関羽(かんう)と言えば、時空を越えて琉球の昔話に登場するなど、
世界的な知名度があります。
それは、関羽が関帝として崇拝され各地に廟が建てられた事と無関係ではありません。
しかし、皆さんは中国には、関帝廟ばかりでなく張飛廟(ちょうひびょう)も
あるのをご存じでしょうか?
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この記事の目次
代表的な張飛廟は二つ存在する
張飛は、義兄、関羽と共に、劉備(りゅうび)と黄巾賊討伐の頃から一緒の
最古参の武将です。
順調に出世を重ね、劉備が蜀で漢中王に即位すると巴蜀太守に任命され、
益州の閬中(ろうちゅう)に進駐しました。
しかし、固い絆を誇る3兄弟の間柄は、関羽が荊州で呉の呂蒙(りょもう)に
討たれた事で、呆気なく終わりを告げました。
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部下の范彊(はんきょう)と張達(ちょうたつ)によってされた張飛
張飛は、関羽の死に怒り涙してヤケ酒を飲み元々粗暴だった性格がより荒れます。
劉備が弔い合戦を決意すると、張飛は喜び、部下の范彊(はんきょう)と
張達(ちょうたつ)に数日の間に白い軍装を3万着造れという無茶な命令を出します。
もちろん、出来なかったら処刑するというおまけつきです。
絶望した二人は悩み、どうせ殺されるなら殺してしまえと
張飛が酒を飲んで寝ているのを襲って首を斬ってしまいました。
伝承では、二人は首を手土産に呉に降るつもりが、蜀の追っ手に迫られて
怖くなり、張飛の首を長江に投げ捨ててしまいました。
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張飛廟に発展するきっかけ
こうして、張飛の首は、曇陽(うんよう)という土地に流れつき、
張飛の体はで閬中で祀り、首は曇陽で祀るという事になりました。
双方とも蜀の領域だったので勇猛で忠義に厚かった張飛の霊を慰めて
顕彰する為に、自然発生的に廟が発生していったようです。
この二つの土地では、それがやがて張飛廟に発展していきます。
関羽にお供がいるなら、張飛にだっているさあ!!
さて、関羽と言えば、二人のお供がいる事で有名です。
名将足るもの、お供位いないとカッコがつかないので、
もちろん張飛にも、お供がいるのです。
それが、皆さんお馴染みの張飛の息子である張苞(ちょうほう)と
馬斉(ばせい)です・・・ん?馬斉って一体誰?張飛と関係あるのか??
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薄いけど、張飛と繋がっていなくもない馬斉
馬斉、初耳なので架空の武将かと思いきや、ちゃんと存在していました。
三国志、蜀書の楊戯(ようぎ)伝に記録された季漢輔臣賛(きかんほしんさん)に
少しだけ登場する人物で記録では馬斉は張飛が巴蜀の太守だった頃に
功曹(こうそう)に推挙され、さらに張飛の引きで尚書郎に出世しています。
以後は従事丞相掾(じゅうじ・じょうしょうじょう)に任じられ、
その後は広漢太守に昇進、再び参軍に任命され諸葛亮孔明(しょかつ・りょう・こうめい)死後は尚書に任じられる、というのが最後であるようで、西暦241年以前に
亡くなっているようですが、孔明の死後に尚書なので、当然、234年以後までは
存命という事にはなります。
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張飛と繋がってなくもないけど、薄くない?
関羽と関平は、同じく呂蒙に敗れて戦死していますし、周倉は三国志演義だけの
人物ですが、関羽に殉死しているので、お供として様になります。
しかし、息子で戦死した張苞は、ともかく、なんとなく文官っぽい、
馬斉がお供っていうのは、あまり必然性がないような・・
でもまあ、関羽がお供二人だから、うちもという対抗意識なんでしょうね。
三国志ライターkawausoの独り言
(実際の涿州張飛廟)
張飛の廟は、劉備や張飛がいた、涿(たく)県にもあります。
(井戸を覗いている代表のおとぼけ)
そこは、張飛が若い頃肉屋をしていて、肉を冷やしていた井戸だったようです。
この土地では、張飛は英雄であり、福を呼び込んだり、万事うまくゆくという
お札のキャラクターに張飛が使われているようです。
でも、お酒を飲んでは失敗ばかりの張飛がお札のキャラクターで大丈夫か?
と思うのは、現地では、いらないお世話にしかならないのでしょうね。
今日も三国志の話題をご馳走様でした。
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