曹操の字はうそつき小僧?複雑な氏+名+字の成りたちを深く広く解説!

3名と字の漢字が正反対の意味(対になる)パターン




呂蒙

 

たとえば呉の勇将・呂蒙は、字が子明。

「蒙」は「暗い」という意味で、「明」は「明るい」 です。

しかしこれだと、大切な諱にネガティブな漢字が使われていることになり、何とも不思議ですよね。

その理由となるかは不明ですが、

かつて、魔物から嫌われるよう=長生きできるようあえて子どもに不吉だったり悪い意味の名前をつける風習が存在しました。

身近ではアイヌ文化で行われていたことが知られていますが、一説には中国の安徽省あたりにも同様の風習があるといわれ、

曹操の幼名(まだ字がない子ども時代の呼び名)の「阿瞞(瞞ちゃん)」もそれだとされています。

「瞞」は「欺瞞」とか「あざむく」の意味ですね。

 

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4有名な書物の一節からとったパターン

劉備 黒歴史

 

たとえば劉備の字は「玄徳」。

これは一説によると、道家の教典『老子』にある

「生み出しても所有せず、大事を成してもふんぞり返らず、人より得意だからといって仕切り屋にならない。これを玄徳という」という一説からとったのではないかと言われています。

道家において“玄徳”というのは、「玄妙なる徳や理」という意味を持ちます。

また曹操もこのパターンだと言われます。

こちらは儒家の教典で、「性悪説」でも有名な『荀子』の「これによって生き、これによって死ぬ。これを徳操という」が出典とされています。

“徳操”は「モラルとマナー」とか「道徳と教養」とか「品行」といったような意味です。

劉備も曹操も、生きる上での心構えのような字で、何だか似ていますね。

 

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5排行

排行とは、おおざっぱにいうと、兄弟や親戚内の同世代に共通する一字をつけたり、

または 生まれた順序を示す漢字をつけるといった法則のことです。

排行のケースは大まかに三つ。

 

1)兄弟の順序を示す漢字+兄弟で共通の漢字

最もポピュラーな配列は「伯仲叔季」です。

これはマナーバイブルシリーズ『儀礼』や、後漢に編集された儒学経典の考証本『白虎通義』に、

兄弟の順序を示すものとして解説されていますが、日本でいうところの太郎・次郎・三郎と同じで、

「伯」が長男、「仲」が次男、「叔」が三男、「季」が末っ子となります。

 

日本で両親の兄姉を伯父・伯母と書き、弟妹だと叔父・叔母と書くのも、実はこれと同じです。

さて、このケースで有名な例には、司馬懿の兄弟「司馬八達」がいます。

 

伯達(朗)、仲達(懿)、叔達(孚)、季達(馗)、顕達(恂)、恵達(進)、雅達(通)、幼達 (敏)

兄弟で「達」の字を共有しています。

司馬懿は仲達なので次男ということが分かりますね。

また曹操のブレーンである荀彧の父親の兄弟「荀氏八龍」もこのパターンです。

伯慈(倹)、仲慈(緄)、叔慈(靖)、慈光(燾)、孟慈(汪)、慈明(爽)、敬慈(粛)、幼慈 (旉)

 

こちらは「慈」の字を共有していますね。

なお「幼」は「季」と同じで末っ子を意味します。

ちなみに「伯」の代わりに「孟」が使われる場合もあります。

「伯」と「孟」はともに一番上を表すことは変わりないのですが、全く同じものでもなかったようです。

『白虎通義』に よると、嫡出の長男は「伯」で、庶子の長男は「孟」を使うのだと言います。

そうすると、上述した荀氏八龍の荀汪(孟慈)や曹操(孟徳)は、実は正妻の子ではなく妾 の長子、と読み取ることもできます。

ただしこれも絶対ではないので、あくまでそういう可 能性があるという話ですが。

 

2)兄弟の順序を示す漢字+兄弟で異なる漢字
「伯仲叔季」の法則を用いつつ、二文字目はそれぞれの諱と関連づけているタイプです。

有名なのは先ほども登場した孫策・孫権兄弟です。伯符と仲謀ですね。

 

3)兄弟で共通の漢字+異なる漢字
たとえば袁紹の子ども達は、第一字に全員「顕」がついています。

曹操の子どもも同様に、全員「子」がついています。こういったパターンですね。

 

三國志ライター 楽凡の独り言

baienfu

 

少し長かったですが、いかがでしたでしょうか。

名と字の関係が分かると、中国史の世界がより味わい深いものになると思います。

三国志』 の登場人物たちの名前を見ながら、そこにどんな意味が秘められているのか考察してみるのも一興です。

 

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この記事を書いた人:楽凡

baienfu

自己紹介:歴史専攻は昔の話、今は漢文で妄想するのが得意なただのOLです。

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