三国志は、其々「伝」というものがあります。これは各巻に分かれており、個別で伝が立てられているものは珍しく、多くの場合は一つの巻に数人がまとめられていますね。
このまとめられているメンバーが中々に面白いのですが、今回はその中でも、劉封のまとめられている伝に注目して見ましょう。中々に強烈なメンバーがまとめられていますよ……。
この記事の目次
正史三国志の伝とは?
さてまずはちょっと伝についておさらいを。伝は例えば蜀書で「関張馬黄趙伝」と言うと、関羽、張飛、馬超、黄忠、趙雲がまとめられている伝です。
彼らは三国志演義では五虎将軍とされてますが、これは同巻にまとめられているメンバー、と見ると中々に考えられているなぁ、と思いますよね。
因みに対比的に魏の五将、張遼、楽進、于禁、張コウ、徐晃、そして彼らを陰で見守る朱霊も同じ伝にまとめられています。
生き残りを選んだ裏切り者孟達
-
孟達の不人気は蜀・魏で短期しか働いてないせい?せめて魏蜀に10年ずついれば評価は変わった?
続きを見る
不穏分子カテゴリに分類された劉封
それで劉備の養子となった劉封の巻ですが。
「劉彭廖李劉魏楊伝」となっています。
メンバーを紹介すると、劉封・彭ネン・廖立・李厳・劉エン・魏延・楊儀というそうそうたるメンバー……うん、分かりますよ。李厳や魏延、楊儀と同じ巻なのかー……とか、思いませんでしたか?
正直に言うと、筆者は思いました。巻末の陳寿先生の評価含めて、です。
劉封を処刑したのは孔明の陰謀?
-
劉封を処刑したのは諸葛亮の陰謀だった!?
続きを見る
ろくな最後を迎えていない不穏分子カテゴリ
さて、李厳を例に出してみると、補給を任されて失敗して命令違反して処罰されて身分はく奪され病死、という結末です。そして陳寿先生曰く「身から出た錆」。
そして劉封へは「疑われる立場なのにその対策まるでしないとかどうなの?そんなの破滅するしかないわー(意訳)」というもので……劉封含め、この巻のメンバーは「自業自得」とまとめられているメンバーなんですね。
今回ちょっと考えてみたいのが、この自業自得に関してです。
冤罪をおしつけられた武将特集
-
濡れ衣だァ!責任を押し付けられた気の毒武将特集
続きを見る
劉封は劉備に疑われても行動を起こせない不器用男
まず関羽の援軍を断ったことに関してですが、ここはもう「援軍を出したら関羽は勝ったし生き延びてたし曹操も倒してたし呉も勢いで滅ぼした!」という訳ではないと思うので、そこは触れずにおきましょう。
援軍を断ったことで劉備の不興をかった。このため、同様の立場にあった孟達は魏に逃走。孟達は劉封も誘ったけれど、これを断って敗北してそのまま劉備のいる成都に帰った。
つまり、ただでさえ関羽の一件で怒っている劉備のとこに同僚の孟達が逃走して敗北して何も対策も弁解もなく帰宅、となります。
こちらもCHECK
-
孟達と関羽がいなくても劉封は劉備に処刑される運命だった?
続きを見る
【次のページに続きます】