118話:孔明君のジャングル探検?南蛮討伐前哨戦

2015年10月29日


孔明 出師

 

三国志演義は、劉備(りゅうび)が死んだ後は、辛い哀しい事が続きます。

しかし、例外的に、この孔明(こうめい)の南蛮討伐に関しては

不思議に明るく、奇想天外な冒険活劇になっています。

 

それも、その筈で正史での南蛮征伐の記述は、僅か一行、、

それ以外は、後世の三国志ライター達が、必死で内容を詰めて、

娯楽性を強め面白くしたものなのです。

 

前回記事:117話:司馬懿仲達、三国志の表舞台に出現!劉禅は劉備の後継者に。

 

 

監修者

ishihara masamitsu(石原 昌光)kawauso編集長

kawauso 編集長(石原 昌光)

「はじめての三国志」にライターとして参画後、歴史に関する深い知識を活かし活動する編集者・ライター。現在は、日本史から世界史まで幅広いジャンルの記事を1万本以上手がける編集長に。故郷沖縄の歴史に関する勉強会を開催するなどして地域を盛り上げる活動にも精力的に取り組んでいる。FM局FMコザやFMうるまにてラジオパーソナリティを務める他、紙媒体やwebメディアでの掲載多数。大手ゲーム事業の企画立案・監修やセミナーの講師を務めるなど活躍中。

コンテンツ制作責任者

おとぼけ

おとぼけ(田畑 雄貴)

PC関連プロダクトデザイン企業のEC運営を担当。並行してインテリア・雑貨のECを立ち上げ後、2014年2月「GMOインターネット株式会社」を通じて事業売却。その後、「はじめての三国志」を創設。戦略設計から実行までの知見を得るためにBtoBプラットフォーム会社、SEOコンサルティング会社にてWEBディレクターとして従事。現在はコンテンツ制作責任者として「わかるたのしさ」を実感して頂けることを大切にコンテンツ制作を行っている。キーワード設計からコンテンツ編集までを取り仕切るディレクションを担当。


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曹丕(そうひ)の出した詔勅に南蛮王、孟獲(もうかく)が動く

曹丕 残忍

 

曹丕(そうひ)は、劉備の死を利用し、五つの街道から蜀を攻めて滅ぼすという

司馬懿(しばい)の計略を実行します。

ところが全てを読んでいた孔明は、呉に鄧芝(とうし)を送り込んで同盟を結び、

さらに、平陽関の趙雲(ちょううん)には10万の兵で長安を突くように命令を出します。

 

曹丕は、蜀に攻め込もうとして呉の徐盛(じょせい)の軍に阻まれ、

戦下手っぴの曹丕は簡単に敗北、しかも、体制を立てなおそうとした途端に、

趙雲が長安に迫っていると伝令を受けて、あたふたしている所を、

徐盛に見透かされて追撃を受け軍は全滅しました。

 

しかし、時代とは分からないもので曹丕の詔勅(しょうちょく)を受けて

南蛮王の孟獲が今頃動きだします。

もう少し早かったら、曹丕も敗戦しなくて済んだのにタイミングが悪いです。

 

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孟獲が挙兵すると雍闓(ようがい)、朱褒(しゅほう)、高定(こうてい)も呼応

趙雲 子龍

 

孟獲が挙兵すると知った雍闓、朱褒、高定という益州南郡の太守も、

これに呼応して兵を挙げたので、それは10万という大規模反乱になります。

 

流石の孔明も、これに単独で当たるのに不安を感じて、長安に向かっていた

趙雲を引き返させました。

 

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孔明、南蛮討伐を決意、その理由は?

孔明君のジャングル探検01 孔明

 

孔明は、曹丕の煽動で簡単に反乱した南蛮に危機感を持ちます。

 

「先帝の御遺志である漢の復興の為には、逆賊曹丕を討たねばならない。

しかし、曹丕は我が軍が全力を傾注できないように、

南蛮を煽動してその力を削ごうとするであろう。

それでは、挟撃を受けて全滅の危機も生じる、、よって、

私は自ら南蛮征伐を行い南蛮孟獲(もうかく)を手なずけて

南の憂いを排除しようと考えている」

 

蜀の大黒柱である孔明が遠征して万が一の事があればと

心配する家臣もいましたが、孔明は断じて自ら行くと宣言し

趙雲魏延(ぎえん)関羽(かんう)の三男関索(かんさく)を連れて

50万の大軍を動員したと三国志演義にはあります。

 

さて、孔明が南蛮討伐を行う理由は、もう一つあります。

それは、南蛮でしか採れない、動物の角や毛皮、金銀のような

特産物を目当てとしたものでした。

 

南蛮を手なずける事で、これらを貢物として受け取り、

売却すれば北伐の軍資金にはなると踏んだのです。

 

反乱トリオ、雍闓、朱褒、高定に孔明のサイコアタックが炸裂(笑)

阿会喃(あかいなん)と孔明

 

孔明は大軍を擁していましたが、もちろん一兵も損なうつもりはありません。

ここでは、孔明得意のサイコアタックで反乱トリオを仲違いさせ

こちらは血を流さずに自滅させようと企みます。

 

最初に、反乱トリオは高定の部下の顎煥(がくかん)が先鋒として出陣します。

ところが、黒孔明は、これを魏延王平(おうへい)、張翼(ちょうよく)で

変わりバンコに相手をさせます。

顎煥はスタミナも武勇もありましたが、流石に3人相手は疲れてしまい、

蜀軍に捕まってしまいました。

 

黒孔明、顎煥に出鱈目を吹きこむ

孔明 軍師

 

捕まった顎煥の縄を孔明は解かせます、そして、、

 

「あなたの主君の高定は、忠義の人なのに、ずるがしこい雍闓に騙されています。

私は、忠義の人である高定殿と戦うのを心底辛いと感じています。

是非、もどって高定殿に目を覚ますように説得して下さい」

 

と嘘なみだをいっぱいこぼして言いました。

 

戻った顎煥は高定を説得する(笑)

 

顎煥は、蜀の陣営で至れりつくせりの高待遇を受けたので、

孔明の嘘八百の言い分をすっかり信じ込んで、高定に言いました。

 

顎煥「御主君は、雍闓めに騙されています、我々が従うべきは諸葛丞相ですぞ!」

 

高定「えええ?マジで、、雍闓が俺を騙したのか!!」

 

高定は真に受けて、雍闓を訪ねて真相を確認しようとします。

※もう、この時点で脳筋武将決定です。

 

雍闓「そんな事があるわけがない!これは孔明の罠だ!(出た!)」

 

雍闓は即座に否定(当たり前)しますが、これで反乱トリオ連合軍の

結束は完全にギクシャクしてきます。

 

孔明、兵士にも流言を流し、雍闓は顎煥に斬られる

諸葛孔明019

 

さらに、孔明は、捕まえた、反乱軍の兵士を雍闓派と高定派に分離し

「高定派は助命するが、雍闓派は皆殺しにする」と流言します。

 

それを知った顎煥は、「やはり雍闓が高定を騙したのだ」と確信し、

陣営に入り込んで雍闓の首を斬ってしまいました。

 

高定は雍闓の首を持って、孔明の元に急ぎます。

 

孔明、高定を罵倒する!

 

 

高定が雍闓の首を持って、蜀の陣営にやってくると、

孔明は不機嫌な顔をしてそれを待っていました。

そして、首を見るや、「これは偽物だ!」と高定を叱りつけます

 

高定「何を仰います、これは正真正銘、雍闓の首で御座る!」

 

おろおろする高定に、孔明は朱褒の手紙を見せます。

 

そこには、雍闓と高定は見た目よりも絆が堅いので気をつけられよ。

簡単に信じてしまわないようにと書いてありました。

 

孔明「私は、高定殿は忠義の人であると信じていたが、浅墓であった・・

このように朱褒殿が忠告して来なければ危うく騙される所だったわ」

 

孔明は、毒を吐いて高定を見下しますが、それを聴いて高定の顔色が

みるみる赤くなり体はガクガクと震えました。

高定、大爆発し朱褒を斬る!

 

 

高定「ふ・・ふふふ・・朱褒め、、わしを唆して、雍闓につけと言ったのは

貴様であったのに、わしと雍闓を罠に掛けて殺そうと思っていたのか!!」

 

高定は、真っ赤な顔をして孔明の前に向き直ります。

 

高定「諸葛丞相、今しばらく、時間を下され、、

この高定、命に換えても朱褒の首を、ここに持って参る」

 

高定は、自分の軍を率いると何も知らない朱褒の軍に襲いかかります。

そして、朱褒は訳がわからない間に首をはねられてしまうのです。

 

もちろん、孔明が出した朱褒の手紙は偽物、朱褒は何の落ち度もないのに

誤解した高定に殺されてしまいます。

孔明、一兵も損なわず、反乱トリオを滅ぼす

 

 

高定が朱褒の首を持ってきたのを見て、孔明は丁重に謝罪します。

 

孔明「高定殿、よく調べてみると、あなたの持ってきた首は確かに雍闓の首であった

朱褒の口車に乗り、あなたを疑ったりして悪かった許して欲しい」

 

よくもまあ、、次から次に嘘を吐けるもんだと感心しますが、

自分が孔明に騙されて、盟友二人を殺したとは夢にも思わない高定は、

こうして孔明により益州南郡の太守の座を任されます。

 

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孔明、いよいよ、南蛮王、孟獲との戦いに挑む

孔明君のジャングル探検02 孔明

 

しかし、これは前哨戦に過ぎませんでした、益州の奥地には、

未開のジャングルと恐ろしい猛獣、そして死をも恐れぬ勇敢な南蛮兵と

孟獲が孔明の来るのを待っていたのです。

 

♪負けるな僕らの孔明! 戦え、サイコアタッカー孔明!!

結構、ひどい事やってるけど、負けてないから全てOK

頑張れ、僕らの丞相、諸葛亮孔明!!

 

次回記事:119話:孔明君のジャングル探検?南蛮討伐本戦

 

 

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台湾より南、フィリピンよりは北の南の島出身、「はじめての三国志」の創業メンバーで古すぎる株。もう、葉っぱがボロボロなので抜く事は困難。本当は三国志より幕末が好きというのは公然のヒミツ。三国志は正史から入ったので、実は演義を書く方がずっと神経を使う天邪鬼。

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