衰える事を知らないキングダムの人気、そのお陰もあって、
はじめての三国志もキングダムをリアルタイムで追っていたりするのですが、
いつも考えるのは「キングダムもいいけど、三国志も面白いよ」という事です。
そこで、今回は長い三国志演義の物語をポイントで紹介して、
その面白さをキングダムファンの皆さんに解説したいと思います。
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この記事の目次
三国志の世界観をザックリ説明
舞台は、キングダムの世界から400年後、西暦184年の中国・・
中華には、漢という王朝が出来、最初は安定した統治が続くのですが、
末期には、霊帝(れいてい)というバカ皇帝が出て政治が腐敗します。
腐敗した政治で、重税に苦しんだ農民は絶望から信仰に救いを求めていきます。
そこで張角(ちょうかく)という男が登場し病を治す奇跡を起こせると言って
自分の信者を増やしていきました。
やがて、巨大な勢力になった張角は「世直し」と称して反乱を起こします。
同士討ちを避ける為に信者は黄色い巾(きれ)を頭に巻いて目印にします。
これが三国志のオープニング黄巾(こうきん)の乱です。
張角の信者は36万人もいて、それが一斉に各地の城市に入りこみ、
乱暴狼藉を尽くす事になります、キングダムでもよくある勝者による
敗者への掠奪行為です。
後漢の軍隊は、長い間の太平に慣れていて使い物になりません。
困ったので広く義勇軍を募集する事になりました。
義勇兵募集に無名の実力者達が名乗りを挙げる
当時、政治は上流階級の貴族の独占物で、地方の人々はどんなに頑張っても
県令という地方長官のレベルで終わっていました。
ところが、黄巾賊が出てきて義勇兵が募集された事で、手柄を立てると
中央で出世できるかも知れない可能性が出てきました。
こうして実力はあっても身分が低い人々が野望を胸に続々と
義勇兵として漢軍と共に黄巾賊と戦いを挑んでいきます。
名もなき義勇兵から三国志の主人公達が登場する
この義勇兵の中から、三国志の主人公が出現していきます。
一人は劉備玄徳(りゅうび・げんとく)、今でこそ貧しい沓売りですが、
家柄は由緒正しく、楚の項羽(こうう)を滅ぼし、漢帝国を建国した
劉邦(りゅうほう)を遠い先祖に持ちます。
劉備はキングダムの主人公、信(しん)のように武力はありません。
代わりに人を惹き付けて仲間にしてしまう徳に恵まれています。
劉備は漢の王族の末裔として、黄巾賊を打ち倒し戦乱を終わらせようと考えます。
この考えに共鳴して、一人で万人の敵と戦える武勇を持つ、豪傑、
3人は、義兄弟の契りを結び、
「産まれた日は違っても、漢王朝を復興して民衆の為に働き、
死ぬ時には、必ず一緒に死のう」と誓いあいます。
信と漂(ひょう)が子供の頃に誓った
「天下の大将軍になる」という誓いのようなものです。
同じ頃、キングダムで言えば、楚の辺りに孫堅(そんけん)という
元は海運業者の男がいました。
彼もまた、混乱の世の中で義勇兵を率いて黄巾賊を撃破して頭角を現します。
この孫堅の息子達から孫策(そんさく)、孫権(そんけん)という
三国志の主人公が登場します。
中央からも三国志の主人公が出現
さて、漢軍は当初、黄巾賊に負け続けていましたが例外がいました。
金の為に男性機能を喪失させた卑しい連中と見做された宦官を祖父に持つので
曹操の地位は決して出世に有利とは言えませんでしたが、
生まれつき、才知に溢れ勇気があった曹操は、逆境をはねかえすように
黄巾賊の討伐に手柄を立てていき、存在感を増していきます。
この曹操は、冷酷で出世の為に手段を選ばないダークヒーローとして描かれ
何よりも人の和を大事にする劉備の終生のライバルになります。
何にしても、この黄巾賊討伐の時代に、劉備、曹操、孫堅というような
三国志の主人公達は仲間として集まってきます。
ところが次の段階で事態は大きく変化するのです。
劉備達、義勇兵の働きで黄巾賊は壊滅するが・・
黄巾賊は最初こそ、破竹の勢いでしたが、乱から4カ月すると
教祖の張角が呆気なく病死してしまいます。
さらに、勢力が広がりすぎた黄巾賊は、統制が取れなくなっていき、
段々と戦いに慣れてきた漢軍や義勇兵によって次々撃破されて
半年と持たずに反乱は鎮圧されました。
董卓にバカにされたり、県尉をクビになったり・・
劉備達のような義勇兵は戦争中も差別されていました。
黄巾賊との戦いの最中に劉備達は、董卓(とうたく)という将軍を救いますが
董卓は劉備達が義勇兵と分ると手の平を返してバカにし冷淡に扱います。
直情型の張飛は怒り狂い、董卓を殺そうとしますが関羽と劉備に止められます。
黄巾賊との戦争に勝っても、城にも入れてもらえず不遇な劉備ですが、
何とか、戦争の手柄で、小さな県の警察署長のようなポストをもらい赴任します。
しかし、そこに賄賂を要求する腐敗役人が登場し賄賂を断った劉備は、
しつこく責められ仕事をクビになります。
怒った末弟の張飛は役人を棒でしばき、この地に居られなくなった劉備は
昔の学友だった公孫瓚(こうそんさん)という群雄を頼って北へ向かいます。
外戚と宦官の権力争いで暴君董卓が洛陽入城
5年後、189年、再び事態が動きだします。
バカ皇帝の霊帝が死去し、次の皇帝を誰にするかで宦官勢力と
皇帝の外戚が不毛で熾烈な争いをして洛陽が大混乱になります。
仲間を大勢殺されダメージを受けた宦官勢力は、
霊帝の後を継いだ少帝と弟の陳留王を連れて洛陽を脱出します。
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14話:宦官を容赦なく皆殺したカリスマ袁紹の過激なデビュー
三国志の英雄、曹操の初期の最大のライバルとして、登場するのが袁紹(えんしょう)です。袁紹は、西暦154年頃の生まれでほぼ、曹操と同じ年齢ですが、出自は三公、(司徒、司空、大 ...
そこに現れたのが、異民族対策の将軍をしていた董卓です。
董卓は少帝と陳留王を保護して洛陽に堂々入城。
しばらくすると、皇帝の威光をかさに独裁政治を敷いて
魔王化していきます。
董卓を倒す為に英傑達は連合軍を結成
洛陽は完全に董卓に掌握されます。
おまけに董卓には呂布(りょふ)というキングダムで言う所の
龐煖(ほうけん)レベルの武将がボディーガードに付いているので
暗殺するのも無理です。
反董卓を誓う人々は董卓を倒すべく連合軍を結成します。
そこには、盟主の袁紹(えんしょう)や袁術(えんじゅつ)というエリート武将達や、
西の軍閥、馬騰(ばとう)、北の覇者、公孫瓚、南の孫堅や、主人公である、
劉備、それに袁紹の参謀役で曹操も加わっていました。
連合軍は20万人という大軍で董卓の側は5万人と不利です。
そこで董卓は洛陽に籠城し、汜水関(しすいかん)、虎牢関(ころうかん)という
要塞に、華雄(かゆう)、そして呂布という猛将を配置して対抗します。
二つの関は、合従軍編の函谷関に劣らない強固なものでした。
汜水関では関羽、虎牢関では、劉備三兄弟が大活躍
汜水関を守る華雄は豪傑で連合軍を挑発し、挑んできた武将を3名までも
瞬殺してしまう強さを見せつけます。
これを見て、連合軍は意気消沈しますが、この時、劉備3兄弟の義弟
関羽が名乗りを挙げます。
そして、馬に跨り、華雄の前に出るや、一撃で華雄の首を素っ飛ばすのです。
何の事はなく華雄は、キングダムの劇辛の如く咬ませ犬キャラでした。
次の虎牢関では、三国志最強の武神、呂布が立ち塞がります。
彼は人中の呂布、馬中の赤兎と言われ、赤く巨大な名馬、赤兎馬に跨り
方天画戟という武器を扱います。
再び、連合軍を挑発する呂布に公孫瓚という武将が挑みますが、
勝てず斬られそうになる所を、劉備三兄弟の末弟の張飛が飛んでいきます。
さらに関羽、そして劉備が飛んでいき、呂布VS劉備三兄弟の戦いになります。
さすがに分が悪くなった呂布は、悪態をつきながら虎牢関に戻ります。
3対1は汚い?いいえ、ここは、さすが鬼神呂布というのがマナーです。
董卓が洛陽を焼き払い、長安に遷都、連合軍は解散する
呂布が虎牢関に戻って間も無く、洛陽は火に包まれます。
形成不利を悟った董卓が洛陽の人民を率いて城に火を放ち、
さらに西にある長安に遷都したのです。
ちなみに秦の帝都である咸陽は、この長安から少しだけ西です。
逃げてしまった董卓を追いかけるモチベーションは連合軍には無く
やがて、一人去り、二人去りして解散していまいます。
そして、袁紹は公孫瓚と、袁術は劉表と、それぞれ小競り合いを起こし
世の中は統一どころか混沌の中に沈んでいきました。
劉備三兄弟は、兄貴分の公孫瓚に従い、北へ戻り、
曹操は連合軍を参謀として操ろうにも、
他人の軍では思うままに出来ない事を痛感
自分の領地と軍隊を持つ事を切望するようになります。
こうして、事実上、漢の天下は終わり、中国は力のある群雄が、
弱い群雄を併合して領地を広げていく弱肉強食の世界になっていくのです。
キングダムウォッチャーkawausoの独り言
これは三国志演義のほんの序盤ですが、いかがでしょうか?
キングダムも変化に富んでいますが、三国志はそれ以上です。
主人公、曹操、劉備、孫権は、仲間になったり離れたりしながら
最期には、魏・呉・蜀という三国を興していくのです。
どうですか?三国志演義を読んでみたくなりませんか?
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