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114話:蜀キラー陸遜、劉備を打ち破るための不気味な沈黙

2015年10月21日


黄忠

 

五虎将軍の一人、黄忠(こうちゅう)を失った劉備(りゅうび)は、

自ら先陣に立つ事を決意します。

馬良(ばりょう)や、黄権(こうけん)は、「危険すぎる」として

これを止めますが劉備は聞きませんでした。

 

前回記事:113話:老将・黄忠死す、次々と天に還る五虎将軍

監修者

ishihara masamitsu(石原 昌光)kawauso編集長

kawauso 編集長(石原 昌光)

「はじめての三国志」にライターとして参画後、歴史に関する深い知識を活かし活動する編集者・ライター。現在は、日本史から世界史まで幅広いジャンルの記事を1万本以上手がける編集長に。故郷沖縄の歴史に関する勉強会を開催するなどして地域を盛り上げる活動にも精力的に取り組んでいる。FM局FMコザやFMうるまにてラジオパーソナリティを務める他、紙媒体やwebメディアでの掲載多数。大手ゲーム事業の企画立案・監修やセミナーの講師を務めるなど活躍中。

コンテンツ制作責任者

おとぼけ

おとぼけ(田畑 雄貴)

PC関連プロダクトデザイン企業のEC運営を担当。並行してインテリア・雑貨のECを立ち上げ後、2014年2月「GMOインターネット株式会社」を通じて事業売却。その後、「はじめての三国志」を創設。現在はコンテンツ制作責任者として「わかるたのしさ」を実感して頂けることを大切にコンテンツ制作を行っている。キーワード設計からコンテンツ編集までを取り仕切るディレクションを担当。


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孫権は張達と范彊を劉備軍に送り返す

孫権と三国アヒル

 

一方、呉の孫権(そんけん)は、自軍の旗色が悪いので、先に呉に投降していた

張達(ちょうたつ)と范彊(はんきょう)を劉備の下へ送り返します。

 

「この通り、張飛(ちょうひ)将軍を斬った二名は、お戻し致します。

どうか、この辺りで軍を引いて下さい」

 

いわば、呉からの詫び入れですが、劉備は聞く耳を持ちませんでした。

 

哀れ、范彊と張達は、折角生き延びたのに蜀軍の手により斬首されます。

 

さて、いかに劉備軍の怒りの猛攻があるとはいえ、

呉軍の動きが鈍いのには別の理由がありました。

 

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呉軍の動きが鈍い原因は陸遜だった

陸遜

それは、呉の守備軍を率いる陸遜(りくそん)が原因でした。

 

陸遜は、荊州において関羽(かんう)を討ち取るのに功績があったので

孫権に気に入られ、死去した呂蒙(りょもう)の後を継いで大都督になっていました。

 

そして、劉備が関羽の仇討ちと荊州奪還を狙って呉に攻めてきた時の、

防衛軍の総大将を担当していたのです。

 

が、、陸遜は、名門の生まれではあっても、功績が認められたのは最近、

保守的な呉の重臣は皆、陸遜を軽んじていました。

 

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陸遜が率いている軍団はベテラン揃い

孫呉(孫権黄蓋陸孫周瑜周泰) 

 

陸遜が率いた武将達は、朱然、(しゅぜん)潘璋(はんしょう)、宋謙(そうけん)、

韓当(かんとう)徐盛(じょせい)、鮮于丹(せんうたん)、孫桓(そんかん)

というような、ベテランや孫権の血族であり、皆、プライドが高いのです。

 

陸遜

 

この間まで、ぺーぺーだった陸遜に服さないのは当たり前でした。

陸遜は止むなく、孫権から預かった剣と印授を見せて、

「私の命令は、殿の命令と心得よ!!」と脅すような事をして、

部下を統制するような有様でした。

 

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士気の高い劉備軍は次々と呉軍を突破

劉備 危機一髪

 

一方で劉備は、先頭を切って、荊州の領内深く、攻めこんでいきます。

何十年という劉備の戦歴の中でも、この戦い程に順調な戦いはありません。

当たる敵、当たる敵は、皆少数で、蜀軍の攻撃に耐えきれず、

次々に、敗北していきます。

 

「なんと、手応えのない、呉将、陸遜は余程の腰抜けなのか」

 

劉備は、ぶつかっては砕け散っていく呉軍を見て、不思議がりました。

 

もちろん、呉には、強硬意見もありました。

「大都督!いつまでも、兵力を小出しにしないで、大兵力を結集して、

一息に打ち破りましょうぞ!!」

 

どんどん、荊州の領土深くに入り込んでくる蜀軍に呉の武将達は、

地団駄を踏んで悔しがります。

 

反撃を許可しない陸遜、その理由とは?

 

 

「まあ、待て、私には計略がある、、今は動いてはならない」

 

どれだけ武将達に、つきあげられても、陸遜は総攻撃を許可しません。

 

蜀軍の猛攻は続き、呉の陸遜は撤退を重ねていきます。

劉備は、長江を船で渡って、呉の領地に入り込みました。

 

「もう、駄目だ、陸遜は臆病者だ、、これで呉は滅ぶ!」

 

呉の将軍達は絶望して陸遜を見限るものまで出ました。

 

しかし、この撤退作戦こそ、陸遜の計略だったのです。

 

次回記事:115話:蜀キラー陸遜、火攻めで劉備を打ち破る!夷陵の戦い完結編

 

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どうも、kawausoでーす、好きな食べ物はサーモンです。
歴史ライターとして、仕事をし紙の本を出して大当たりし印税で食べるのが夢です。

もちろん、食べるのはサーモンです。

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台湾より南、フィリピンよりは北の南の島出身、「はじめての三国志」の創業メンバーで古すぎる株。もう、葉っぱがボロボロなので抜く事は困難。本当は三国志より幕末が好きというのは公然のヒミツ。三国志は正史から入ったので、実は演義を書く方がずっと神経を使う天邪鬼。

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