑の濃い話は見た事があっても

張勲(ちょうくん)や、紀霊(きれい)荀正(じゅんせい)袁耀(えんよう)

陳蘭(ちんらん)、雷薄(らいはく)楊奉(ようほう)のような、

どの時代の、どの群雄の武将か分からない連中の大体にして、

しょうもない話は、逆に新鮮だったのではないでしょうか?

 

監修者

ishihara masamitsu(石原 昌光)kawauso編集長

kawauso 編集長(石原 昌光)

「はじめての三国志」にライターとして参画後、歴史に関する深い知識を活かし活動する編集者・ライター。現在は、日本史から世界史まで幅広いジャンルの記事を1万本以上手がける編集長に。故郷沖縄の歴史に関する勉強会を開催するなどして地域を盛り上げる活動にも精力的に取り組んでいる。FM局FMコザやFMうるまにてラジオパーソナリティを務める他、紙媒体やwebメディアでの掲載多数。大手ゲーム事業の企画立案・監修やセミナーの講師を務めるなど活躍中。

コンテンツ制作責任者

おとぼけ

おとぼけ(田畑 雄貴)

PC関連プロダクトデザイン企業のEC運営を担当。並行してインテリア・雑貨のECを立ち上げ後、2014年2月「GMOインターネット株式会社」を通じて事業売却。その後、「はじめての三国志」を創設。戦略設計から実行までの知見を得るためにBtoBプラットフォーム会社、SEOコンサルティング会社にてWEBディレクターとして従事。現在はコンテンツ制作責任者として「わかるたのしさ」を実感して頂けることを大切にコンテンツ制作を行っている。キーワード設計からコンテンツ編集までを取り仕切るディレクションを担当。


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メジャー武将とマイナー武将の温度差

旅 バイク

人生の表街道を歩き、王道を走ったメジャーな武将の経歴は、

キレイに整備されたハイウェイを走っているようで壮観で、

見ていて、気分がすっとして憧れを持つものです。

 

でも、一方で、うらぶれた商店街の裏通りを、ビール瓶を抱えて

とぼとぼ歩いているような、マイナー武将達の、のろのろうろうろした

人生も、決して悪くない悲喜こもごもある人生だと感じます。

 

どっちかと言えば、私達凡人の人生は、このマイナー武将の

のろのろした人生に近いんですからね。

 

三国志演義の特徴

 

三国志演義は、かなり勧善懲悪が徹底した読み物です。

そこでは、善が進められ、悪が嫌われるので、

命を賭して義を貫いた英雄豪傑がクローズUPされます。

 

そして、そんな強い精神がない悪に染まった武将達は、

卑怯者や、恥知らずのレッテルを貼られて舞台から消えていくのです。

 

私が袁術に光を当てた理由

袁術 kawauso

 

でも、一瞬で斬られてしまう、マイナー武将、出落ち武将にも、

掘り下げれば、少し位は感心できる、でなければ、笑える部分がある

そうに違いないと思って掘り下げたのが、この袁術の武将達でした。

 

自称皇帝、袁術の息子でありながら、袁術滅亡後は、仇も討てず

かつての部下、孫策の下で下役人としての人生を全うした地味な袁耀。

 

 

関羽に劣らない武勇を持ちながら、飢餓で力が出ず、張飛に斬られた紀霊

孫策(そんさく)の才能を見出し、交流がありながら、袁術を見限る事が出来ず、

無能な大将軍として、呂布(りょふ)戦、陳戦、寿春戦と敗戦を続けて、

最期には、孫策を頼って呉に落ちていく途中、

盧江太守の劉勲(りゅうくん)に兵力と物資の全てを取られ歴史から消えた張勲、、

 

山賊あがりが喰いつめて、袁術軍に入り、呂布戦の最期の最期で

陳登(ちんとう)の計略により袁術を裏切った楊奉と韓暹(かんせん)のコンビ。

 

元の主君である袁術の救援要請を断り、あろう事か、

逃げてゆく、袁術を襲い、食糧と財宝を盗んだ、追い剥ぎコンビ

陳蘭と雷薄・・

 

彼等の人生は、メジャーな英雄達のように派手ではないものの、

何とバラエティに富んでいる事か。

 

「ZOO、愛を下さい」ではないけど、どこか似ていませんか、

私達の心の中にあるズルさや、浅はかさに彼等は?

 

曲者だらけを束ねている袁術

袁術

 

そして、こんな曲者だらけの袁術軍を束ねている自称皇帝袁術も、

その小物ぶりと、人間臭さにおいては、英雄豪傑に決して劣らない

面白い壮絶な人生を送っている男です。

 

袁術は、玄祖父の時代から、今で言う

総理大臣や防衛大臣を輩出している汝南袁家の御曹司です。

 

袁術は何でコンプレックスの塊なのか?

袁術くやしいいい

これだけ見ると、何不自由ないように見えますが、

彼はコンプレックスの塊でした、それは自分より出来が良い、

従兄弟の袁紹(えんしょう)がいたからです。

 

お金や血筋を積み上げてもどうにもならない人間の魅力という器に

袁術は、死ぬまで悩み続けました。

いつでも、自分より一歩、二歩先を行く、袁紹に嫉妬し、

袁紹の母方の身分が卑しい事を馬鹿にしてコンプレックスを解消しようとし

その為に余計に人が離れていった袁術・・

 

袁術:「なんでじゃあ!ワシの方が、あいつより頭もいいし、血筋もいいのに!」

 

袁術は、地団駄を踏んで悔しがりました。

 

袁術には軍師はいたの?

袁術 伝説 ゆるキャラ

 

実際、袁術は軍師などというものを置かず、全ての状況判断を自分でしました。

 

大体、猜疑心が強く、嫉妬深く他人を信用できない器の小さい袁術は

他人の意見を容れるという思考自体が存在しなかったのです。

 

 

袁紹の側には有能軍師がいた

袁紹逝く! ゆるキャラ

袁紹は、袁術よりもむしろ知力では落ちますが、彼は全盛期には田豊(でんぽう)や、

沮授(そじゅ)というような軍師を置いて、その助言に耳を貸す度量があったのです。

 

それが時間が経つにつれて、彼我の力の差になっていきます。

 

ライバル達と差が広がっていく袁術

袁紹VS袁術

 

袁紹のように、黄巾の乱を逃れた生産力の高い北方4州を制圧する事も、

曹操(そうそう)のように、屯田制度を施行して、荒れ地を開墾して

生産力を回復させるアクションも起さなかった内政下手な袁術は、

豊かだった南陽や、寿春の富を食いつぶし、次第に追い詰められていきます。

 

幾ら、贅沢な生活をしても、頭を去らないコンプレックス、

袁術は決して馬鹿ではありません、酔いつぶれて騒いでいる自分の心の奥に

そんな自分を冷たく嘲笑う正気の袁術がいました。

 

ワシ皇帝になればいいじゃん

袁紹&袁術

それを黙らせる為に袁術が夢想した事こそ、皇帝になる事でした。

 

袁術:「そうだ!この地上にただ一人の皇帝になれば、ワシは袁紹や、

曹操を超えて、一番になれるのだ!!」

 

全国14州ある中の楊州を抑えているだけの袁術が皇帝を名乗るなど

何の正当性もありませんが、度量も意気地も曹操と袁紹に劣る、

袁術が負けを認めず、プライドを保つためにはその方法しか無かったのです。

 

そして、その方法こそが、四方の群雄を呆れさせ、

後漢の献帝を擁する曹操を怒らせ、自分を追い詰めるという事に、

袁術は最期まで気がつきませんでした。

 

袁術の悲惨な最期

袁術の最後

 

その結末は全てを失い、食べる物も飲み水とてなく、

失意のどん底で衰弱死するという悲惨なモノでしたが、

袁術は、最期まで自分が間違っているとは思わず、プライドを

貫き通しました。

 

袁術:「袁術ともあろうものが、このようなザマになろうとは!!」

これが袁術最期の言葉だと伝わりますが、どうでしょう?

 

(俺はもっと凄いんだ、尊いんだ!それがこんな所でーーー!!)

 

言葉を裏返すとそのように感じ取れませんか?

 

 

袁術は英雄の一人

 

kawausoは、この言葉に感銘を受けました。

確かに彼は、多くの人民に重税を課し迷惑をかけ、多くの人間を道具として

扱い、裏切ってきたけど、最期まで自分の意志を貫き後悔しなかった。

 

(ああ、、こんな筈ではなかった、、誰か助けてー)

そう言って女々しく死ぬ事は無かったのです。

 

勘違い野郎に違いはありませんが、その後悔しない頑固さにおいて

袁術は三国志の英雄のひとりだとkawausoは思うのであります。

 

皆さんは、どう思いますか?宜しければ、はじさんまで

感想を聞かせて下さい。

 

今日も三国志の話題をご馳走様でした。

 

—自称皇帝の袁術をたっぷり紹介!—

 

 

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台湾より南、フィリピンよりは北の南の島出身、「はじめての三国志」の創業メンバーで古すぎる株。もう、葉っぱがボロボロなので抜く事は困難。本当は三国志より幕末が好きというのは公然のヒミツ。三国志は正史から入ったので、実は演義を書く方がずっと神経を使う天邪鬼。

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